実は寒さに慣れさせることで耐寒性を高めることができます。
ここでは耐寒性を高めるように育てる方法を挙げてみます。

耐寒性と冬越しの関係
しかし耐寒性を上げるには一度冬越しさせることが必要。
矛盾しているようですが、これを両立して行きます。
耐寒性を上げるには寒さに慣れさせるのが一番となります。
しかしいきなり強い寒さに当てて枯らしては元も子もありません。
徐々に寒さに慣らしていくことで耐寒性を上げていきましょう。
【はじめに】耐寒性と冬越しの関係
・耐寒性は変動する!?
【防寒対策】耐寒性を高めよう
・基本的な流れ
・購入してすぐの苗の場合
・2年目以降の鉢植えの場合
・すでに地植えしてしまった場合
【おまけ】
・そもそも寒冷地って?
・最初から耐寒性の強い苗を入手する方法
【関連記事】
・冬越しの方法
【はじめに】耐寒性と冬越しの関係
【耐寒性は変動する!?】
冬、それも冷涼地の屋外で冬を越すにはある程度の耐寒性が必要となります。
小さな苗の状態ではあまり耐寒性が強まっていませんが、
耐寒性があるとされるハーブなら徐々に寒さに慣らしていくことで耐寒性を高めることができます。
半耐寒性とされるハーブも、耐寒性ほどではないにしろ多少の耐性は増やすことができます。
逆に耐寒性があるハーブも温室などの冬も暖かい場所で育てると耐寒性が弱まります。
大抵のハーブは多年草なので翌年以降を考えるならば耐寒性を高めておきたいところです。
それにはまず一度は冬越しを成功させる必要があります。
徐々に寒さに慣らし、温度を下げていくことで耐寒性を高めることができます。
冬越しを経験することで耐寒性が高まり、耐寒性が高まることで次の冬越しが成功しやすくなるという関係になります。
【防寒対策】耐寒性を高めよう
【基本的な流れ】
・まずは寒風の当たらない場所へ移動
・次に霜の当たらない軒下などへ移動
・さらに気温が下がったら防霜シートや不織布等で覆う
・特に冷え込む日だけは玄関内などに移動する
・危なくなったらギブアップして翌年に再チャレンジする
耐寒性を高めるには、苗が傷まない程度の低温に少しずつ慣らし、徐々に慣らす温度を下げていきます。
この際には、霜や寒風で枯らさないように、薄い寒冷紗や不織布で植物を覆うなどの対処が必要になります。
春に入手した苗と秋に入手した苗で若干違いはありますが、
基本的な流れとしては一年目は鉢植えのまま防寒対策をしっかりしつつ、軒下などのやや安全な屋外で冬を越します。
天気予報等で急激な冷え込みが予想される場合のみ室内の涼しい場所へ取り込みますが、
基本的には屋外で過ごします。
一冬無事に越せれば翌年の耐寒性はかなり高まっていますので、庭植えに移行しても大丈夫でしょう。
なお、冬越しがその時点で無理そうだなと判断した場合は安全な温度の場所へ引き上げます。
厳冬期を過ぎて危険が過ぎたら再度防寒対策をしたうえで屋外へ戻すか、次の冬に再チャレンジします。
寒さに慣らせつつ冬の間も育てるには、いくつか目安となる温度があります。
まずは最低気温が5度、次が2度、0度となります。
寒さに慣れてきたら目安になるのは−2度、−5度、−10度となります。
最初に防ぐのはその年初めての寒風と一度目の霜です。
気温が下がり始めたころに突発的に起こることが多いので注意が必要です。
これは軒下などで凌げますが、防霜シートなどを使っても良いでしょう。
これを防ぎきったら寒さに慣らしていきます。
冬越しに自信がない場合は、0度からマイナス2度の間を目安にギブアップします。
この場合は暖かくない室内(暖房のない玄関や窓際など。寒すぎる物置や納屋はNG)へ取り込んで一冬過ごし、二年目以降に再度、
一からチャレンジします。
突発的に気温が下がるような日も涼しい室内へ一次退避します。
暖かい室内へ置いてしまうと耐寒性が低くなりますのでくれぐれも注意してください。
気温がマイナスになってしばらくすると植物も慣れてきますが、体力のない苗や自信がない場合は
だいたい−2度から−5度の範囲内に収まる場所で一冬過ごします。
突発的にそれ以上の寒さになることがあるので、薄い寒冷紗や不織布などを張って予防します。
温暖な地域や関東でも平野部では−5度くらいの耐寒性があれば十分です。
一方、北関東の山間以上の地域になってくると、−5度では全く足りません。
枯れる心配がある場合は一年目は−5度を耐えられる程度で保持し、翌年の冬に再度チャレンジします。
前年に−5度まで耐えられるようになっていれば翌年は−8度くらいまでは耐えられるようになっていますので、
これを毎冬繰り返していきます。
北関東の山間になってくると、暖かい場所でも夜間の最低気温が−10度に達します。
この気温になると鉢植えは土ごと凍りますし、地植えでも場所によっては地面ごと凍ります。
寒い地域ではまずは−10度を目標に育て、翌年以降に−15度に挑戦すると良いでしょう。
稀に−20度に達することもあるため、耐寒性は強いにこしたことはありません。
参考:
冬越し対策の目安となる温度
【購入してすぐの苗の場合】
・秋よりも春の苗のほうが成功率は高い
・1年目は−2度から−5度で
・防寒したうえで屋外で育てる
・ただしいきなり−10度の屋外放置は無理
・土と根が凍らないように注意
ハーブの苗が市場に盛んに出回るのは主に春の終わりと秋の初めです。
春に購入した苗と秋に購入した苗ではやや体力に差がみられます。
春に購入した苗は無事に夏を越せれば秋に再度成長し、購入時より大きくなります。
地植えの場合もしっかり根が張っているころです。
秋に小さな苗を入手した場合は、念のため一年目の冬は鉢植えで過ごしたほうが安全ですが、うまく育てれば庭の地植えでもなんとかなります。
購入したばかりの新苗や若い苗はまだ枝先が柔らかく、霜に当たるとその部分が傷みやすくなります。
このような場合は、まず夜間の気温が5度を下回る危険性が出てきたら雨風の当たらない明るい屋外へ移動します。
玄関先や軒下などでよいでしょう。
可能であれば暖かい昼間は元の完全屋外へ出し、夕方に取り込むと良いですが、ある程度の明るさが確保できるなら取り込んだままでも良いでしょう。
これらの苗はまだ寒さに抵抗がないため、最初の冬越しは防寒したうえで−2度から−5度くらいが限度です。
その温度の範囲内で凍らない程度に管理し、二年目以降に本格的な寒さに当てて慣らすようにします。
薄めのシートなどで霜と寒風を防ぎながら寒さに慣らしていきましょう。
最初の年にいきなり−10度の屋外放置は無理なことが多いため、寒冷地ではしっかり防寒対策をするか、無理せず室内で過ごしたほうが良いでしょう。
《 関連記事 》 冬越し対策の目安となる温度
《 関連記事 》 風や霜への対処法
−4度くらいから土が凍り始めますので、新苗の場合は特に根が凍らないように注意が必要です。
地上部の防寒はもちろんですが、鉢の防寒のほうが重要となることがあります。
秋までの間に寒さを通しにくく保温性能の高い素焼きの植木鉢に植え替えておきましょう。
鉢カバーなどを利用するのも防寒には有効です。
【2年目以降の鉢植えの場合】
・前年より一段階寒くて大丈夫
・暖かいうちに大きくしておく
・防寒したうえで屋外で育てる
・−10度までが安全ライン
・土と根が凍らないように注意
二年目以降の苗はある程度大きさもあり、体力的には充実しています。
特に前年の冬を涼しい場所で過ごしている場合には耐寒性も多少上向いていますので、本格的な寒さの中での冬越しにも挑戦しやすくなります。
より耐寒性を高めるためには、まずは暖かい季節のうちに株を大きく育てます。
この際、例えば肥料や水分を多めに与えてしまうと弱く育ってしまいますので、控えめで育てます。
11月以降の冷え込みが厳しくなってくる時期から再度、冬越しの準備を始めましょう。
前年より大きな鉢に植え替えをしていない株の場合、気温が5度を下回る前までに一回り大きな鉢へ植え替えておきます。
鉢が大きいほど根の冷えが軽減されます。
一度冬越しを経験している株は5度の時点ではまだ心配はいりませんので、屋外で十分に日光に当てて育てます。
最低気温の目安としては、前回の冬越しで経験した温度より3度くらい温度が下がっても大丈夫なはずです。
−5度を経験しているならば同じ対策で−8度くらいまでは問題なく過ごせるでしょう。
強い霜さえ注意すれば何とかなりますので、心配なら霜よけのシートを張っておくと安心です。
《 関連記事 》 冬越し対策の目安となる温度
北関東の山間でも暖かい場所であれば平均的に最低気温は厳冬期でも−9度から−15度くらいの範囲に収まります。
まずは防寒対策を施したうえで−10度に慣れさせれば、翌年は防寒なしで−10度、もしくは防寒対策をして−15度に耐えられるようになります。
これくらいに慣れれば軒下から庭へ出して大丈夫です。
すでに地上部は寒さに慣れていますので、あとは根を守れば何とかなります。
鉢の防寒や根覆いで対処しましょう。
鉢植えの場合はどうしても植木鉢・根が冷えやすいため、そのままで過ごすには−10度が限界の目安となります。
北関東の山間で暖かい場所であれば−15度を防寒対策なしで過ごせるようになればだいたいは耐えきれるようになりますが、
鉢植えの場合はやや厳しい数字となります。
それ以上の寒冷地となると−20度という数字が見えてきます。
北関東の山間でもたまに達する温度ですので、より北の地方などでは目安となってくる温度になります。
この温度になってくると、鉢植えよりも地植えのほうが安全になってきます。
この温度を屋外の鉢植えで無事にやり過ごせる植物は種類が限られてきますので、
苗が十分な大きさに育って体力もある場合は地植えに移行したほうが良いでしょう。
【地植えの場合】
・移動できないのでその場で耐える
・支柱にシートを張って対処
・根の浅い植物は霜柱に注意
・目標は−15度以上
・落雪による枝折れに注意
地植えの場合、鉢植えのように場所を移動することができませんので、
植え付けたその場所で耐えることになります。
新しい苗を手に入れて地植えした場合、春の植え付けか秋の植え付けかで基礎体力が変わってきます。
春に植えたほうが根もしっかり張って株も育っているのでやや耐寒性が高くなります。
秋に植え付けた株は、場合によってはまだ根がしっかり張っていない場合もあり注意が必要です。
庭の地植えでは大抵の場合、日当たりのよい場所に植えていると思いますので日中の温度はさほど問題ではありません。
ただし、植えた場所によっては冷たい風が強く当たることがあり、その場合は防風対策が必要となります。
また、霜も直接当たりますので霜対策も必要となります。
支柱にシートを張って対処しましょう。
秋以降、徐々に寒くなっていくような状況では問題は発生しにくいのですが、時に急に冷え込むことがあり、
そのような場合にダメージを受けます。
初めて経験する一回目の霜で枯れる可能性が高いので、
夜間に霜が降りる危険性(日中の温度が一桁)が出てきたら対策をします。
鉢植えのうちに寒さを経験しているならばそのまま地植えに移行しても大丈夫ですが、
購入した苗やあまりにも若い苗の場合は耐寒性がないまま地植えで冬を越すことになるので、十分な防寒対策が必要となります。
この場合はその年最初の寒風が吹く前に霜よけもかねて薄い寒冷紗や不織布を張っておきましょう。
植物の周囲に支柱を立て、それに留め付けておけば大丈夫です。
より寒さが厳しくなったらシートを二重にしたり根覆いをしたりして対処します。
地植えならではの注意点としては霜柱があります。
水分が多く枯葉が積もっているような場所で起こりやすくなります。
霜柱が経つと地表付近の根が土ごと浮き上がってしまうため、根の浅い植物は持ち上げられてしまいます。
このようなタイプの植物は霜柱が立たないように根覆いをするなどの対処が必要になります。
根覆いは腐葉土やバークチップなども利用できます。
地植えで一度冬越しに成功すると、翌年は防寒対策が一段階ほど軽いもので済むようになります。
特に耐寒性が強いものや、元々軽い防寒対策で済んでいたような種類の場合は、防寒対策そのものが不要になることもあります。
寒さに抵抗が強まれば、注意するのは落雪による枝折れと、稀に降りる強い霜だけとなります。
地植えの場合、だいたい−15度くらいが耐えられるようになれば冬枯れの危険性はぐっと少なくなります。
北関東でも山間では突発的に−20度を超すことがありますが、連日の−15度を日常経験して耐えられるようになっていれば、
短時間の気温低下は耐えられるでしょう。
危ないと思ったら防霜シートを二重にするなどの対策で乗り切れます。
【おまけ】寒冷地よもやま話
【そもそも寒冷地って?】
寒冷地というのは文字通り気候が寒い地域ですが、実際の体感温度とは乖離しています。
あくまで年の平均気温で判定されるため、たとえいくら冬が寒くても、夏が暑ければ平均気温が上がり、寒冷地とされません。
そのため、関東でも内陸や、北部山沿いでも南斜面など実際には冬はかなり寒いにもかかわらず、
夏が暑すぎて温暖地どころか暖地判定されているところもあります。
なお、北海道になると寒冷地ではなく寒地と判定されるようです。
植物を育てる際の寒冷地に関しては決まった温度はありませんが、 耐寒性の強い植物とされるものがだいたい−5度や−10度を目安としているので、 やはりそれくらいの温度以下になることが目安になるかと思います。
【最初から耐寒性の強い苗を入手する方法】
このページでは耐寒性を挙げながら育てるメリットを紹介してきましたが、 そもそも最初から耐寒性がアップした状態の苗を入手するのが一番手っ取り早い方法です。
その方法とは、ズバリ、耐寒性を高めた株から挿し芽を取る、です。
寒冷地でも防寒対策なしで地植えで過ごせるような親株から挿し穂を取ると、
小さな苗であってもよほどのことがなければ冬枯れすることはありません。
ローズマリーやラベンダー、タイムは特にお勧めです。