特に寒冷地や山間は粘土質の所が多く、悩んでいる方も多いのでは?
以外にも少しの改善で多くのハーブが生育できます。 ここでは自力でできる対処方法を紹介します。
【土壌対策】 粘土質の改善方法
粘土質の土は、粒が細かく詰まりやすい土です。
見た目がしっとりしていても、土の中では水や空気が動きにくく、植物にとっては育ちにくい状態になりやすくなります。
ハーブでは特に、乾きやすく通気性の良い土を好むものが多いため、まず土の性質を知っておくことが大切です。
【Capter.1】粘土質の土ってどんな土?
・粘土質の土の性質
・粘土質土壌にはメリットもある
【Capter.2】粘土質の土で起こりやすいこと
・起こりやすいトラブル
・なぜ粘土質の土だと根腐れが起きるのか?
【Capter.3】土壌改良の必要性
・土壌改良の考え方
【Capter.4】目指したい土の状態
・目指したい土の状態
・粘土質をハーブが育つ「ふかふかの土」に変える基本方針
【Chapter.1】粘土質の土ってどんな土?
【粘土質の土の性質】
粘土の特徴はその粒子の細かさにあります。
そのため、ぎっしりと固く詰まってしまい、カチカチの塊になります。
・粒が細かく固まりやすい
・水がたまりやすい
・空気が通りにくい
・乾くと固くなりやすい
・根がのびにくい
特に雨の後には状態が悪くなりやすく、排水性に目が行きがちです。
植物を植える前に、土の状態を改善しておくことが大切です。
【粘土質土壌にはメリットもある】
ハーブ栽培では嫌われがちな粘土質ですが、実は植物にとって良い性質も持ち合わせています。
保肥力(肥料を蓄える力)が非常に高い 粘土の細かい粒子は、肥料成分やミネラルを吸着して逃がさない性質があります。 砂質土のように雨で肥料が流れ出てしまうことがありません。
一度水分バランスが整えば保水力が安定する 通気性さえ確保してあれば、夏場の極端な乾燥から根を守ってくれる良い土になります。
つまり粘土質の土壌対策とは、粘土をすべて別の土に入れ替えるのではなく、 「粘土の保肥力という長所を残しつつ、通気性と水はけを大きく補う」ことになります。
【Chapter.2】粘土質の土で起こりやすいこと
【起こりやすいトラブル】
粘土質の土で育てにくさが出やすいのは、水分を含むと乾きにくく、根のまわりに空気が足りなくなりやすいためです。
ローズマリーやタイムのように、濡れても乾きやすい土を好む植物では、この影響が出やすくなります。
・根腐れしやすい
・生育が鈍りやすい
・雨のあとに悪化しやすい
・冬に凍りやすい
・表面だけ乾いても中は湿ったまま
固く詰まってしまった粘土質の土壌は排水性も通気性も悪く、根腐れが発生しやすくなります。
さらに寒冷地の場合、水分量の多い粘土質の土は厳寒期に土ごと凍ってしまいがち。
耐寒性が強い植物でも根まで凍ってしまうとダメージが大きくなります。
土を掘り返していて腐ったようなにおいがした場合は、その場所の土中にはすでに
根腐れを起こす嫌気菌が繁殖している可能性が高くなっています。
このような時は、土を掘り起こして空気にさらします。
周囲から水が流れ込んでくるような場合は、あわせて排水対策が必要になることがあります。
粘土質の土は重いうえに道具に張り付くため、広い範囲を掘り返すのはなかなか困難です。
そのような時は粘土がへばりつきにくい穴あきシャベルがありますので、作業が大変な時は道具を工夫してみると良いでしょう。
【関連記事】:排水対策 > 排水の対策
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【なぜ粘土質の土だと根腐れが起きるのか?】
ハーブが枯れる最大の原因は「根腐れ」です。
根腐れと聞くと「水を与えすぎたから根が腐った」と思われがちですが、実は直接の原因は「水そのもの」ではなく「土の中の酸素不足」にあります。
つい土の「排水性」に目が行きますが、より正しくは「通気性」が大切ということになります。
【1. 粒子が極端に細かく、空気の通り道がない】
粘土の粒子は普通の砂や土に比べて非常に細かく、雨が降ると隙間なくぎっしりと水で詰まってしまいます。
土の中に空気(酸素)が通る隙間がないため、植物の根が呼吸できなくなってしまうのです。
【2. わずかな隙間に水が溜まり、乾かない】
粒子と粒子の隙間が小さすぎるため、一度水分を含むと毛細管現象のように強い力で水を抱え込んで放しません。
雨が降るといつまでも水たまりになり、晴れて乾くとコンクリートのようにカチカチに固まるというのは粘土質特有の現象です。
【3. 酸素を嫌う「嫌気菌」が繁殖する】
土中に酸素が行き渡らない状態が続くと、酸素のない環境を好む「嫌気菌(根腐れの原因となる雑菌)」が爆発的に増殖します。
掘り返した時に花瓶の古い水のような嫌なにおいがする場合は、この嫌気菌が活発になっている証拠です。
通気性のない粘土の中に根が閉じ込められると、呼吸ができないうえに嫌気菌に侵され、根が黒く溶けるように腐ってしまいます。
根腐れしないようにするには、土に大きな顆粒状の資材などを混ぜて、土に隙間ができるようにします。
詳しくは続きの項目や、関連ページでお話しします。
【関連記事】:土壌対策 > 粘土質の土壌を柔らかくする方法
【関連記事】:育て方Q&A > 根腐れ
【Capter.3】土壌改良の必要性
【土壌改良の考え方】
粘土質の土は、悪い土というよりも、そのままでは合わない植物が多い土です。
大切なのは、土の中にほどよいすき間を作って、水と空気が動けるようにすることです。
ハーブ向きの土づくりでは、排水性と通気性を整えることが基本となることが多いです。
・細かすぎる土を少し粗くする
・固まりをほぐしてすき間を作る
・水はけと通気性を整える
・繊維質を加えて土をやわらげる
・土の状態に合う材料を使う
一般的に、粘土質の土は養分が少ないといわれますが、実際のところ、宅地造成の前までは田畑だったような場所の土は養分過多の場合もあります。
このような場所の粘土は水分と共に養分を抱え込んでいるため、養分を含まない砂などを混ぜて排水性を良くし、過剰な水分と養分を共に逃がす必要があります。
養分過多の粘土は余計に根腐れしやすいため、土壌改良は大切です。
粘土質を和らげるには植物性資材が欠かせませんが、 ピートモスなどは保水性が高い資材になるため、バランスに注意しながら使いましょう。
山間では粘土質かつ酸性土壌というところもあります。
土のPH調整のために苦土石灰を入れると土が余計に硬くなりがちです。
このような場合は植物灰のほうが適していますので、混ぜる資材も土壌に合わせて使い分けましょう。
【関連記事】:土壌対策 > 粘土対策向けの土壌資材
【Capter.4】目指したい土の状態
【目指したい土の状態】
目標は、乾きすぎる土でもじめじめした土でもなく、水分と空気のバランスが取れた土です。
人気のハーブの多くは、やや乾き気味で排水性の良い土を好むため、その状態に近づけていくと育てやすくなります。
・水がたまりにくい
・ふんわり崩しやすい
・根が入りやすい
・雨のあとも乾きが極端に遅くない
・表面と中の差が大きすぎない
土の粒子に隙間ができれば水分は逃げやすくなり、通気性もよくなります。
そのため土が内部まで乾きやすくなり、根腐れしにくい土壌となります。
つまり粒子を粗くして隙間を作り、力を加えればすぐにほぐれるような土壌にすればよいわけです。
粘土の塊はほぼ粘土の細かい粒子のみでできており、たとえば腐葉土などの植物性の繊維や養分がとても貧弱です。
繊維質があると通気性を保つとともに微生物の住みかとなり、その働きで土がほぐれ、団粒状の土の粒を形成してくれます。
よくほぐれた土では植物の根も張りやすくなります。
粘土の問題というと排水性が真っ先に頭に浮かぶと思いますが、実は土の通気性を高めると水分が蒸発しやすくなり、 蒸発して減る分の排水対策を兼ねることができます。
排水対策は大掛かりになりがちなので、手軽に済ませたい場合はまず通気性の確保から行うのがおすすめです。
【関連記事】:土壌対策 > 粘土質の土壌を柔らかくする方法
【関連記事】:排水対策 > 排水の対策
【粘土質をハーブが育つ「ふかふかの土」に変える基本方針】
ふかふかの土を作るポイントは、適した資材を粘土に混ぜ入れ、良くほぐすことです。
・粒同士に隙間がある
・適度な繊維質を含んでいる
・粘土とは重量的にも軽い
・粘土よりも色が明るい
・団粒構造がある
【1. 大きな粒(顆粒)を混ぜて隙間を作る】
細かい粘土粒子の間に、軽石や山砂などの粗い粒を混ぜることで、人工的に空気と水の通り道(隙間)を作ります。
【2. 有機物(植物の繊維)を入れて微生物を増やす】
腐葉土やバーク堆肥などの繊維分を入れると、土の中の善玉菌(好気性菌)が増え、土が自然と小さな粒の集まりの「団粒構造(だんりゅうこうぞう)」へ変化していきます。
植物が定着できるようになると、根の共生菌によっても団粒構造が生まれ、良い循環になっていきます。
【3. ゼオライトなどで嫌気菌の繁殖を防ぐ】
根腐れ防止剤として知られるゼオライトなどを少量混ぜることで、根腐れ菌の繁殖を抑えて根腐れを予防します。
粘土質の土は、一度で理想の状態に変わるわけではありません。
ただ、少しずつでもほぐしながら改良していくと、扱いやすさはかなり変わります。
大規模な土木工事や土壌改良が必要かと悩みがちですが、日常のお庭のお手入れ時に少しずつで大丈夫です。
何からどんな手順で始めるのか、あるいは具体的に何をどれくらい混ぜるのか、 粘土対策に向いている土壌改良資材については、関連ページでお話しします。
【関連記事】:土壌対策 > 粘土対策向けの土壌資材
まとめ
粘土質の土でハーブが枯れる理由は、水が多いことそのものではなく【空気の通り道がなく、根が呼吸できないこと】でした。
排水対策は大掛かりになりがちなので、手軽に済ませたい場合はまず通気性の確保から行うのがおすすめです。
原因と対策さえ分かれば、あとは必要な資材を選んで土に混ぜ込むだけです。
実際にどんな手順で土を改良するか知りたい場合は、粘土質の土を改良する方法のページをご覧ください。
粘土向きの土壌改良剤を作ってみたい場合は、土壌改良材を自分で作ってみようのページに作り方とポイントを解説しています。
ハーブ向きの土の配合をまとめて見たい場合は、ハーブに適した土作り、
土の酸性傾向も気になる場合は、酸性土壌の改良で詳しくお話ししています。
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