川砂の他には軽石などの顆粒状の資材を混ぜることも重要になります。
実際に何をどれくらい混ぜればよいか、確認していきます。
【土壌対策】 粘土質の土壌を柔らかくする方法
粘土質の土は、ただ資材を足すだけではうまく変わりません。
まず土をほぐし、そのうえで排水性や通気性を補う材料を加え、少しずつ整えていくことが大切です。
このページでは、実際の土壌改良の流れを順番にまとめます。
【Chapter.1】粘土質の土を実際に改良するには
・土壌の悩み
・土の状態を確認しておこう
【Capter.2】実際に土壌改良してみよう
・まずはあせらず、数日に分けて耕そう
・土壌改良資材を混ぜ込もう
・材料選びのポイント
・改良した土をなじませる
【Capter.3】おまけ
・お手軽簡易溝の作成
・水分をたくさん吸う植物に協力してもらう
【参考】関連情報
・粘土の場合
・土づくりについて
・根腐れ対策と復活方法
粘土質の土を実際に改良するには
【土壌の悩み】
粘土質の土壌を柔らかくする方法と手順ハーブを育てようと思った時、一番のネックになりやすいのが「土壌の問題」です。
特に山間部などは地面が粘土質であることが多く、掘ろうとしてもスコップが入らない・雨が降ると水たまりになり乾くとカチカチに固まる、とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
ローズマリーやタイム、ラベンダーなど、人気のハーブの多くは通気性と水はけの良い乾き気味の土壌を好みます。
粘土質のままだと根が酸素不足になったり、嫌気菌が繁殖して根腐れを起こし、枯れてしまう原因になります。
そのため、ある程度の土壌改良が必要になってきます。
ここでは、自力でもできる粘土質の土壌改良の全体のポイントを確認します。
・まず大きな土の塊をほぐす
・少し湿らせると作業しやすい
・通気性と排水性を優先する
・状態に合わせて材料を足す
・とにかくよく混ぜる
・無理して一度で仕上げようとしない
土壌改良が必要といっても、大掛かりな土木工事は必要ありません。
工夫次第で、一人で無理なく粘土質をふんわりとした通気性の良い土に変えていくことができます。
《参考》:
ハーブ全体の土作りの考え方をまとめて見たい場合は、ハーブに適した土作りのページからご覧ください。
【土の状態を確認しておこう】
改良を始める前に、今の土がどのくらい締まっているかを見ておくと進めやすくなります。
雨のあとに水が残るか、乾くと固くなるか、掘ると重くべたつくかなどといった点を見ておくと、必要な改良の方向が分かりやすくなります。
・雨のあとに水が残るかどうか
・掘ると重くべたつく
・掘るときに大きな塊になるか
・乾くと表面が固まりやすいか
・空気を含む隙間があるか
これらの状態を把握しておくと、何をどれくらい混ぜたらよいかの目安になりますので、資材の調達や作業の前に確認しておくと安心です。
庭の土壌対策の注意点ですが、やってはいけないことがあります。
それは【砕石を撒く】ことです。
粘土の中に採石が混ざると、まるでレンガのように、粘土が砕石を目地のようにしっかりと掴んで固めてしまいます。
こうなるとスコップが刺さりません。
砕石を敷きたい場合は、厚手のシートを敷き、エリアをレンガや根止め板などで区切り、その中からはみ出さないようにしましょう。
《参考》:
粘土質の土そのものの特徴を先に知りたい場合は、粘土質の土ってどんな土のページからご覧ください。
【Capter.2】実際に土壌改良してみよう
【Step.1】まずはあせらず、数日に分けて耕そう
粘土質の地面はとにかく硬く、塊になりやすいのが特徴です。
一度で一気に耕そうとすると体力をかなり消耗してしまいますので、数日に分けて少しずつ進めるのがコツです。
【まずはしっかりほぐす】
まずはスコップなどで地面を掘り返し、土を直接空気にさらしてよくほぐしておきます。
掘り返すことで余分な湿気が抜け、乾燥しやすくなります。
このとき、雑草の太い根が出たらこまめに取り除いておきましょう。
資材を混ぜる前に、固まった土をよくほぐしておくことが大切です。
固いままでは新しく加えた材料がなじみにくく、土の中の状態も変わりにくくなります。
土づくりの基本は、まずよくほぐすことです。
粘土の塊をほぐすには、スコップなどで掘ったら塊を小さく砕きます。
完全に乾燥して白くなっていると砕きにくいので、少量の水分を加えるとほぐれやすくなります。
ある程度ほぐれたら、園芸手袋をはめた手でこすり合わせるようにするとさらに細かくほぐすことができます。
これらは一日で全部やろうとするのではなく、少しずつ何度か繰り返しましょう。
天気の良い日に【掘り返して放置→ほぐす】を2〜3回繰り返すだけでも、粘土特有の湿り気が抜けて扱いやすい土に変わっていきます。
【Step.2】土壌改良資材を混ぜ込もう
ほぐした土には、粒のある材料を混ぜて土のすき間を増やしていきます。
軽石や川砂のような材料で排水性と通気性を高める考え方は、土作りでも基本になります。
・粗い粒で土に隙間を作る
・排水性と通気性を意識する
・細かい土ばかりにしない
・入れすぎは避ける
【排水性を補う材料を混ぜる】
土がある程度ほぐれたら、粘土質の改善に不可欠な【顆粒状の資材】と【植物性の資材】を混ぜ込んでいきます。
粘土の粒子は非常に細かいため、土の粒子どうしの隙間を作って通気性と排水性を確保するためには、粒のしっかりした資材を混ぜるのが一番効果的です。
【混ぜ方のコツ】
資材はいろいろありますが、粒子の大きさや重量の違いにより、そのままでは分離してしまいますので、
混ぜる順番を考えて加えていくと良いでしょう。
資材を加えたらよく全体を混ぜて均一にしましょう。
1.細かく軽い植物性繊維
2.草木灰や燻炭
3.川砂
4.小粒や細粒の顆粒(軽石や山砂など)
5.腐葉土やバークなど大きめの植物資材
6.各種調整資材(※必要に応じて)
7.有機肥料の素(※必要に応じて)
特に草木灰や燻炭、ピートモスなどは軽く舞い散りやすいため、少量の水を振りかけると作業しやすくなります。
また、全体的に少し湿り気がったほうが他の資材同士と混ざりやすくなります。
混ぜるときは、一度にすべての資材を入れようとせず、【資材をまく→よく耕して混ぜる→数日置く】を数回に分けて行うのがポイントです。
しっかりと掘って混ぜながら、粘土と資材が馴染むようにしましょう。
【材料選びのポイント】
【粘土質改善におすすめの基本資材】
軽石(小粒〜中粒):
個人的に一番おすすめの資材です。
多孔質(小さな穴がたくさん空いている)なので土の中に空気の通り道を作り、水はけを劇的に良くしてくれます。
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川砂:
粘土に物理的な粒感をプラスし、サラッとほぐれやすい質感に近づけます。
粘土に川砂のみだと土が締まってしまうため、他の資材と併用することが大切です。
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山砂(鹿沼土や桐生砂など)
粘土にゴロゴロした粒感をプラスし、土の中に隙間を持たせます。
年数がたつと崩壊して細かい土になるタイプがあるので、硬質とか焼成などの表記があるものが向いています。
ごくわずかですが酸性寄りなので、改良のベースに大量に使う際は植物灰などのマイルドなアルカリ資材で中和しましょう。
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腐葉土やバーク堆肥: 植物性の繊維分を補うことで、土の中に微生物を増やし、ふかふかな状態を持続させてくれます。
※重い土や大容量の資材は、ホームセンターから持ち運ぶのが大変なことも多いため、ネット通販などをうまく活用してまとめて自宅まで届けてもらうと作業がとても楽になります。
腰や腕を痛めては大変ですので、自宅の玄関や庭先でも無理せず、家庭用のカートなどを利用しましょう。
【状況に合わせて追加したい資材】
ゼオライト(根腐れ防止剤):
土を掘った時に古い水のようなにおいがする場合や、雨が続いた後の根腐れが心配な場合は、全体量の1割ほどゼオライトを混ぜておくのがおすすめです。
嫌気菌の繁殖を防ぎ、土を清潔に保ってくれます。
顆粒状のため、排水・通気性対策にも有効です。
ピートモス: 土があまりにも硬くてほぐれない場合はピートモスを少し混ぜると柔らかくなりますが、かなり保水性と酸度が上がるため、アルカリ性で通気性もある草木灰やもみがら燻炭も一緒に少し足してバランスを取りましょう。
草木灰・燻炭:
植物性資材で多孔質のため、土壌改良によく使われる資材です。
アルカリ性ですが苦土石灰ほど作用がきつくなくすぐ使えるため、土のPH調整にもお手軽です。
【なじみを良くする有機質も加える】
粒のある材料だけでは、土がばらけやすくなることがあります。
そこで、腐葉土やピートモスのような繊維の多い有機質を加えると土がほぐれやすくなり、全体のなじみも良くなります。
・土をふんわりと軽く保ちやすい
・資材同士をなじませ整えやすい
・根の伸びやすさにつながる
・湿りすぎるほど入れないこと
なお、日本の土は酸性に傾きやすく、ハーブの中にはややアルカリ寄りを好むものもあるため、時に土のPH調整が大切な時もあります。
そのため、排水性を整えたうえで酸性傾向も気になる場合は、関連ページで確認しながら見直していくと安心です。
【関連記事】:土壌対策 > 酸性土壌の改良
【Step.3】改良した土をなじませる
土を混ぜた直後は、見た目が整っていてもまだ落ち着いていないことがあります。
ジョウロで軽く水をまき、もう一度全体をさっくりと混ぜ合わせます。
少し時間をおいて、水の抜け方や手ざわりを確認しましょう。
しっとり感をふわふわ感があれば資材がなじんでよい土になっています。
また、良い質の土は粘土と比べるとほんのり温かみのある色や外見をしていますので、見た目もチェックしましょう。
資材を混ぜ終わったら、最後は表面を平らにならしてしばらく置きます。
掘り返した場所は土が盛り上がったり凹凸ができやすいため、雨が降った時に窪みに水が溜まらないか確認します。
【おまけ】
【お手軽簡易溝の作成】
もし、傾斜の上から水が流れてくる・排水が追いつかないという場合は、ハーブを植える場所の少し離れた周囲に、浅い溝を一本掘っておくのが効果的です。
大がかりな排水工事や本格的な暗渠を作らなくても、少し地面を削った程度で大丈夫です。
大雨が降ると埋もれてしまうこともありますが、埋まったらまた少し削ればOKなのでお手軽です。
ハーブの株元へ水が流れ込まないように誘導するだけで、地面の表面を流れる雨水を十分に逃がすことができます。
注意点として、ハーブの根元のすぐ近くに溝を掘ると、万が一溝が詰まった時に根元へ水が溜まってしまいます。
少し離れた位置に勾配をつけて溝を掘るようにしましょう。
簡単な排水対策については詳しいページがありますので合わせてご覧ください。
【関連記事】:排水対策 > 排水の対策
【水分をたくさん吸う植物に協力してもらう】
土壌対策や排水対策の補助的な裏ワザとして、【水分を大量に吸い上げてくれる植物】をハーブの周辺に植えておく方法もあります。
葉が大きく茂る植物や、成長の早いヒマワリやマーシュマロウは、根をしっかりと張りながら土中の余分な水分をどんどん消費してくれます。
また、力強く伸びた根が粘土の隙間に入り込むため、自然と土がほぐれるという嬉しい効果もあります。
【まとめ】
粘土は重くかたいので、土は一度にやろうとせず、数日に分けて繰り返しましょう。
土質を改善するには、とにかく掘り返す、ほぐす、空気にさらすことが大切です。
そのうえで、小粒の軽石や山砂、腐葉土などの多孔質・顆粒資材を少しずつ混ぜ込む、根腐れが心配な時はゼオライトを1割ほどプラスすると安心です。
周囲の土の水分が多すぎる場合は、周囲に浅い溝を掘って、株元に水が流れ込まない工夫をすると良いでしょう。
土の通気性と水はけさえ確保できれば、寒冷地や粘土質であってもハーブたちは元気に根を張り、美しい姿を見せてくれるようになります。
無理のない範囲で、少しずつ土づくりを楽しみましょう。
粘土質の土壌そのものについて知りたい場合は、粘土質の土壌とはで改善の方向性や考え方も含めて解説しています。
粘土向きの土壌改良剤を作ってみたい場合は、土壌改良材を自分で作ってみようのページに作り方とポイントを解説しています。
ハーブ向きの土の配合をまとめて見たい場合は、ハーブに適した土作り、
土の酸性傾向も気になる場合は、酸性土壌の改良で詳しくお話ししています。
【関連ページ】
【関連記事】:土壌対策 > 粘土質の土壌とは
【関連記事】:土壌対策 > 土壌改良材を自分で作ってみよう
【関連記事】:土壌対策 > 土づくりについて
【関連記事】:土壌対策 > 酸性土壌の改良
【関連記事】:水はけ対策 > 排水の対策
【関連記事】:根腐れ対策と復活方法