成功率の高い方法や、根が出ない場合や挿し芽が枯れる場合のチェックポイントも含めて解説します。
ハーブは種では繁殖しにくいものもあるので、失敗しない挿し芽の方法を覚えておきましょう。

挿し芽の方法
通常は土に挿して増やしますが、水に挿して増やす方法もあります。
ここではそのポイントを見ていきましょう。
【挿し芽の基本】挿し芽とは?
・挿し芽ってどうやるの?
・水挿しって何?
・挿し芽が成功しやすい種類は?
【挿し芽】水挿ししてみよう
・挿し穂の確保は?
・水に浸けよう
・発根したら?
・いつまでたっても根が出ないという場合
【挿し芽】土に挿してみよう
・挿し穂の確保は?
・土を準備しよう
・水やりはどうする?
・毎回枯れる! という場合
【挿し芽の基本】挿し芽とは?
【挿し芽ってどうやるの?】
挿し芽(挿し木)は増やしたい植物の若く元気な枝先を挿し穂として用意します。
基本的には土に挿し、根が出るのを待ちます。
水に挿して発根させる方法もありますが、どちらも根が出てからしばらく様子を見、問題がなければ土に定植します。
・元気の良い枝が差し穂としてベスト
・土に挿す方法と水に挿す方法がある
・根が出てしっかりしてきたら土に定植する
詳しいやり方とポイントはページの中ほどで説明します。
【水挿しって何?】
挿し芽のうち、水に挿し穂を浸けて発根させる方法が水挿しです。
うっかり水切れさせる危険が少なく、根が出る様子を直接確認できるのが利点です。
そのため発根の成功率が高く、おすすめの方法です。
水に浸けておくだけという手軽さも利点です。
【挿し芽が成功しやすい種類は?】
挿し芽が成功しやすいのはなんといっても発根率が高い種類です。
特にハーブは発根率が高い種類が多く、成功できる可能性は高くなります。
以下に水挿しでの確認ですが発根する確率が高いものを挙げてみます。
・ローズマリー ・タイム ・オレガノ ・セージ
・ヒソップ ・ベルガモット ・ラベンダー
なお、うっかり水回りや適度な湿気のある土の上に放置しておくとそのまま根付いてしまうものもあります。
ミントや匍匐性のタイムは扱いに気を付けましょう。
《 関連記事 》 ローズマリーの挿し木の方法
【挿し芽】水挿ししてみよう
【挿し穂の確保は?】
挿し芽というと土に挿すものと思われていることも多いのですが、
水に浸けて発根させるほうが手軽で成功率も高いです。 初心者の方にもおすすめの方法となります。
ここではまず水挿しから紹介します。
・下葉は水に触れない程度まで取り除く
・多種類を混ぜない
・発根しやすい部位を確保する
・水は毎日取り換えなくても大丈夫
挿し穂は元の植物の元気な枝先を使います。
一般的に長さは10センチほどとされますが、それより短くても十分発根します。
発根する部位は植物によって異なりますので、どうしても発根しない場合は発根しやすい部位を確保してください。
【発根しやすい部位】
《 枝が緑の部分 》
セボリー
《 若い枝の木質化し始めた部分 》
ローズマリー、ラベンダー、セージ
《 あちこちから根が出る 》
タイム(立性)、オレガノ、ヒソップ、パイナップルセージ
《 元株の根元付近の節 》
ベルガモット
《 節という節から発根 》
ロンギカウリス
挿し穂を用意したら下のほうの葉や芽をむしり取ります。
何センチまでという決まりはありませんが、水に浸けたときに水に触れた部分から枯れあがったりカビが生えやすくなったりしますので、
水に触れない高さまで取り除いてください。
葉の根元を取り残すと新しい葉が出てきてしまいますので、きれいに取り除きましょう。
【水に浸けよう】
挿し穂を確保したら容器に水を入れて挿し穂の下部を水に浸けます。
深さは数センチで大丈夫です。
挿し穂の脇芽や葉などに触れない深さにします。
一つの容器にたくさん入れてしまうと蒸れて傷みやすくなりますので、多くても4本くらいまでにとどめておきましょう。
また、一つの容器(水を共有する範囲)には同じ種類の植物だけにしておいたほうが無難です。
自分以外の植物の発根を妨げる成分を出す植物も多いためです(ローズマリーなど)。
水は毎日取り換える必要はありませんが、
うっすら濁ってきたり褐色に色づいてきたりした場合は取り換えましょう。
また、葉や花ガラなどが落ちるとそこからカビが生えてきますので、
見つけ次第取り除きます。
根元部分は暗くしないと発根しないとされますが、経験上、日があたっていても発根します。
ただしガラス瓶などの場合、直射日光が当たるとレンズ効果で周囲を焦がす危険性がありますので気を付けてください。
暖かい季節であれば4日ほどから2週間程度で発根します。
秋の場合は成長が遅く徐々に気温が下がるため、発根の機会を逃すとそのまま冬を越してから発根してくることもあります。
【発根したら?】
根が出てきたらすぐ土に定植したくなりますが1〜3日待ちます。
根が一本の場合、根が2センチ近く伸び、先が枝分かれし始めれば土に定植しても枯れる可能性は低くなります。
根が複数本出ている場合は1センチくらいでも大丈夫でしょう。
根がしっかりしていれば水から出し、土へ移植します。
まだ苗が小さいので植木鉢で良いでしょう。
土はごく一般的な培養土で大丈夫です。
植え付ける前に土を湿らせおくと定着が良くなります。
植え付けたら水をたっぷり与え、鉢底をコツコツと地面に打ち付けると土がしっかり定着します。
成長し始めたら根が増えて土に定着した証拠です。
十分体力が付いたら植え替えを行って育てましょう。
【いつまでたっても根が出ないという場合】
水挿しは成功率が高いため、複数本用意しておけばかなりの本数が根を出してくれます。
それが一本も根が出てこないという場合は何らかの要因があるので色々試してください。
【根が出ない要因】
《 気温が低すぎる 》
室温が20度以上で安定していると発根しやすくなります。
ローズマリーやタイムはもう少し低くても出てきます。
《 発根しにくい部位を使った 》
種類によって 発根しやすい部位 がありますので部位を変えてください。
《 数種類の植物を同じ容器に入れている 》
互いに自分以外の発根を妨げる成分を出している可能性があります。
種類ごとに別の水に挿してください。
《 すでに休眠している 》
秋に挿し芽を試みるとこの状態に陥りやすくなります。
翌春まで持ちこたえると発根してきます。
《 生け花になっている 》
挿し穂を取って生のままいきなり水に浸けると陥りやすいです。
切り口を水の中で切って水上げしてという方法でも陥ります。
切り口が干からびない程度、5分ほど空気に当てて乾かしてから水に浸けてください。
【挿し芽】土に挿してみよう
【挿し穂の確保は?】
ここからは一般的と思われる土に挿す方法を説明します。
水挿しよりはかなり難易度が高いです。
・葉の量を全体的に少し減らす
・養分の多い土は使わない
・土の通気性を確保する
・水切れにはとにかく注意
挿し穂は元の植物の元気な枝先を使います。
一般的に長さは10センチほどとされますが、それより短くても発根します。
発根する部位は植物によって異なりますので、どうしても発根しない場合は 発根しやすい部位 を確保してください。
挿し穂を用意したら下のほうの葉や芽をむしり取ります(匍匐タイプ以外)。
水挿しほどではありませんが、土に埋もれたり土に触れている部分の葉は枯れあがってきますので、
土に触れない程度まで取り除きます。
また、水挿しほど水分確保が容易ではありませんので、余計な水分の消耗を防ぐため、
葉が大きい種類や旺盛に茂っている場合は全体的な葉の量も減らしておきます。
【土を準備しよう】
《参考画像》
紙ポットでの栽培
土は赤玉細粒と一般培養土、草木灰の混合
土に挿す場合は挿し床となる土を用意します。
養分が少なく雑菌が繁殖しにくい土を用意します。
この時点では肥料は必要ありません。
土は一般的に小粒・細粒の赤玉土や鹿沼土が使われます。
ただ、赤玉土や鹿沼土の単体の場合は経験上の発根確率があまり高くないため、
雑菌が繁殖しない程度に少量の培養土や腐葉土、植物灰を混ぜたほうが良いでしょう。
排水性と通気性が良いのが利点ですが水切れしやすいので注意してください。
《 関連記事 》 赤土・鹿沼土
一般的な培養土は挿し芽も可能と書かれているものが多いですが、単体で使うことはあまり適していません。
養分が多すぎるのと、保水力が強すぎること、その割には水を弾いてしまうため、
培養土のみで挿し芽をするとなかなかうまくいきません。
挿し穂の切り口が傷んでしまう・腐ってしまうことが多めです。
排水性と通気性を兼ねた山砂系の土と混ぜると発根率を上げることができます。
容器はあまり深くないものが良いでしょう。
数が少ないなら浅鉢、何本か間隔をあけて一度に済ませるならプランター、一本ずつ大量に挿し芽するならポットなどが使いやすいです。
《 関連記事 》 苗ポット
挿す深さは挿し穂が倒れない程度であれば大丈夫です。
通常は2〜3センチ前後かと思いますが、挿し穂の地上部の長さによっては倒れてしまいますので、
もう少し深くまで埋めるか、支柱を立てて支えましょう。
ロンギカウリスなどの地を這うタイプは横に寝かせるようにします。これらは多少葉が土に埋もれても大丈夫です。
水挿しと違い、発根したかどうかを直接目で確かめることはできません。
気候が合えば2週間くらいで根が出るはずですが、それより時間がかかることもあります。
1カ月くらい様子を見て、枯れずに成長を始めたら根付いたと判断してよいでしょう。
根付いてからしばらく育てたら植木鉢などに植え替えます。
植え替えの時は培養土などでも大丈夫です。
【水やりはどうする?】
根が出るまでの間は土が乾燥しないように気を付けます。
ただし、あまりじめじめさせても挿し穂が腐る原因になります。
常時少ししっとりしているくらいで良いでしょう。
まだ根が出ていないため、勢いよく水を与えるとその勢いで挿し穂がぐらついてしまいます。
あまりぐらぐらさせると根が出にくくなるので注意してください。
挿し穂から離れた場所に水を与えるようにします。
土の通気性が十分であるなら底面給水を取り入れるのも一つの方法です。
ただし、一般の鉢受け皿などに水をためると常時水浸し状態になるので、
底面給水専用のプランターなどで行ってください。
もし根が十分出ていた場合に気づかず続けると根腐れの原因になりますので、根が出てきた気配があれば休止します。
【毎回枯れる! という場合】
土への挿し芽が成功しない場合、水挿しにすると意外と高確率で発根します。
ラベンダーなど、水挿しのほうが成功率が圧倒的に高いハーブも存在します。
どうしても失敗する場合は上で紹介した水挿しに切り替えてみてください。
土への挿し芽が良いという場合は、枯れる原因を探ります。
大抵の場合はうっかり土を乾かしてしまうか、挿し穂の切り口が腐って枯れてしまうかのようです。
根が出ないうちに土を長時間乾かしてしまうとせっかくの挿し穂を枯らしてしまいます。
ぐしょぐしょに濡らす必要はありませんが、常時湿り気を保つようにします。
一度たっぷり水を与えた後、乾くのが特に早いようならば次の水やりまでの間にも霧吹きなどでしっとり濡らしながら湿気を保ちます。
どうしても水切れしてしまう場合は底面給水も視野に入れます。
また、土の粒が大きすぎる場合、挿し穂や根の出る部分に土が接触していない状況になることがあります。
小粒や細粒の土を用意しましょう。
挿し穂が下から傷んでくる・腐ってくる場合は土の雑菌が多いことが考えられます。
養分が多いと雑菌が繁殖しやすくなります。
この場合は培養土などは量を控え、小玉の赤玉土や鹿沼土をメインにして新しい挿し穂でやり直します。
【まとめ】
・土に挿す方法と水挿しがある
・水挿しのほうが成功率は高い
・ハーブによって発根しやすい部位がある
・土は養分が少ないものを選ぶ