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HOME > ハーブ図鑑  > 用途別  > 酸性土壌を好むハーブ
酸性土壌を好むハーブは主にバラ科とツツジ科に集中しています。
酸性土壌を好むハーブは耐寒性が高く湿った土でも大丈夫なものが多いため、寒冷地の屋外では意外と育てやすいので心配いりません。 そのかわり夏には注意が必要です。

酸性土壌を好むハーブ

酸性土壌を好むハーブ

日本の多くの場所はやや酸性寄りの土壌ですが、人気のハーブはややアルカリ性を好むものが多く、土壌に適したハーブが見つからないことも。
ここでは珍しく酸性を好むハーブや酸性でも大丈夫なハーブをピックアップしています。


Contents 目次

【酸性土壌】酸性土壌を好むハーブ(草本系)
 ・ワイルドストロベリー
 ・アルケミラ
 ・サラダバーネット
 ・ソレル

【酸性土壌】酸性土壌を好むハーブ(低木系)
 ・ドッグローズ/バラ
 ・クランベリー/コケモモ
 ・カラント/スグリ

【酸性土壌】酸性土壌でも大丈夫なハーブ
 ・アキレア(ヤロウ)
 ・アルテミシア/サザンウッド
 ・イタリアンパセリ
 ・グレコマ(グラウンドアイビー)
 ・ダンデリオン
 ・チャイブ
 ・マロウ

【参考】
 ・植物の『科』に注目
 ・全体の傾向
 ・酸性土壌について
 ・まとめ
 ・関連記事


【酸性土壌】酸性土壌を好むハーブ(草本系)

【酸性土壌を好む多年草ハーブ】

それでは酸性土壌を好むハーブから総合的にオススメと思われる3種類を選んでみます。
育てやすさ、頑丈さ、ハーブガーデンに似合うかどうかから選定していきます。
鉢植えでも地植えでも良いですが、庭の他のハーブの根元などにあるとぐっと見栄えがします。


【おすすめ度TOP3】

1位.ワイルドストロベリー
2位.アルケミラ
3位.サラダバーネット
番外.ソレル


総合的に見るとワイルドストロベリーがダントツとなります。
ある程度育ってしまえばアルケミラも頑丈ですが、慣れないうちはやや苦戦するかもしれません。
ひたすら頑丈さだけを求めるならサラダバーネットがいいでしょう。

では詳しくみていきます。


【ワイルドストロベリー】

ワイルドストロベリー

【特徴】
・バラ科の多年草
・果実がおいしい
・耐寒性も抜群


【ワイルドストロベリーの性質】
酸性寄りの土壌を好むハーブの中で最も人気のハーブ。
中性程度でも十分育つが、やや酸性寄りのほうがよく育つ。
果実が収穫できるのは大体2年目以降(種まきの場合)。
鉢植えでも地植えでも行ける。


果実が熟するのに十分な水分が必要なので、開花以降は土の湿り気も必要。
酸性土壌でなおかつやや湿った土壌を好むという、 アルカリ寄りで乾燥気味を好むハーブが多い中では異色の存在。
手軽なハーブの中では耐寒性もダントツで、寒い時期には葉が赤みを帯びる。

※注意点として、ランナーで繁殖するタイプと、ランナーが出ないタイプがある。
ランナーの出る品種はうっかりすると庭中に大繁殖するので注意が必要。
ランナーが出ない品種は株分けで増やしていく。

【関連記事】:ワイルドストロベリーの詳細

【関連記事】:ワイルドストロベリーの育て方

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【アルケミラ(レディスマントル)】

アルケミラ(レディスマントル)

【特徴】
・バラ科の多年草
・シェードガーデンにも良い
・耐寒性も抜群
・暑さには弱い


【アルケミラの性質】
花壇の縁取りやシェードガーデンに人気のハーブ。
日差しを好むが真夏の日差しは苦手なので半日陰や木の下が良い。
中性程度でも十分育つが、やや酸性寄りのほうがよく育つ。
暑さには弱いが寒さには強い。


酸性土壌でなおかつやや湿った土壌を好むという、 アルカリ寄りで乾燥気味を好むハーブが多い中では異色の存在。

※一般的に販売されているのは園芸用のモリスで、ハーブティーなどに利用されるのはヴルガリス。
見た目はほとんど区別がつかないが、ヴルガリスのほうが頑丈で枯死しにくい。

【関連記事】:アルケミラの詳細

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【サラダバーネット】

サラダバーネット

【特徴】
・バラ科の多年草
・とにかく頑丈
・耐寒性も抜群


【サラダバーネットの性質】
美しい葉の形と、キュウリのような変わった香りで人気のハーブ。
酸性土壌を嫌うと書かれることが多いが、実際は逆。
暑さにも強いが寒さにはとことん強い。
意外と大型化するので、地植えの際は肥料は控えめに。


多年草のハーブの中では、特に耐寒性という面においてはワイルドストロベリーと共に最強クラス。
寒冷地でも温度によっては常緑のまま一冬過ごせる場合もある。
こぼれ種でガンガン増えるので花後は早めに剪定してしまおう。

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【番外編:ソレル】

ソレル

【特徴】
・和名はスイバ
・とにかく頑丈
・耐寒性も抜群
・植えるのは自己責任で


【ソレルの性質】
植えたいと思うかどうかは別として、酸性土壌を好むハーブとしてトップに立つのがこれ。
スイバ(酸い葉)というくらい、酸味が強いのが特徴。
日本でも昔からスカンポと呼ばれ、野山の珍味だった植物。
ハーブとしてはスカンポよりもフレンチソレルが好まれる。


ガーデニングではギシギシと共に強敵となることも多いため、あえて植えるなら注意が必要。
多年草でどんどん株が巨大化し、こぼれ種でも大量に増える。
雑草化していることからもわかるように、とにかく強靭。

近年、園芸種として葉に模様がある赤筋ソレルが出てきた。

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以上がどちらかというと酸性寄りの土壌を好むハーブで多年草の種類となります。
この他に、酸性寄りを好むわけではないものの、酸性寄りでも十分に育つハーブもあるので続きで紹介します。
次は酸性寄りの土壌を好むハーブで低木系の種類を紹介します。


【酸性土壌】酸性土壌を好むハーブ(低木系)

【酸性土壌を好む低木系ハーブ】

ハーブというと草のような姿を思い浮かべますが、かなりの種類は実際には低木系となります。
こちらでは低木系ハーブの中から酸性土壌に適したものをピックアップしていきます。
果実がかわいいものが多いのが特徴ですので、収穫も楽しみです。


【おすすめ度TOP3】

1位.ノバラ系(ドッグローズほか/ラズベリーなど)
2位.ベリー類(クランベリーほか/ブルーベリーほか)
3位.スグリ類(レッドカラントほか)


ハーブというよりも果樹や山野草として知られているものが多いですが、これらもれっきとしたハーブです。
どれも寒さや湿気に強いので、寒冷地の地植えの場合はぜひ取り入れたい種類となります。
特にバラ系は花の見ごたえもあり、イングリッシュガーデン風にしたい場合はおすすめです。


【1位.ノバラ系 (ドッグローズ他)】

スイートブライアー

【特徴】
・バラ科の原種
・花が美しい
・寒さに強い
・ローズヒップがとれる
・香りが良い


【ノバラの特徴】
ハーブとしては主にドッグローズ、スイートブライアー、アップルローズ、ハナマスが該当。
いわゆるローズヒップが採れる種類。
昔話で出てくるホーソーン(和名はサンザシ、ノイバラ)もこの仲間。
果樹として人気のラズベリーもバラ科で、葉はハーブティーにされる。
※画像はスイートブライアー
普通の中性の土でも十分育つが、やや湿り気のある酸性寄りの土壌を好む。
原種に相当するためか頑丈で寒さにも相当強い。


ハーブガーデンにバラを合わせるならぜひ欲しいところ。
トゲがあるのが難点だが、花も実も楽しめるので植える価値あり。
スイートブライアーは葉も香り、ガーデニング中にも良い香りが漂う。
ラズベリー系統は小さな花が束になって咲いて美しい。

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【2位.ベリー類(クランベリーほか)】

クランベリー(ツルコケモモ)

【特徴】
・酸性度が強くてもへっちゃら
・湿り気が強い場所も大丈夫
・寒さに極端に強い
・果実が楽しみ
・暑さには弱い


【ベリー類の特徴】
観賞用ハーブとしてクランベリーが人気だが、元々は果樹。
クランベリーやコケモモ、ベアベリーの他、果樹としてはブルーベリーもこの系統。
ほとんどがツツジ科で、ドウダンツツジのような美しい紅葉も魅力。
ブルーベリーは果実をそのまま食べられるが、コケモモ系統はジャムなどが無難。


原種は火山性の湿地周辺に生えているほど、酸性土壌への適応力はトップクラス。
逆にアルカリ性の土壌では育たないので注意。
当然湿気にも寒さにも強く、コケモモ系に至っては−20度くらいは余裕。原種系なら−30度以上も行ける。
ちなみに画像はツララの下で氷漬けになっているクランベリーで、翌春には平然と芽吹いて来る。

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【3位.スグリ類(レッドカラントほか)】

レッドカラント(赤フサスグリ)

【特徴】
・寒さに極端に強い
・果実が楽しみ
・暑さには弱い


【スグリ類の特徴】
観賞用としてはレッドカラント・ホワイトカラント、果樹ではカシス(ブラックカラント)が代表。
フサスグリ、グーズベリーなど、昔話にもよく出てくる。
スグリは酸っぱい実という意味なので、生食では酸味が強いが見た目が美しく飾りやジャムに好まれる。


特に酸性を好むというわけでもないものの、元々北欧や高原地帯の原野に生えているものなので、大抵の環境に適応する。
涼しい場所とやや湿り気のある土を好み、寒さには極端に強い。

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以上、3系統が低木系ハーブで酸性土壌を好むタイプとなります。
庭木としても人気なので、スペースに余裕があるならいくつかそろえても良いでしょう。
クランベリーやコケモモ系統はグラウンドカバーなどにもおすすめです。

さて、ここまでは酸性土壌を好むタイプを見てきました。
これだけでは少ないので、次は酸性土壌を好むわけではないけれども酸性土壌でも大丈夫、というハーブを見ていきたいと思います。


【酸性土壌】酸性土壌でも大丈夫なハーブ

【土を選ばないハーブ】

今までは酸性寄りの土壌を好むハーブを見てきましたが、 ここからは中性やアルカリ気味を好むけれど多少の酸性の土でも育つというハーブを紹介します。
土を選ばないので育てやすいハーブといえますが、その分、繁殖力は旺盛なので管理が必要となります。


【酸性土壌でも大丈夫なハーブ】

アキレア(ヤロウ)  イタリアンパセリ
アルテミシア(サザンウッドほか)
グレコマ  ダンデリオン
チャイブ  マロウ


単独では地味な印象のタイプが多いですが、他のハーブと組み合わせると引き立て役になってくれますので、 他のハーブの間や足元に植えると良いでしょう。


【アキレア(ヤロウ)】

アキレア(ヤロウ)

【特徴】
・キク科の多年草
・雪に埋もれても平気
・ほぼ常緑
・土を選ばない
・頑丈で繁茂する


【アキレア(ヤロウ)の特徴】
花が美しく人気のハーブ。庭花としてもおなじみ。
酸性寄りの土でも大丈夫で、さらに湿気の多い土壌でも大丈夫という、ハーブの中では希少な存在。
耐寒性も高く、−15度程度の場所なら常緑で冬を越せる。
一冬ずっと落雪の下に埋もれていても全く問題なし。


頑丈なため、一度植えるとどんどん繁殖して大きく広がるので適当に間引く必要がある。
原種の白は特にその傾向が大きく、園芸用の赤の原種も頑丈。
ただし、黄色だけは性質が弱いので、酸性の湿った場所に植えるなら原種系で。

【関連記事】:アキレア(ヤロウ)の詳細

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【アルテミシア(サザンウッドほか)】

アルテミシア・サザンウッド

【特徴】
・キク科の多年性低木
・葉の香りが良い
・ヨモギの仲間なので頑丈
・葉の形も良い
・定着すると増殖する


【アルテミシアの特徴】
ヨモギの仲間全般を指し、キク科の独特の香りがする。
酸性の土を好むわけではないのだが、適応力が高く、定着さえすれば後は早い。
頑丈で乾燥にも強いが、ある程度湿った場所でも育つ。


ハーブとしては、ワームウッド、マグワート、サザンウッド、アサギリソウ(観賞用)が人気。
どれも防虫効果が高い。
どれも耐寒性はあるが、アサギリソウのみ耐寒性が低いので注意。


【イタリアンパセリ】

イタリアンパセリ

【特徴】
・セリ科の二年草
・料理用ハーブの代表格
・意外と頑丈
・どこにでも生える
・勝手に増える


【イタリアンパセリの特徴】
一般的にはややアルカリ性で水はけの良い土を好むとされるが、セリ科なので本来は湿った土を好む。
乾き気味に育てつと香りは強くなるが、食用にするなら柔らかく育てたい。
水分が多い場所だと葉が大きく柔らかくなる。


意外と土は選ばず、こぼれ種であちこちから生えてくる。
寒冷地では冬は地上部がなくなって過ごすため、耐寒性もそこそこ高い。
セリ科同士は交雑しやすいので、ディルやフェンネル、スープセロリなどとは離れた場所で栽培する。

【関連記事】:イタリアンパセリの詳細  / イタリアンパセリの育て方

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【グレコマ(グラウンドアイビー)】

グレコマ(カキドオシ)

【特徴】
・シソ科の多年草
・グラウンドカバーになる
・和名はカキドオシ
・すっきり系の香り


【グレコマの特徴】
いわゆるカキドオシ。地面を覆うように広がり、紫がかったピンクの花を咲かせる。
一般的には、観賞用として斑入りの品種がグレコマ、ゴールドリーフのものがグラウンドアイビーとして販売されている。
雑草なので土を選ばずどこでも大繁殖するがやや湿った場所に多い。
耐寒性はあるが冬には葉が紫になり、寒冷地では地上部がなくなる。


原種はミントとも違うがすっきりと通るやや青みのある香りで、ハーブティーに利用される。
グラウンドカバーには良いが、草むしりにとっては強敵となる。

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【ダンデリオン】

ダンデリオン(西洋タンポポ)

【特徴】
・キク科の多年草
・いわゆる西洋タンポポ
・強靭
・食べると意外とおいしい
・チコリで代用可能


【ダンデリオン】
いわゆるタンポポ。ゴボウ根で、根の破片で増え、もちろん綿毛の種でも増える。
一度定着すれば根絶は困難なほど頑丈なので、増えないように管理する。
もちろん酸性寄りの土も大丈夫で、粘土質の場所でも大丈夫。


新芽がベビーリーフとして食べられるが、葉はいつでも食べられる。
キク科特有の苦みがかすかにあるが、後は引かず、さっぱりしている。
花が咲く直前の膨らみ切ったつぼみは天ぷらにするとおいしい。
チコリも同じ環境で育つのでチコリでも良いが、タンポポのほうがおいしい。

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【チャイブ】

チャイブ

【特徴】
・ネギ族の多年草
・料理用や薬味として人気
・和名は西洋アサツキ


【チャイブ】
料理用ハーブの定番で、ネギ特有の香りに少しガーリックを混ぜたようなにおいがする。
よくアルカリ性寄りで乾燥気味の土でと表記されるが実際には真逆。
やや湿り気で中性より少し酸性気味、肥料も多少あったほうがよく育つ。
耐寒性はあるが冬には地上部がなくなる。


種まきの場合、種に土を被ぜると発芽しにくくなるので注意。
同じ料理用ということで、イタリアンパセリと寄せ植えにしておくと何かと便利。

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【マロウ】

コモンマロウ

【特徴】
・アオイ科の多年草
・いろいろな種類がある
・主にハーブティーにする


【マロウの特徴】
花が美しく、ハーブティーにも人気のハーブ。
土は選ばずどこにでも定着するが、どちらかというとやや湿り気の場所を好む。
ゼニアオイやタチアオイが雑草化しているような場所なら問題なく定着する。
耐寒性はあるが冬には地上部がなくなる。
画像はコモンマロウ。


全体的に湿り気のある土を好むが、コモンマロウよりはムスクマロウ、ムスクマロウよりはマーシュマロウのほうが湿り気に強い。
湿った粘土質の場所に植えるならマーシュマロウ。


以上が酸性でも大丈夫なハーブとなります。
繁茂しても大丈夫ならアキレア(ヤロウ)やマロウが見栄えがしておすすめです。
料理用ならイタリアンパセリとチャイブになりますが、寄せ植えの際はバジルなどとは土の好みが違うので分けたほうが良いでしょう。
これらは酸性でも大丈夫なハーブですが、ややアルカリ性寄りでも大丈夫なので、花壇や寄せ植えには重宝します。


【参考】

【植物の『科』に注目】

植物はいろいろな【科】に分けられています。
科によって傾向があり、同じ科であれば似たような性質を持っていると思って良いでしょう。


酸性土壌に適した植物が多い科は以下の通りです。


【酸性土壌に適した植物が多い科】

ツツジ科
バラ科


【ツツジ科】

ハーブでツツジ科というのは少ないですが、一緒に植えられることが多いクランベリー・リンゴンベリー(コケモモ)・ベアベリー・ ヒース(ヘザー、エリカ)、果樹のブルーベリーが該当します。


ハーブではないものの、ともに庭に植えられる庭木としては、ツツジ・サツキ・アザレア・シャクナゲ・カルミア・ドウダンツツジ・アセビ(毒注意) などがあります。


【バラ科】

観賞用に改良が続けられたバラはさほどではありませんが、ハーブとして扱われる原種系のバラは中性よりやや酸性寄りが適します。
ローズヒップ採取用のドッグローズやアップルローズ、スイートブライアーが該当します。
また、昔ながらのオールドローズ(ダマスクローズなど)も大丈夫でしょう。


ハーブに近い果樹ではキイチゴ・イチゴ系統がバラ科になります。
ハーブではワイルドストロベリーが代表的ですが、ラズベリー、イチゴも該当します。
なお、ブラックベリーはごくまれにバラ科以外の果樹(ブラックマルベリーなど)にタグが付いていることがあるので、 購入の際は一応確認してからのほうが良いです。


大木になるのでハーブとはあまり一緒に植えませんが、ウメ・モモ・サクランボなど、果樹の多くはバラ科になります。


【その他】

【スミレ科】【サクラソウ科】【ゴマノハグサ科】
スミレも中性からやや酸性寄りの土壌に生えます。園芸品種のパンジーの他、原種のハーツイーズ、 ハーブではニオイスミレ(スイートバイオレット)が該当します。
ハーブとして扱われるプリムラ・ブルガリス(プリムラ原種)もやや酸性寄りのほうが元気になります。
ゴマノハグサ科はベロニカやペンステモン、マレインの仲間が該当します。


【全体の傾向】

酸性を好むハーブは、湿った土地を好んだり水気を欲するタイプが多いです。
ハーブや園芸植物の中で、どちらかというと原種に近いものは土壌を選ばない傾向があり、 酸性寄りの土壌でも大丈夫なものが多くみられます。
また、酸性土壌のいたるところで見られる雑草の近縁種も耐性があると考えて良いでしょう。


果樹や庭木は酸性度が高めでも適応するものが多いですが、家庭菜園で育てる野菜類は中性を好むものが多く、 ハーブはローズマリーやラベンダーといったヨーロッパ原産の種類を中心に中性からアルカリ性寄りの土地を好むものが多くなっています。
このような種類を植える際は、phの中和が必要になってきますので資材を用意しておきましょう。
【 関連記事 】 土壌資材について


【酸性土壌について】

日本のほとんどの場所は酸性寄りといわれています。
特に山間や湿地の近くは酸性度が高くなります。
日本の山はほとんどが火山で、現在は活動していない近所の山も実は火山ということはよくある話です。
火山は硫酸や塩酸の供給源でもあり、霧や雨、さらにはそれを含んだ河川の水により、どうしても周辺や下流域の酸性度は高くなりがちです。
酸性土壌については別ページで詳しく解説しています。
【 関連記事 】 酸性の場合


酸性度が強くなってくると、土の養分が少ない傾向にあります。
分解された植物の残骸やミズゴケなど意外と繊維質は残っているのですが、肝心の肥料分は水に流されてしまうのか乏しいようです。


湿った土地が多く粘土質の場所が多くみられ、排水性と通気性が問題になることも多いです。
草木灰などでphの調整をすることはもちろんですが、砂を混ぜて排水性と通気性を確保することと、 養分の定着を促す腐葉土などを混ぜることも必要になってきます。


【まとめ】

CHECK! 酸性土壌を好むハーブ

・バラ科やツツジ科が主力
・耐寒性が強く湿った土にも強い
・おすすめはワイルドストロベリー
・最強はコケモモ


 ・ 酸性の場合
 ・ ハーブ図鑑


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