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HOME > ハーブの育て方  > イタリアンパセリの育て方(1)

イタリアンパセリは暑さ寒さに強く、土も選ばない育てやすいハーブです。
乾燥にはかなり強いですが、十分な水気を与えたほうが葉が柔らかく大きくなります。
二年草なので、すぐ収穫したい場合は苗から育てたほうが早いです。種の収穫も容易です。

【イタリアンパセリの育て方】 イタリアンパセリの基本情報

イタリアンパセリとは

イタリアンパセリ Petroselinum. neapolitanum(セリ科)

2年生・草本性
【耐寒性】-8〜-17度(※防寒時)
【サイズ】最大80p
【樹形】草

・暑さ寒さに強い
・乾燥には強いが水を欲しがる
・根が深い

ハーブ図鑑>イタリアンパセリ

イタリアンパセリはこんなハーブ

 ・管理が楽
 ・暑さにも寒さにも強い
 ・種まきがカンタン
 ・花もかわいい

【イタリアンパセリの育て方】 目次

Contents 目次

【イタリアンパセリの育て方 】種や苗からの育て方は?
 ・成長について
 ・種まきで育てる
 ・苗から育てる
 ・2年目の育て方

【イタリアンパセリの選び方】良い苗を選ぶポイントは?
 ・苗の基本の選び方

【日常の管理】日常のお手入れのポイントは?
 ・水やりのポイント
 ・肥料のタイミング
 ・植え替えのタイミング
 ・害虫について
 ・収穫方法について

【育てる前に】育てる前に確認しておこう
 ・水はけ、用土について
 ・耐寒性について
 ・室内での栽培について

【参照】
 ・他のハーブとの組み合わせについて


イタリアンパセリの育て方

【成長について】

イタリアンパセリは手もかからず育てやすい部類なので特別な準備は必要ありません。
市販の苗でも種でも良く育ちますが、二年草なので種まきの場合は本格的な収穫や種の採取は二年目以降になることがほとんどです。
すぐに収穫したい場合は苗を購入したほうが早いです。


CHECK! イタリアンパセリの成長の仕方

・基本的に2年草
・成長は初期は遅いが途中から早くなる
・水分によって大きさがかなり変わる


イタリアンパセリは発芽からある程度の大きさになるまでは少々成長が遅めですが、数カ月たつと一気に茂り始めます。
収穫は大体一年を過ぎたあたりからになることが多いです。
二年目に花芯を立ち上げ、種が実ると枯れますが、花芯をすぐに取り除くとごくまれに多年草化(3〜4年)する場合があります。


イタリアンパセリは乾燥にも湿気にも強いですが、乾燥傾向を強めに育てると小ぶりに育ち、十分な水分を与えると柔らかく大きくなります。
料理用の収穫を考えて育てる場合は柔らかく大きめに育てると良いでしょう。


花芯を立ち上げると葉の増え方が止まりますので、葉の収穫を続けたい場合は花芯を取り除きます。
基本的には花芯が出たらそろそろ寿命です。
翌年以降の種まきをしたい場合は1本くらいは花芯のついた株をそのまま育てても良いでしょう。


花は黄緑色で、レースフラワーのような花が咲き、ドライフラワーにもできます。
刈り取らずに放置しておくとこぼれ種でたくさん生えてきます。


【種まきで育てる】

イタリアンパセリは発芽率が良いので、たくさん収穫したい場合は種から育てると良いでしょう。
発芽までの期間はバラバラですが、最終的にはかなりの率で発芽します。


種は土の上に適当に蒔いておけば発芽します。
土はかぶせてもかぶせなくても大丈夫ですが、肥料分のある土に撒いてしまうと種が腐ってしまいます。
市販の培養土(花やハーブ、野菜の土)単品だと肥料が強すぎるため、小粒の赤玉や川砂など、養分のない土を半分程度混ぜましょう。
水分は発芽まで土が乾かない程度に水を与えますが、常時ビシャビシャにする必要はありません。
湿っていれば十分です。


発芽すると、イネ科のような細長い双葉が出てきます。
知らないでいると雑草と間違えて抜いてしまいがちなので気を付けましょう。
双葉が出てから環境が安定すると、切れ込みの入った三つ葉のような葉が出てきます。
パセリらしくなってくるのは葉が5枚くらいになってからですので、焦らず見守りましょう。


種をばらまきすると大量の芽が出てきますが、イタリアンパセリはゴボウ根のため、引き抜いての植え替えは苦手です。
プランターや植木鉢に間隔を決め定植するのは、三つ葉が5枚くらいの時が良いです。
あまり根が太くなってからでは根付く確率が下がります。


定植したら後の育て方は通常の苗の育て方と一緒で良いでしょう。


一方、成長しきった株から種を採る場合ですが、 種を収穫する場合は花の後に種が膨らみ、茶色くなれば完熟ですので採取しましょう。
こぼれ種を期待する場合は親株の花が咲いた後そのまま放置で良いです。
ただ、地植えの場合は雨などで流れてとんでもない場所から発芽してくることがあります。


【苗から育てる】

苗を購入した場合、まずは一回り大きな植木鉢へ植え替えます。
この時、直径だけでなく深さも十分なものを用意してください。
イタリアンパセリの音はゴボウ根なので、ある程度の深さがあったほうが良いです。


パセリは大きな葉をたくさん収穫するタイプの食用ハーブですので、ローズマリーやラベンダーなどよりも肥料があったほうが良いです。
ある程度の通気性も欲しいため、市販の園芸培養土をベースに通気性資材を少量混ぜる形で土を用意します。
植え付け時は苗ポットの土を崩さず、そのまま埋めます。


イタリアンパセリは乾燥に強く、やや乾き気味に管理とされることが多いですが、実際にはセリ科の植物全体の傾向として、 やや湿り気味の方が適しています。
確かに乾燥には耐えますが、葉が成長しにくくなりますので、水分は十分与えて育てたほうが葉が柔らかく大きくなります。


肥料は欲しがりますが強いものを与えると根が傷みますので、緩効性の有機肥料が適しています。
もしくは、プランターなどの場合、時間経過とともに土が締まって根元が浮き上がってきますので、 周囲に野菜用の培養土を足す形でも良いでしょう。


販売されている苗は大抵の場合、あと少し育てれば収穫できるような大きさになっていると思います。
そのまま育てればよいのですが、まれに花芯が立ち始めていることがあります。
この場合は寿命が近いため、葉の収穫だけに専念する場合は花芯を取り除きます。
下記の2年目以降の育て方を参照ください。


【2年目の育て方】

2年目の中盤を過ぎると株の中心部に花芯が見え始めます。
花芯が育ち始めると葉の生育が止まり、収穫ができなくなってきます。
葉の収穫を優先したい場合は花芯を見つけ次第すぐに取り除きます。
花芯を取り除いているとごくまれに多年草化することがあります。
秋以降、葉が出ず、全体が枯れてきたら終了です。


種を収穫して翌年たくさん栽培したいという場合はそのまま育てて花を咲かせましょう。
花は枝分かれしてたくさん咲きますが、しっかりした種を採りたい場合は中心のメインとなる花以外の脇芽の花は摘み取ってしまいましょう。
花が咲いたらそのまま放置し、種が膨らむのを待ちます。
十分膨らんで種が茶色みを帯びてきたら完熟です。


イタリアンパセリの選び方

イタリアンパセリは種からでも苗からでも育ちますが、すぐに収穫できる状態にしたい場合は苗を購入すると良いでしょう。
育てる過程そのものも楽しみたい場合はやはり種から育てるのがおすすめです。


CHECK! 【苗の基本の選び方】

・葉が大きく本数も多い
・根元がしっかりしていて揺らいでいない
・緑が鮮やかなもの
・葉に黄色い部分や斑点が多いものは避ける


イタリアンパセリは株の外側から収穫することになります。
株の中心部が成長点なので、この部分がしっかりしていることが大前提となります。


イタリアンパセリは根が一本の硬いゴボウ根で、細いひげ根はあまりありません。
このゴボウ根が命綱となるので、根元が軟らかで揺らいでいるような場合は避けましょう。
根元は多少なら地上に出ていても大丈夫です(大根のように)。


ハーブというよりは葉物野菜としてみたほうが良いため、葉が鮮やかで緑色のものを選びます。
黄色い部分が多かったり、色の薄い斑点が多いものは避けます。


イタリアンパセリは収穫できるサイズになるまである程度の時間がかかるのですが、 苗の中心の背が高くなり始めていたら花芯です。 これは二年目に入っている苗ですので、長期間の収穫は望めません。


また、そうそう滅多にないとは思いますが、葉に鳥の糞がついていたら注意してください。
見た目で騙されそうになりますが、鳥の糞ではなくキアゲハの幼虫のことがあります。
キアゲハの幼虫はセリ科の植物を好むのですが、小さいうちは鳥の糞にそっくりの外見をしています。


日常の管理

イタリアンパセリは基本的には頑丈なので、あまり手を掛けなくて大丈夫です。
押さえておくポイントだけ整理しておきましょう。


CHECK! 日常管理のポイント

・乾燥には強いが水を与えたほうがおいしくなる
・肥料はなくとも育つが与えたほうが良い


【水やりのポイント】

根が深くまで伸びるため乾燥にはかなり強く、水切れさせてもすぐに枯れるようなことはありませんが、 乾燥傾向で育てると株がコンパクトになり、葉も固くなってしまいます。
できれば水はたっぷり与えたほうが良いでしょう。
ただし常時湿っているような状況にする必要はありません。
他の花と同じ程度で大丈夫です。


地植えの場合はほぼ放置で良いですが、鉢植えの場合は根の深さまでしっかり水分が浸透するようにじっくりたっぷり水を注ぎます。


【肥料のタイミング】

肥料は少量で良いのですが、完全に切らしてしまうと葉の大きさがコンパクトになってしまいます。
とはいえあまり強い肥料も必要ないので、生育が旺盛になってきたら肥料分を含んでいる市販の培養土を周囲に足すくらいで良いでしょう。
タイミングはいつでも大丈夫なので、気が付いた時に培養土を足せば十分です。


【植え替えのタイミング】

苗を入手した場合はそのまま植木鉢へ植え替えれば十分です。
根が深くなるので深さのある植木鉢を選んでください。
種まきから育てる場合は本葉が3枚ほど出れば植え替えできますが、もう少し大きくなってからのほうが良いでしょう。
本葉の形がパセリらしく割れてくれば大丈夫です。
こぼれ種の場合はかなり密集して発芽しますので、適当に間引くか植え替えてスペースを確保します。


【害虫について】

イタリアンパセリはあまり害虫が付かず、アブラムシも滅多につかない育てやすい植物なのですが、 キアゲハだけは天敵となります。
ただし、キアゲハはあまり高い場所まで飛ばないのか、2階より高いような場所では害を受けにくくなります。


キアゲハは独特の縞模様で有名ですが、小さいうちは鳥の糞のような姿をしていますので見過ごしてしまいがちです。
鳥の糞のようなものが葉についていたら要注意と覚えておきましょう。


この幼虫は触れても害はありませんが、刺激すると鼻先から非常に臭い角を出して威嚇してきます。
かなり強烈なニオイですので驚くかと思います。
嗅ぎたくなければ幼虫に触れないで、葉っぱごと取り除くほうが良いです。


イタリアンパセリの葉に白い斑点が現れた場合はハダニを疑います。
ハダニによる害の斑点は細かい粉のようで、色が抜けたように見えます。
これは乾燥が原因ですので、防ぐには水やり時に葉にも水をかけ、ときどき葉の裏にも水をかけると良いです。


【イタリアンパセリの収穫方法】

イタリアンパセリは2年草で中心部から新しい葉が出てきますので、収穫は外側の葉から摘み取ります。
大きくなった葉は茎が意外と固いので、手でむしるよりはハサミで切ったほうが良いでしょう。
2年目になると花茎を1本立ち上げますが、花茎が育つと葉が固くなるので、花茎を根元から切り取ってしまいましょう。


種を収穫する場合は花茎を残します。
大量の種を付けますので、花茎は1本(1株)だけあれば十分です。
花が終わったのち、しばらく放置しておくと種(正確には果実)を付けます。
最初は緑ですが、熟すと膨らみ、茶色みを帯びてきます。
はっきりとした茶色になれば熟しているので、花茎ごと刈り取り、乾燥させます。
なお、こぼれ種でも増えるので、増殖目的なら放置でも大丈夫です。


育てる前に

【水はけ・用土について】

CHECK! 水はけ・用土のポイント

・乾燥にはかなり強いが水気を好む
・植木鉢はある程度の深さを確保
・土は市販の培養土がお手軽


イタリアンパセリは乾燥にはかなり強いですが、セリ科の植物なので本来はある程度の湿気を好むタイプです。
ただし保水性が強い土にするのではなく、水分が入れ替わるように排水性の良い土に植えて水やりをたっぷりするようにします。
鉢植えであれば市販の培養土で大丈夫です。


乾燥傾向の強い土で育てると株が小ぶりになり、少し葉が固めとなります。
湿気が十分の土で育てると葉が大きくなり、葉が柔らかくなります。
料理にたくさん使う場合は水分を十分に与えて育てたほうが良いでしょう。


土のPHはさほど気にしなくて大丈夫です。
日が当たるならば室内でもある程度育ちますが、花芯が経つと背が高くなるので屋外のほうが良いでしょう。


パセリの根は太い一本のゴボウ根になります。
丈夫な植物なのでどこでも育ちますが、深いところまでよくほぐれた土のほうが根の発育が良くなります。
まっすぐ伸びたがるので、地植えの場合は地中で邪魔になる砕石などは取り除いておきましょう。
植木鉢やプランターの場合はある程度の深さを持つものを選ぶようにしてください。


【耐寒性について】

CHECK! 冬越しのポイント

・冬は地上部が枯れる
・生きてるのでたまには水やりを


イタリアンパセリの耐寒性は強く、北関東の山間では鉢植えで放置していても大体そのまま冬越しできます。
ただし寒い地域では地上部が秋の終わりから枯れ始めます。
冬の間も収穫したい場合は暖かい室内などへ移動しても良いでしょう。
基本的に二年草なので、少なくとも一度は冬越しをすることになるでしょう。


冬越しの準備ですが、秋の終わりころから地上部が徐々に枯れ始めます。
枯れるものなので心配はいりません。
ある程度寒さが厳しくなっても地上部に緑の枝や葉が残っている場合は念のため霜よけを施します。
鉢植えの場合は日の当たる軒下等に移動するだけで十分です。


寒冷地の場合、地上部はほぼ枯れて休眠します。
地上部がなくなっても生きていますので、気温が暖かめの日にはたまには水やりをしておきます。
春になると芽吹いてきます。


なお、イタリアンパセリは耐暑性もかなり強いです。
耐寒性が強い植物は耐暑性が弱い傾向にありますが、イタリアンパセリはどちらにも強く育てやすいです。


【室内での栽培について】

イタリアンパセリは室内での栽培も可能です。
深めの容器に植え、よく日の当たる窓辺に置くようにします。
暑さ寒さに強いので温度変化にも対応できますが、空調の風が直接当たるような場所は避けます。


注意点は2年目以降です。
花芯がかなり高くなるため、室内では折れたり倒れたりアクシデントが起きやすくなります。
花を咲かせて種を採ろうという場合は室内では受粉しにくいため、花が咲いたら窓を開けて風に当てるか、花の季節だけ外に出すようにします。


【参照時効】

【他のハーブとの組み合わせについて】

イタリアンパセリはセリ科の植物のため、他のセリ科のハーブと隣接して育てた場合、交雑した種ができる場合があります。
そのため、セリ科同士での寄せ植えは避け、少し離れた場所に植えたほうが良いでしょう。


十分に場所を離して育てられる場合、イタリアンパセリと同じ環境を好むハーブにはスープセロリがあります。
同じく二年草になり、こちらも香味野菜・風味付けとしてぜひ使いたいハーブで、パセリよりセロリに近い風味です。
野菜のセロリを常備するのは大変なので、1株あると便利です。


交雑等の心配もなく、同じ土や鉢で育てられる手軽なハーブとしてはチャイブがあります。
チャイブは多年草なので植えっぱなしで大丈夫です。
こちらも薬味などに便利なハーブなのでパセリと寄せ植えにしておくと便利です。


バジルも寄せ植えにできますが、バジルは寒さに弱く一年草となります。



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