ハーブ図鑑 パセリ

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イタリアンパセリは、どんな料理でも味わいを濃く深くできる魔法のハーブ。
使うだけで料理のおいしさがぐんとアップすること間違いなし。
フレッシュな生ハーブは格別なので、常時栽培していつでも使えるようにしておくと良いでしょう。

イタリアンパセリの基本情報

イタリアンパセリとは

イタリアンパセリ Petroselinum. neapolitanum(セリ科)

2年生・草本性
【耐寒性】-8〜-17度(※防寒時)
【サイズ】最大80p
【樹形】草

【主な用途】 料理
【花色】 黄色に近い黄緑

イタリアンパセリの詳しい育て方

イタリアンパセリとは?

【イタリアンパセリの特徴】

POINT  イタリアンパセリの特徴

・料理用ハーブの代表的な品種
・縮れない平らな葉
・葉は柔らかい
・香りと風味は強め
・寒さに強い
・育てやすい


イタリアンパセリは料理用ハーブの中でも育てやすく、使い道も多くて人気の種類です。
香りは一般的な縮れたパセリと同じですがやや風味が強く、葉は柔らかく食べやすい品種です。
スパイスや薬味として少量使うのではなく、ふんだんに使うことで料理にコクが出ます。
風味は強いもののクセはなく、他のハーブと組み合わせやすいのもメリットです。

【参考】イタリアンパセリ ハーブ苗 料理用


スープセロリとの違いですが、まず香りは全く違います。
イタリアンパセリはパセリそのもので、深みと青っぽさのある香りです。
スープセロリは明らかにセロリ寄りで、塗料の溶剤のような香りです。
また、スープセロリの葉の方が色が淡く黄緑寄りで、葉の切れ込みも少し丸みを帯びています。


イタリアンパセリについて詳しく!


Contents 目次

【Chapter:1】イタリアンパセリってどんな植物?
 ・イタリアンパセリの特徴
 ・イタリアンパセリの葉
 ・イタリアンパセリの香り
 ・イタリアンパセリの花

【Chapter:2】イタリアンパセリの性質は?
 ・イタリアンパセリの生育環境
 ・イタリアンパセリの耐寒性
 ・イタリアンパセリの育て方

【参照】イタリアンパセリの利用方法とおすすめ
 ・イタリアンパセリの食べ方は?
 ・おすすめのハーブの組み合わせは?
 ・イタリアンパセリの見分け方は? 入手方法は?


【Chapter:1】イタリアンパセリってどんな植物?

【イタリアンパセリの特徴】

イタリアンパセリはセリ科の植物で、フレンチパセリとも呼ばれます。
葉の縮れていないパセリになります。
寿命は約2年で、2年目に花茎をのばし、花と種を付けた後に徐々に枯れていきます。


【イタリアンパセリの葉の形は?】

イタリアンパセリの葉はセリ科特有の切れ込みの入った美しい形です。
日本では縮れた葉のパセリが昔から一般的ですが、イタリアンパセリの葉は縮れていません。
そのためプレーンリーフパセリとも呼ばれます。


イタリアンパセリの葉 セリ科特有の切れ込みの入った葉 平らで、カールした葉よりも柔らかく、瑞々しさを感じる。


形としてはセルフィーユの葉を大きく、少し厚くしたような感じです。
ディルやフェンネルのような細かな形とは異なります。


【イタリアンパセリの香りは?】

香りは一般的なパセリと同じですが、風味は強めです。
香りは全体からするため、葉茎や根も使うことができます。


【イタリアンパセリの花の形は?】

イタリアンパセリの花は2年目の春以降に花茎をのばし、その枝分かれした先端につきます。
咲いた後に放置しておくとかなりの量の種を付けます。

イタリアンパセリのつぼみ イタリアンパセリのつぼみ 花は黄色みの強い黄緑で、他のセリ科のハーブの花と同じ形で、レースフラワーのような印象。


花茎の背丈はかなり高くなり、60センチを越してきます。
茎が太くしっかりしていれば大丈夫ですが細い場合は倒れることがあります。
強い植物ですので倒れても折れてもそのまま種が実るところまで行きます。


【Chapter:2】イタリアンパセリの性質は?


POINT  イタリアンパセリの性質

・日あたりを好む
・土は選ばない
・暑さにも寒さにも強い


【イタリアンパセリの生育環境は?】

イタリアンパセリは特に土壌を選ばないため、大抵の場所で問題なく育てることができます。
かなり強い乾燥にも耐えますが、元々セリ科なので本来は湿気を好みます。
ある程度湿り気があったほうが大きく柔らかく育ちます。
ただしゴボウ根なので過湿状態では根腐れしやすくなります。


【イタリアンパセリの耐寒性】

イタリアンパセリは暑さにも寒さにも強い植物です。
耐寒性は高いですが、寒冷地の厳冬期では地上部が枯れますので、冬場も収穫したい場合は暖かい室内へ移動したほうが良いでしょう。
冬に収穫の予定がなければ屋外に放置しても生き延びます。
枯れているわけではないので時折水やりをしてください。


イタリアンパセリの冬場の葉 冬場の葉は少し小さく丸みを帯びる 寒冷地でなければ冬場も葉があるものの、葉は小さく密集し、形も少し丸みを帯びる。
色は少し黄緑寄りになる。


耐寒性はかなり強めなので、防寒もせず鉢植えのまま雪に埋もれても生き延びられます。
葉は春になると再び芽吹いてきて、色も徐々に濃い緑に戻ります。


【イタリアンパセリの育て方】

種からでも良く発芽しますが、最初の数カ月は生育が遅いため、すぐに収穫したい場合は苗を入手する方が良いでしょう。
断続的に収穫したい場合は種と苗と両方を育てると収穫時期がずれるのでお勧めです。
土は選ばないので、どこで育てても大丈夫です。
ただしゴボウ根なので過湿状態にすると根腐れしやすくなりますので、排水性の良い土にしておくと無難です。
乾燥には強いのでうっかり水切れさせてもすぐ枯れることは稀ですが、水分が多めのほうが柔らかく育つので、 水は根腐れしない程度に十分与えるようにします。
《 関連記事 》 水やりについて > 正しい水やり


肥料があったほうが茂りますがあまり強いと肥料焼けをするので、時々市販の培養土を足すくらいで良いでしょう。
根は一本のゴボウ根なので、移植・植え替えは苗が幼いうちに行います。
根が深くなるので植木鉢の場合はある程度の深さのある容器を使いましょう。

《 関連記事 》 イタリアンパセリの育て方(詳細)


【参照】イタリアンパセリの利用方法とおすすめ

【イタリアンパセリの食べ方・使い方】

POINT  イタリアンパセリを使うと……

・料理の味わいが濃くなり、コクとうまみが出る
・どんな料理にも合うので隠し味に
・野菜としても栄養価がトップクラス
・薬味よりは具材として多めに入れるのがコツ


パセリというと添え物だったり、みじん切りにして浮き身にする程度のイメージですが、 イタリアンパセリは葉物野菜の一種と思ってふんだんに使うのが料理の味の決め手です。
スパイスというよりは具材の一種のような扱いで良いでしょう。
栄養価も高いのでできれば少量の薬味にするよりも、ある程度の量を食べたいところです。


イタリアンパセリは風味が強いもののクセはないため、料理を煮込む際にたくさん入れておくと料理全体にコクが出てきます。
煮込み料理やスープのコクを増すためには、みじん切りにし、他の野菜を入れるタイミングで一緒に入れます。
葉だけを入れたくなりますが茎も風味が強いため、細かく切って入れると良いです。
根も食べられ、食べなくても出汁に使えるので捨てないようにしましょう。


POINT  イタリアンパセリが合う料理・食材

・肉料理(特に鶏肉はおすすめ)
・スープ
・煮込み料理
・フライ(粉にして下味や衣に混ぜるなど)
・トマト、パプリカ、ブラウンマッシュルーム


イタリアンパセリは他の食材の味や香りを阻害することはなく、どんな料理にも合います。
特に肉料理と相性が良いです。
お勧めは鶏肉で、トスカーナ料理のチキンカチャトラには欠かせません。
肉料理には細かく切って他のスパイスと共にまぶしても良いですし、ソースを煮込むときに使っても良いです。
カチャトラの場合は肉を煮込む際に粗みじん切りにしたパセリをふんだんに入れます。


チキン・カチャトラ パセリをたくさん入れるのが味の決め手 チキンカチャトラの場合、鶏肉にまず焼き色を付け、香味野菜を炒め、トマトとワインで煮込む。
煮込むときにパセリをたくさん入れる。
最後に彩り用に生のパセリも載せると見た目もきれい。


ブラウンマッシュルームやパプリカとも相性が良いです。
ブラウンマッシュルームはイタリアンパセリと共に濃い出汁が出ますし、トマトやパプリカはうまみとコク、甘みが出ます。
特にトマトやパプリカと一緒に煮込むと絶品です。


【参考:イタリアンパセリの保存方法】

POINT  イタリアンパセリの保存方法

・すぐ使う場合は冷蔵
・後で使う場合は冷凍
・ハーブバターにする
・ハーブソルトにする(ドライの場合)
・粉末にする場合は凍らせてから


イタリアンパセリの保存方法は、すぐ使う場合は冷蔵庫で良いですが、後で使うという場合は冷凍がおすすめです。
ドライにすると風味と色が落ちるので、やはり冷凍のほうが良いです。
粉末にしたい場合はビニール袋に入れて冷凍し、凍ったら手でもむと粉々になります。


少し手間をかけても良いならハーブバターにして保存するのもおすすめです。
イタリアンパセリを細かく切り、粗挽きのガーリック、粗挽きの黒コショウと共に有塩バターに練りこみます。
完成したら小分けにして冷蔵もしくは冷凍しておきます。
料理で良く使うスパイスの組み合わせなので、調理の際はそのまま使えて便利です。


もし上手にドライにできた場合は、ハーブソルトにするのも良いでしょう。
おすすめの組み合わせは、イタリアンパセリ・タイム・粗挽きのガーリック・粗挽き黒コショウです。
粉末状にできるならセージやローズマリーを加えるのもおすすめです。
フライやグリルなどの下味をつける際にそのまま使えるので便利です。


イタリアンパセリの根元 イタリアンパセリの根元 イタリアンパセリの根は太くゴボウ根。
ブーケガルニのように出汁に使われるほか、ピューレやペーストにしたりスライスして煮込んで食べられることもある。
ピューレやペーストなら冷凍保存もできる。



【イタリアンパセリとおすすめのハーブの組み合わせは? 】

やはりイタリア料理に使うようなスパイスやハーブとは相性が良いです。
料理の際は、バジルやオレガノ、セージ、タイムなどがよく合います。
トマト料理と合うので、やはりバジルはおすすめとなります。
パセリ自体の風味は強いのですが、他のハーブの風味を損なうことはなく、むしろ引き立ててくれます。



栽培の際はやはり料理用ハーブと一緒にするのが良いでしょう。
セージやタイム、ローズマリーは低木性のため、寄せ植えの際は根元に植える形になります。
寄せ植えにする場合は、どちらかというとチャイブやバジル、ルッコラ、マジョラムやオレガノのほうがまとめやすいと思われます。


POINT  イタリアンパセリと合うハーブ

スイートバジル
オレガノ
チャイブ
ルッコラ


植え替えを嫌うので、寄せ植えにする際はイタリアンパセリだけ苗ポットのまま埋めても良いでしょう。
根を動かさなければ他のハーブと同じ土や容器で育てても大丈夫です。
パセリはキアゲハ以外の害虫は付きにくいため、小さい青虫やアブラムシのつきやすいルッコラなどと混植してもあまり被害は受けません。
チャイブのアブラムシも他の植物には移動しにくいので混植しやすいです。


葉が茂っているだけの時は背が低いのですが、花芯を立ち上げるとかなりの高さになります。
花を放置すると周囲に種をばらまくため、他の植物の植木鉢とは少し離しておいた方が良いです。


注意点として、セリ科の植物同士は交雑しやすいため、ディルやフェンネル、セルフィーユ、ワイルドセロリなどとは距離を離しておいた方が無難です。
イタリアンパセリはその中では交雑しにくいほうですが、他のハーブの風味が落ちる可能性がないわけではないので一応注意しましょう。
また、かなりの種を落とすため、地植えですと雨などに流されて翌年にあらぬところから生えてくることがあります。


【イタリアンパセリの見分け方】

イタリアンパセリは2年目に花茎を立ち上げ、花が咲いた後に種を付けるとそのあとは徐々に枯れていきます。
花茎が出ると葉の増え方が落ちるため、苗の購入時にはまず花芯の気配がないものを選ぶようにします。


イタリアンパセリは種をまいてから数カ月は生育が遅めで、収穫できるようになるのはそのあとです。
そのため、園芸コーナーに並んでいる苗は発芽からある程度時間が経ったものになるわけですが、 2年という微妙な寿命から、並んだ時には寿命の半分を過ぎていることも多々あります。


外見が今まさに食べごろという場合は、収穫には都合が良いですが、収穫できる残りの時間は短めとなります。
食べられそうだけどまだ少し早いかな、少し小さいかな、というくらいで購入するのがおすすめです。
あまりにも大きく茂っている場合はその点を考えて購入してください。


種の場合ですが、茶色くてよく膨らんだものが完熟した種となります。
ただイタリアンパセリは発芽率が良く、若干未熟なものでも十分発芽します。
あまりにも年数がたった種は発芽率が落ちるものの、2年くらいたっても十分な発芽率があるので心配はいりません。
セリ科のハーブの中でも発芽率は高いほうです。

【参考】イタリアンパセリ(料理用ハーブ)種

イタリアンパセリの種 イタリアンパセリの種 厳密には果実だが、一般的には種と呼ばれる。
収穫は容易。
発芽率が高いのでこぼれ種でも増えるが、数が多すぎたりあらぬところから生えてきたりするので増やしたくない場合は種が実る前に花茎を刈り取る。



【イタリアンパセリの入手方法】

イタリアンパセリは最近は一般的になってきたため、種も苗も容易に入手できます。
イタリアンパセリの名称のほか、フレンチパセリやプレーンリーフパセリの名称で販売されていることもあります。
ハーブコーナーのほか、野菜の苗売り場に置かれていることもあります。


ホームセンターの園芸コーナーなどにも置いてありますが、 長く収穫したい場合は適切に管理されている専門店で販売されている苗を購入したほうが良いでしょう。

【参考】イタリアンパセリ ハーブ苗 料理用


イタリアンパセリ(料理用ハーブ)苗
イタリアンパセリ(料理用ハーブ)種




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