一般的なイチゴよりも実は小さいですが、味が濃いのが特徴です。
ここではワイルドストロベリーの基本的な特徴と、おすすめのハーブとの組み合わせをご紹介します。
ワイルドストロベリーの基本情報

ワイルドストロベリー Fragaria vesca(バラ科)
多年草・草本性
【耐寒性】-20度以上(※防寒なし)
【サイズ】最大30p
【樹形】草
【主な用途】
生食・ジャム
【花色】
白
ワイルドストロベリーとは?
【ワイルドストロベリーの特徴】
・果実系ハーブの代表的な品種
・イチゴの原種
・食べられる
・果実は小さいが味は濃い
・寒さにとても強い
・育てやすい
ワイルドストロベリーはハーブの中でも育てやすく、かわいい果実が人気の種類です。
イチゴの原種にあたり、小さくも味の濃い実をならせます。
原種だけあって性質は強く、過酷な環境でも平気で育ちます。
意外と品種は多く、うまくいけば四季なりになることもあります。
ワイルドストロベリーはいくつか品種があり、ランナーが出るタイプと出ないタイプがあります。
原種の一般的なワイルドストロベリーはランナーありで、市場に頻繁に出回っているアレキサンドリアはランナーが出ないタイプとなります。
ランナーの有無に関わらず、どちらも株分けと実生で増やせます。
ワイルドストロベリーについて詳しく!
【Chapter:1】ワイルドストロベリーってどんな植物?
・ワイルドストロベリーの特徴
・ワイルドストロベリーの葉
・ワイルドストロベリーの花
・ワイルドストロベリーの実
【Chapter:2】ワイルドストロベリーの性質は?
・ワイルドストロベリーの生育環境
・ワイルドストロベリーの耐寒性
・ワイルドストロベリーの育て方
【参照】ワイルドストロベリーの利用方法とおすすめ
・ワイルドストロベリーの収穫時期は?
・おすすめのハーブの組み合わせは?
・ワイルドストロベリーの見分け方は? 入手方法は?
【関連記事】
・ワイルドストロベリーの育て方
【Chapter:1】ワイルドストロベリーってどんな植物?
【ワイルドストロベリーの特徴】
ワイルドストロベリーはバラ科の植物で、いわゆる野イチゴです。
フルーツのイチゴの原種にあたる植物で、もちろん食べられます。
多年草で、花は2年目以降に咲き始め、実を収穫できるようになります。
【ワイルドストロベリーの葉】
ワイルドストロベリーの葉は切れ込みが入って三つ葉のような形になります。
若いうちは葉が畳まれており、フチはギザギザしています。
秋以降、寒くなると赤くなります。
三つ葉のように切れ込みの入った葉
フチはギザギザで、葉の表面にも直線的な凹凸が入る。
意外と厚手でしっかりした葉です。
水分や肥料が多いとかなり大きな葉になって茂ります。
【ワイルドストロベリーの花】
花茎を立ち上げ、シンプルな五弁の花を咲かせます。
一本の花茎に複数の花が咲きます。
花の色は基本的に白ですが、稀にピンク花も存在します。
ワイルドストロベリーの花
花びらが落ちやすい。中心部がやがて果実となる。暑すぎると開花が止まる。
花茎は最初のうちは葉の下に隠れるように株元で咲いていますが、勢いがついて来ると茎をのばして咲くようになります。
花の時期に水切れさせてしまうと果実が熟さないので注意。
四季なりになると春から初冬まで花を咲かせるようになります。
【ワイルドストロベリーの実】
ワイルドストロベリーの花は種まき後2〜3年目以降に咲くようになるので、収穫もそれからになります。
早く収穫したい場合は苗を購入して育てます。
よく熟すには水分が必要なので、乾燥させないように注意します。
小さなイチゴの果実
小さいものの味は濃い。
いわゆるイチゴの果実で、粒粒は種。
生食でもおいしいし、飾りつけにも良い。
白い実の品種もある。
果実のおいしさは株による個体差がありますので、おいしい果実をならせる株を手に入れたら株分けで増やすと良いです。
実生や種から育てる場合は親株の味を引き継ぐとは限りません。
ただし、種から育てた場合でも味が安定するのは実がなり始めてから二週間以上たってからなので、
初めての実がおいしくなかったからといって落胆するには早いです。
たまに親株以上においしい実をならせる株が発生することもありますので、初期の味が今一つでもしばらくは様子を見たほうが良いです。
【Chapter:2】ワイルドストロベリーの性質は?
・日あたり〜半日陰を好む
・やや湿り気を好む
・寒さにはとにかく強い
【ワイルドストロベリーの生育環境は?】
ワイルドストロベリーは特に土壌を選ばないため、大抵の場所で問題なく育てることができます。
ただし、どちらかというとやや酸性で湿り気がある土を好みますので、そのような環境のほうが収穫量は増えます。
日あたりを好み、ある程度の暑さにも耐えますが極端な暑さと日差しは苦手で葉が焼けます。
そのかわり寒さにはとことん強く、厳冬期でも屋外に放置で大丈夫です。
【ワイルドストロベリーの耐寒性】
ワイルドストロベリーはとにかく寒さに強い植物です。
気温が下がると葉が赤くなり、寒冷地の厳冬期では地上部を枯らして休眠しますが、暖地では葉をつけたまま過ごすこともあります。
根も寒さに強く、土ごと凍っても春になると何事もなかったかのように芽を出してきます。
そのため、寒冷地の屋外に放置しても生き延びます。
枯れているわけではないので、鉢植えの場合は時折水やりをしてください。
冬場の葉は少し赤みを帯びる
寒くなると葉が赤みを帯びたり赤い斑点が出たりする。
外側の大きい葉から枯れ始め、冬季は中心部の芽だけで越冬する。
寒冷地の場合は地上部がなくなることもある。
耐寒性はかなり強めなので、防寒もせず鉢植えのまま雪に埋もれても生き延びられます。
葉は春になると再び芽吹いてきます。
【ワイルドストロベリーの育て方】
種からでも良く発芽しますが花をつけるのは2年目以降なので、すぐに収穫したい場合は苗を入手する方が良いでしょう。
断続的に収穫したい場合は種と苗と両方を育てると収穫時期がずれるのでお勧めです。
《 関連記事 》 ワイルドストロベリーの育て方
土は選ばないのでどこで育てても大丈夫ですが、やや湿り気があって酸性寄りの土壌を好みます。
大抵の庭土は酸性寄りなのでそのままで良いでしょう。
うっかり水切れさせてもすぐ枯れることは稀ですが、水分が多めのほうが果実が大きくなることと、
アブラムシやカイガラムシの発生が抑えられるため、水は十分与えるようにします。
《 関連記事 》 水やりについて > 正しい水やり
本葉が出たばかりの小さな若芽
小さな双葉の後にカエデ型の葉が出て、そのあと三つ葉になる。
三つ葉が出たら移植しても大丈夫。
肥料があったほうが茂りますがあまり強いと肥料焼けをするので、時々市販の培養土を足すくらいで良いでしょう。
やや湿り気を好みますが、特に花の後は水を切らすと果実の成長が悪くなるので乾燥に注意します。
ワイルドストロベリーにはランナーが出る種類と出ない種類があります。
実がなるくらいまで成長するとランナーが出てくるので、いつまでたってもランナーが出てこない場合はランナーなしの品種と思ってよいでしょう。
ランナーが出る場合はランナーの子株で挿し芽ができます。
ランナーが出ない品種の場合は親株を株分けして増やします。株分けは親株の味を引き継げることが多いのでお勧めです。
寄せ植えの場合、意外と植え替えにも耐性があるので、あまり神経質になる必要はないでしょう。
マロウなどの地植えの大型のハーブの株元隠しにも良いです。
ランナーが出る種類を地植えにするとグラウンドカバーになりますが、繁殖しすぎることもありますので適当に間引きます。
ランナーが出ない品種も果実を土に落としてそのままにしておくと、発芽率が良すぎて固まって生えてきます。
注意点として、アブラムシとカイガラムシの繁殖があります。
若い葉の折りたたまれた内側や、葉の裏側、株元の根の付け根周辺につくので気づきにくくなります。
高温乾燥期に大繁殖しますので夏場は注意が必要です。葉水をかけ、時折は葉の裏にもスプレーするなどして予防します。
【参照】ワイルドストロベリーの利用方法とおすすめ
【ワイルドストロベリーの食べ方・使い方】
・味が濃いので生食で
・実がかわいいので飾りつけに
・ジャムや果実酒もおすすめ
・葉は良く乾かしてから
ワイルドストロベリーの果実はおいしいのですが、とにかく小さいのでたくさん収穫したいところ。
果物のイチゴより味が濃く、とろみがあるので一度味わうとやみつきに。
株分けで増やしたり、四季なりの品種を育てたりしてたくさん収穫できた場合はジャムや果実酒にすると良いでしょう。
葉はハーブティーに利用されますが、しおれる過程で害になる物質が発生するとされますので、完全に乾燥させてから使うようにしましょう。
また、バラ科の植物ですので、リンゴやイチゴ、モモやサクランボ系統のアレルギーがある場合は念のため注意してください。
・デザート系(特に乳製品)
・デザートのソースやジャムに
・紅茶に果実を入れてもおいしい
・冷たい飲み物にも
・シリアルに入れてもGood
ワイルドストロベリーはいわゆるイチゴの原種ですが、イチゴらしい味を持ちながらやや風味が異なります。
イチゴよりも青臭さはなく、強い甘みとねっとり感が特徴で酸味はあまりありません。
口に入れたときに香りも強く感じます。
そのため、イチゴの代用と思うと少し異なる味わいを感じると思われます。
収穫には水分が不可欠
乾燥に強いので油断しがちだが、果実を大きくするには多めの水分が必要。
花が咲いた後は水切れに注意して管理する。
うまく管理すると次々と実をならせてくれる。
おいしいのでたくさん食べたいところですが、実が小さいので数を増やして収穫することになります。
花が咲いたら乾燥させないように管理することで果実部分を大きくすることができます。
乾燥すると味は濃くなりますが実が小さくなり、乾燥しすぎると熟さないまま干からびます。
・後で使う場合は冷凍
・ジャムにする
・葉をハーブティーにする場合は完全に乾燥させる
ワイルドストロベリーはすぐに生食する場合が多いためあまり保存することはないと思いますが、後で使うという場合は冷凍がおすすめです。
たくさん収穫できた場合はジャムにしても良いでしょう。
葉はハーブティーに使われますが、生乾きでは害になる物質を含みますので、完全に乾かすように注意してください。
完全乾燥させて保存すると良いでしょう。
【おすすめのハーブの組み合わせは? 】
【料理の組み合わせ】
料理として他のハーブと組み合わせることはほとんどありませんが、
デザートやスイーツとしては、他のベリー類と相性が良いです。
基本的にベリー類は小さいので、普通のイチゴを使うとサイズがそろいませんが、
ワイルドストロベリーならサイズ差がないので見た目も合います。
【寄せ植えの組み合わせ】
育てるときには寄せ植えや株元を隠すためにいろいろなハーブと組み合わせて育てられることが多いです。
やや酸性で湿り気を好む性質のため、ラベンダーやローズマリー、タイムなどとはあまり相性が良くありません。
酸性寄りで湿り気を好み、更にややコンパクトなハーブとしてはチャイブが挙げられます。
アルケミラでも良いでしょう。
また、やや涼しめで半日陰でも大丈夫なハーブとしてはミントやレモンバームが挙げられます。
基本的にベリー類は酸性寄りで湿った土壌を好むので、レッドカラントやブルーベリーなどの果樹の足元に植えても良いでしょう。
背の低いものではクランベリーも良いですが、ランナー同士でせめぎあう場合があります。
【ワイルドストロベリーの見分け方】
ワイルドストロベリーは2年目以降にならないと花が付きにくいため、すぐに収穫したい場合はある程度大きくなった苗を購入するようにします。
ある程度育つと株の中心部が分けつしてくるため、株分けできそうな苗を選ぶと開花までの時間が短いでしょう。
ワイルドストロベリーはランナーが出るタイプと出ないタイプがあり、品種によって異なります。
一般的に出回っているのはランナーが出るタイプのワイルドストロベリー(品種名なし)と、
ランナーの出ないアレキサンドリアです。
育てやすいランナーなしの品種が良ければアレキサンドリアやミグノネッテ(ミニョネット)を選ぶと良いでしょう。
ストロベリーポットで育てる場合は逆にランナーの出る品種を選ぶと良いです。
【購入】ワイルドストロベリー(原種/ランナーあり)
【購入】ワイルドストロベリー (ランナーなし)
【購入】ワイルドストロベリー(ミグノネッテ/ランナーなし)
また、ワイルドストロベリーには通常の赤い果実のほか、白い果実がなるタイプもあります。
結実するまでわからないため、白い果実の品種が欲しい場合は園芸店で確認しましょう。
【購入】 ワイルドストロベリー(白実)
種から育てる場合ですが、親株の味を引き継ぐとは限らないため、実がなったら当面の間は味見を続けます。
初めての果実は味が良くありませんが、2週間くらい経つと味が良い株では果実の味が向上してきます。
その点、株分けの場合は親株の味をそのまま引き継げるのが利点です。
ただ、種まきの発芽率は非常によく、時に親株より味の良い株が発生することもあるため、
種まきから育ててみるのも楽しみがあります。
ワイルドストロベリーの株元
ある程度成長すると株分けできるようになる。
それぞれの株に芽と根が付くように分けるが、もし根が取れてしまった場合は株を水に浸けておくと水挿しの要領で発根できる。
【入手方法】
ワイルドストロベリーは最近は一般的になってきたため、品種にこだわらないならば種も苗も容易に入手できます。
ただ、ランナーの有無は育てやすさや育てる環境に大きく影響しますので、
ランナーの有無で選ぶ場合はハーブショップ等で品種名を確認して購入したほうが良いです。
ホームセンターの園芸コーナーなどにも置いてありますが、何の品種名も書いていない場合が多いです。
大抵の場合は原種かアレキサンドリアなのですが、原種はランナータイプ、アレキサンドリアはランナーなしなので、
確実性を求めるなら園芸店やハーブショップで購入しましょう。
【参考】ランナーあり
・ワイルドストロベリー(原種系)
・能郷(ノウゴウ)イチゴ
・オランダイチゴ(※いわゆる普通のイチゴ)
【参考】ランナーなし(もしくはランナーが出にくい)
・アレキサンドリア
・ゴールデン(ゴールドリーフ)※アレキサンドリアの変種
・アルパイン
・ワンダー
・ルーゲン
・ミニョネット(ミグノエッテ)
なお、参考までにヘビイチゴはほぼ雑草扱いです。
芽が小さいうちはワイルドストロベリーと区別がつきません。
ヘビイチゴは黄色い花が特徴でランナーで大繁殖します。
実は赤くかわいいため、観賞用としてはとても美しいと思いますが、食べても味がありません。
毒ではないので食べても大丈夫なのですが、生食よりは果実酒などに使われます。