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クリーピングタイム・ロンギカウリスは、グランドカバーとしてとても人気の種類です。
ほふく性で地面を覆うように広がり、花期になると一面にピンクの花が満開になります。
寒さにも暑さにも強く、強いレモンの香りがする育てやすいタイムです。

クリーピングタイム・ロンギカウリスの基本情報

クリーピングタイム・ロンギカウリスとは

ロンギカウリス Thymes longicaulis (シソ科)

多年生・小低木(常緑樹)
【耐寒性】-8〜-18度(※無対策)
【サイズ】高さ8p
※横面積は度外視
【系統】匍匐性

【主な用途】 観賞・グランドカバー
【花色】 ピンク


ロンギカウリスとは?

【ロンギカウリスとは?】

POINT  ロンギカウリスの特徴

・匍匐性(クリーピングタイム)
・一面のピンクの花
・強いレモン系の香り
・寒さに強い
・どこまでも広がる


ロンギカウリスは成長の早い匍匐性のタイムで、暑さ寒さにも強く、グランドカバーに使われる代表的な品種になります。
踏むと柑橘系の香りが漂います。


花つきが非常によく、花期にはピンクの花が地面を覆いカーペットのようになります。
とてもよく伸びて広がりますが、デメリットとして想像以上に広がります。
根止めなどをうまく使うとある程度コントロール可能になります。


ロンギカウリスについて詳しく!



【Chapter:1】ロンギカウリスってどんな植物?

【ロンギカウリスの特徴】

ロンギカウリスは匍匐性タイム(クリーピングタイム)の中で人気の種類です。
グランドカバーとして普及しており、地面を覆うように広がって満開の花を咲かせます。
踏むと爽やかなレモン系の香りが漂います。
成長は早く、暑さ寒さにも強く頑丈で育てやすいのも魅力です。

【参考】ハーブの苗/ロンギカウリスタイム(匍匐性)


クリーピングタイムの名で販売されていることが多いですが、クリーピングタイムとは匍匐性のタイムという意味で、 ロンギカウリスの別名がクリーピングタイムであるとは言えません。
ロンギカウリス以外でクリーピングタイムとして販売されていることがあるのは、セルピルム各種、コッキネウス系、マジックカーペット、 イングリッシュワイルドタイムなどが挙げられます。


【ロンギカウリスの花】

ロンギカウリスはピンクの小花が密集し、花の房が地面を覆いつくすように咲きます。
花の房は他の匍匐性タイムよりも丸みを帯びた形になり、花の数も圧倒的に多くなります。


【ロンギカウリスの樹形】

ロンギカウリスは匍匐性タイムで、立ち上がりはあまりありません。
地面を這うように枝を伸ばします。
吊り下げ鉢に植えると下垂する形になります。


【ロンギカウリスの香り】

そのままでは香りがしませんが、もんだり踏んだりすると強いレモン系の香りを発します。


【ロンギカウリスの葉】

全体的に沿った長円形の葉で、立性タイムと比べると大きな葉になります。
グラウンドカバー目的にされることが多いですが、葉の香りは強く、ハーブティーにできます。

【Chapter:2】ロンギカウリスの性質は?


POINT  ロンギカウリスの性質

・日あたりを好む
・どこにでも適応する
・暑さ寒さに強い
・地面を覆いつくして広がる


【ロンギカウリスの生育環境は?】

ロンギカウリスは頑丈な種類のため、環境にはよく適応します。
温度への適応力も高いですが、土壌への適応力も高く、多少湿り気がある土でも大丈夫です。

ロンギカウリスは他のタイムと同じく日あたりを好み、日当たりさえ確保すれば放置でも育ちます。
地面を這って広がっていくため、放置しすぎると想定した範囲より広がることもあります。
意外ですが鉢植えにも適しており、吊り下げ鉢に植えると下垂して美しいです。


【ロンギカウリスの耐寒性】

ロンギカウリスの耐寒性はかなり高いほうとなります。
入手して最初の年はあまり無理しないほうが良いですが、寒さに慣れれば放置していても−15度以上の寒さに耐えられます。
寒気に当たると葉が赤みを帯びた色に変わり、強い霜に当たると茶色っぽく霜焼けすることがありますが春には緑に戻ります。

寒さには強いため、冬越しに関してはまず問題ありません。
根が浅いと霜柱で持ち上がることがありますが、踏みつけておけば大丈夫です。


【ロンギカウリスの育て方】

ロンギカウリスは苗を入手したらすぐに植え付けて大丈夫です。
さし穂・枝を入手した場合は、節という節から発根してくるため、数か所の節を土に埋めてしっかり押さえ、 たっぷりと水を与えておけばすぐに根付きます。


グランドカバーに使う場合、一年でかなりの範囲まで枝を伸ばすため、1株で30センチ以上開けます。
スカスカなくらいでちょうど良いです。
大量に花を咲かせるため、花が終わったら剪定すると良いですが、剪定した枝を放置していると勝手に根付きますので、 あらぬところから生えてくるようなことを避けるためにもしっかり回収しておきます。


手入れせずに放置した場合、植え付けて3年目くらいで最初に植えた部分の枝が古くなり、葉が少なくなってきます。
この場合は地上2センチくらいの高さで剪定すると、翌春に新しい枝を伸ばしてきます。
この時、古い根や株元は間引いてスペースを開けると新しい枝が根を張りやすくなります。
逆に周辺部には新しい枝が伸び、想定外のエリアまで伸びていくことがありますので、余分な枝は抜き取ります。


枝先が想定範囲外まで伸びていくことがあるため、根止めをしておくと良いですが、多少の高さがないと枝が乗り越えてしまいますので、 根止め資材は地面に埋め過ぎないようにします。
根自体はあまり深く潜り込みません。

【購入】:【園芸資材】根止め・土止め
【購入】:【園芸資材】防草シート


【参照】ロンギカウリスが欲しいときは? 見分け方は?

【入手方法】

タイムはたくさんの品種が存在しますが意外とタネの種類は多くありません。
そのため、ロンギカウリスが欲しい場合は苗を購入することで確実に入手できます。

【参考】ハーブの苗/ロンギカウリスタイム(匍匐性)


【ハーブの専門店で購入する】
グラウンドカバー向けのタイムは種類がいくつかあるため、 ロンギカウリスを買いたい場合は品種の特定ができる専門店で購入したほうが確実です。

ロンギカウリスタイム(一覧)
クリーピングタイム(一覧)


【園芸店やホームセンターの園芸コーナーで購入する】
ロンギカウリスは園芸店などではクリーピングタイムの名で販売されていることが多いです。
ただ、クリーピングタイムと呼ばれるタイムはいくつもあるため、選ぶ際は注意が必要です。


【ロンギカウリスの見分け方】

ハーブの専門店ではない園芸店や種苗店、あるいはホームセンターの園芸コーナーでロンギカウリスを探す場合、 その特徴で探し当ててみましょう。
ひとまずは匍匐性であることを確かめるのが第一歩です。

他に何か手掛かりが欲しいという時は以下のような部分を観察してみてください。


【特徴1】葉の形で見分ける
葉は丸みを帯びていてやや長円形です。
全体が反り返っており、裏から見ると逆おわん型になっています。 真ん中に一本の溝(葉脈)がありますが、全体的にはすべすべした印象です。


【特徴2】樹形で見分ける
完全匍匐性で、枝先はほとんど立ち上がりません。
完全匍匐性でも立ち上がる品種があるので、枝先が寝ているものを選びます。


【特徴3】香りで見分ける
葉の香りは強く、ちょっとこすっただけでも強いレモンの香りがします。
レモンタイムのような甘さと爽やかさのある香りと比べると、似ていますがよりきついレモンの香りです。


【特徴4】花で見分ける
売られている苗の状態で花が咲いていることは稀ですが、ロンギカウリスの花はピンク系になります。
他の匍匐性タイムよりも花の房は小花がぎっしりと咲いて丸みを帯びた形となります。
イングリッシュワイルドタイムはコモンタイム系の咲き方となり、 コッキネウス系は花の数が少なく、ロンギカウリスとは違います。
似たような咲き方をするのはマジックカーペットが挙げられます。


【参考】品種名で見分ける
ロンギカウリスの場合、単にクリーピングタイムとだけ書かれている場合も多いです。
クリーピングタイム(またはロンギカウリス)白花と書いてあって葉が細かければ【アルバ】【ミノス】、 赤花と書いてあれば【コッキネウス メジャー】【コッキネウス マイナー】 の可能性が高くなります。
単にセルピルムとあった場合はどの可能性もありますが、基本的にはピンクの花が多いです。


【参照】ロンギカウリスのデメリットとその対策

グラウンドカバーとして非常に優秀なロンギカウリスですが、デメリットもあるため、植える際は場所などをよく考える必要があります。

まず、生育旺盛なため、予想よりも広がることがほとんどです。
周囲を圧倒して地面を覆いつくしてしまうため、背の低い草丈の植物を植えている場合はエリア分けなど注意しましょう。
対策としては、レンガなどで囲ったり、根止めを地面に差し込んだりすることで広がるエリアを制御することができます。
あまり高さのないもので区切ると乗り越えてしまうため、高さのあるもので区切ったほうが良いです。

生育旺盛になってくると舗装された地面などの上にも数十センチ以上はみ出して這い出してきます。
庭で通路などの脇に植えた場合、あまり細い通路だと乗り越えてしまうことがあります。
対策としては、適度に剪定したり植えなおしたりして枝の伸びを調整します。


盲点としては、ロンギカウリスの根は浅いため、覆えるのはあくまで地表だけとなります。
スギナやドクダミなど、地下茎で勢力範囲を広げるタイプはロンギカウリスの層を突き抜けて生えてきます。
これらを草むしりで退治する場合、いったん地表のロンギカウリスを剥ぎ取る必要が出てきます。
ロンギカウリス自体は根付きやすいため、いったん地面から剥がしても再び戻して水を撒いておけばすぐに根付きます。


グラウンドカバーとして、庭のお手入れを楽にする目的で植えられることの多いロンギカウリスですが、 放置していると2〜3年で最初に植えた古い部分から枯れあがってきます。
放置していると枯れた部分だらけになってみすぼらしくなってしまうため、植え付けから数年ごとに株の更新を行うことで対策します。

枯れあがってきた場合、大雑把な剪定で良いので枯れた部分をザックリ取り除きます。
根元付近に新芽がある場合は剪定だけで大丈夫です。
根元付近に新芽がない場合は古くなった部分は地面から引き剥がすように抜き、枝先の新しい部分を取ってきて植え付けます。
節という節から発根してくるので、枝を置いて少し土をかぶせて水を撒いておくだけで大丈夫です。


とにかく繁殖力が強いため、注意が必要なのが剪定後です。
剪定したりちぎれたりした小枝をそのまま地面に放置しているとそこに根付いて繁殖を始めます。
ロンギカウリスを剪定した後は注意深く枝を回収して処分する必要があります。


以上のデメリットですが、上記のとおり対応策はあるので上手く対処して育てていきましょう。
地面を覆いつくしてピンクの花が満開になる様は圧巻です。


ロンギカウリスはグラウンドカバー用の匍匐性タイムの中でも丈夫で花数も多くお勧めの品種です。
他のクリーピングタイムでは、花数ではマジックカーペット、赤みの強い花が良ければコッキネウス、白花が良ければアルバ、 日本産が良ければイブキジャコウソウが良いでしょう。
料理用が良ければイングリッシュワイルドタイムやブロードリーフタイムがあります。



地表を覆いつくすので寄せ植えにはあまり適しませんが、吊り下げ鉢に植えて満開になると見事です。
グランドカバーに使う場合、スギナなどが下から突き抜けてくることがありますので、 雑草対策に植えるならば防草シートがあったほうが良いでしょう。
想定範囲よりも枝を伸ばすため、芝止めなどの根止め資材やブロックなどで仕切っておくと良いです。

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