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植木鉢を選ぶ際に見るポイントは、大きさ・深さといったサイズのほか、素材の違いも見逃せません。
意外と漠然と選ばれがちな植木鉢ですが、植えられている植物の生育に大きく影響しています。
まずはサイズと材質の基本を押さえ、適した植木鉢を選んでみましょう。

おすすめの植木鉢

【道具の選び方】植木鉢


植木鉢には大きく分けてサイズ(直径)による違い、深さによる違い、形の違い、材質の違いがあります。
この違いによって入れられる土の量が変わるとともに、根の広がり具合や生育具合も変わってきます。
さらに温度に対する耐性や根腐れの予防にもつながるため、植木鉢の選び方は重要なポイントとなってきます。


Contents 目次

【サイズで選ぼう】号数と深さで選ぶ
 ・号数による違い
 ・深さによる違い
 ・おすすめの号数は?

【形で選ぼう】円形の他にもいろいろ
 ・一般的な円形
 ・意外と便利な角形
 ・浅鉢
 ・ラン鉢

【素材で選ぼう】素焼き鉢一択!!
 ・素焼き鉢
 ・駄温鉢って何?

【参考】選んでみた
 ・素焼き鉢
 ・浅鉢
 ・角鉢

【まとめ】
 ・まとめ
 ・関連記事 一覧


【サイズで選ぼう】号数と深さで選ぶ

【号数による違い】

植木鉢のサイズは直径が号数で表記され、3p刻みとなっています。
一般的に売られている苗は黒のビニールポットに入っていることが多いですが、 このポットのサイズの多くは9p、つまり3号となっています。
植木鉢の場合は鉢の厚みも含んだサイズとなっているので、その差分も考えてサイズを選びましょう。


CHECK! サイズ選びのポイント

・元の苗は大体3号前後
・1回り大きいサイズを選ぶ
・鉢のサイズは厚さも含まれている
・直径は3センチ刻み
・厚みの差分を考えて選ぼう


【おおよそのサイズ差の比較】 植木鉢のサイズによる違い 真ん中の苗は基本の3号・9センチのビニールポット。
右側が4号の植木鉢で左が5号の植木鉢です。
それぞれ1号違うだけですが、直径のほかに深さも違うことがわかります。

※ビニールポットは厚みがないため、植木鉢と比較すると実際より小さく見えます


【サイズの違いによる感覚】 見た目にはかなりの大きさの差に感じますが、サイズには鉢の厚さも含まれるため、内部の実際の差は意外と感じません。
すべて含んだサイズ差は1号違で3センチの差となりますが、実際の内部は全周に1センチ強といったところでしょう。
指1本入る隙間くらいです。
深さの違いは、鉢底石1列分くらいの差と思うと良いでしょう。

【直径の比較】 植木鉢のサイズによる直径の違い 左が5号、右が4号です。
焼き物ため、実際にはきっちり3センチ刻みではなく、多少の誤差が生じます。


【深さの比較】 植木鉢のサイズによる深さの違い 左が5号、右が4号です。
多少の誤差はありますが、1号ごとに2センチ弱の差があります。


【深さによる違い】(浅鉢・深鉢)

植木鉢はサイズによって深さが異なりますが、形状によっても異なります。
ごく一般的な植木鉢は【深鉢】と呼ばれますが、この他に一般的なタイプとして【浅鉢】があります。
また、深鉢は名前に反して実際にはあくまで一般的な鉢であり、更に根が深いタイプや樹木向けの鉢、 ラン向きの鉢など、深さに特化した形の鉢も存在します。


【浅鉢と深鉢の比較】 植木鉢のタイプによる深さの違い 左が5号深鉢、右が6号浅鉢です。
かなり深さの差があります。
浅鉢も全体のサイズは号数で変わります。


【おすすめの号数は?】

おすすめの号数は、まずは4号です。
これは販売されている一般的な苗(黒のビニールポット)が3号なので、その一回り大きいサイズです。
ポット苗を購入して一度目の植え替えは4号で良いでしょう。
ローズマリーなどの樹木系で根が深く張るタイプや生育が旺盛なタイプは5号が良いです。
3号のポット苗を買ったら深鉢の4〜5号と覚えておきましょう。
※浅鉢では苗ポットの深さに足らないので注意


なお、最初から鉢植えを買って植え替える場合は、元の鉢の裏側に号数が書いてあります(素焼き鉢の場合)ので、それより1〜2号大きいサイズに植え替えます。
《 参考 》 素焼き鉢 4号
《 参考 》 素焼き鉢 5号


【4号の植木鉢】 植木鉢4号 4号の素焼き鉢に3号のビニールポットをはめてみた図。
そこそこゆとりがあり、ちょうど良さそう。


【5号の植木鉢】 植木鉢5号 5号の素焼き鉢に3号のビニールポットをはめてみた図。
かなりの余裕があり、生育が旺盛なタイプや大きく育つタイプ、茂るタイプに良さそう。


基本的に短命な草本性(いわゆる草)は深鉢4号で良いです。
長命で何度も植え替えるような植物や低木系の場合も最初は4号で大丈夫ですが、5号からのほうが余裕があるので良いでしょう。
成長がゆっくりで小さいものは、4号だと大きいので3.5号がおすすめです。


自分で種まきから始めた場合は苗がもっと小さいこともあるかと思います。
その場合は3号か3.5号に植え替えで良いでしょう。
鉢が小さいと土の容量が少なくなって水切れしやすくなりますので、2号などのあまり小さな鉢を使うのも考え物です。
《 参考 》 素焼き鉢 3.5号


【形で選ぼう】円形の他にもいろいろ

【一般的な円形】

一般的な植木鉢は上から見たときに円形です。
しかし、上で紹介した深鉢や浅鉢以外にも円形の鉢があります。
すり鉢や捏ね鉢のような形のもの、円筒形のものなど様々です。


底の部分の面積と高さの比率によって安定性が変わりますので、大型の植物を植える場合は選択しても良いでしょう。
デザインが面白いタイプも多く、おしゃれでおすすめです。
実は作業時の容器や土の保存容器などとしても優秀です。


【意外と便利な角形】

四角形の植木鉢も存在します。
見た目がおしゃれなだけでなく、その形のために隙間なく並べられるのもメリットです。
隙間なく並べればゴミが鉢の間に落ちたり埃が溜まったりすることも減ります。
安定性が良く、倒れにくいものが多いのも利点です。


【浅鉢】

深鉢と共に一般的な鉢ですが、こちらもいろいろなタイプがあります。
通常の円形の浅鉢のほか、お皿のような鉢や、盆栽用の長方形の浅鉢も存在します。
根が浅く横に広がるような植物にも適しているため、ハーブの中にも浅鉢のほうが良いものはたくさんあります。


【ラン鉢】

ラン(主に洋ラン)やギフトの鉢植えなどに使われている、円形で深鉢よりもさらに深いタイプの植木鉢です。
蘭用の鉢とされますが、実際には根が深く張るタイプ・ゴボウ根の植物などにも相性が良いです。
根を収穫するタイプのハーブや軟白栽培するタイプのハーブにも良いでしょう。

深鉢がごく一般的な鉢であることを考えれば、ラン鉢の方が深鉢という言葉通りの印象です。
深めの鉢を用意する必要があったら蘭鉢から選ぶと良いでしょう。


【素材で選ぼう】素焼き鉢一択!!

【素焼き鉢】

植木鉢の代表的な素材が粘土です。
いわゆる素焼き鉢になります。
赤茶色いイメージがありますが、使用された土や焼成の温度によって若干色が異なります。


CHECK! 素焼き鉢のメリット

・通気性と排水性が良い
・保温力がある
・暑さ寒さを伝えにくい
・重いため風に吹き飛ばされない
・割れることがメリットになる場合もある


植木鉢はいろいろな材質のものがありますが、植物の生育を考えた場合、実質的に素焼き鉢一択と言って良いでしょう。
なお、粘土の差や焼成温度の差により、いわゆる素焼き鉢と朱温鉢、テラコッタと少しずつ差がありますが、 基本的にはひとまとめに素焼き鉢と呼ばれます。
《 参考 》 素焼き鉢 一覧


【素焼き鉢のメリット】 素焼き鉢は通気性と排水性に優れているうえ、極端な温度差を緩和することもできます。
とても優れた性質を持っているので、根腐れなどで何度も鉢植えを枯らしている場合はまずは素焼き鉢へ植え替えてみましょう。


ただし、粘土を焼いて作られた鉢でも表面に釉薬が塗ってある塗装鉢は厳密には素焼き鉢には含めません。


【素焼き鉢のデメリット】 素焼き鉢というと重い・割れるという懸念があるかと思いますが、実はこれはメリットにもなります。


重ければ重いほど風などで吹き飛ばされなくなりますし、鉢が倒れるようなことは樹脂製の軽い鉢と比べると圧倒的に少ないです。
台風などの心配な地域では、大きめの素焼きの植木鉢に植えることで心配を減らせます。


割れるという懸念については、やはり焼き物なので衝撃を与えればヒビが入ることはありますし、欠けることもあります。
ただし、割ろうと思ってカンタンに割れるほど脆くはありません。


まれに鉢を割る必要が生じることもあります。
例えば、極端に根詰まりさせてしまって鉢から取り出せなくなった時や、 樹木系の植物を植えっぱなしにして根が鉢底の穴を貫通、地面に根付いてしまった時などです。
このような時は鉢を割って分解することになります。


購入時ですが、大型のものは当然重いですが、4号鉢も数が必要になるのでまとめて買うと重いです。
実店舗から持って帰る苦労を考えればネットで購入して配送してもらったほうが遥かに楽です。


【駄温鉢って何?】

素焼き鉢の売り場へ行くと駄温鉢というものも並んでいます。
その違いは何でしょうか?


【素焼き鉢と駄温鉢】 素焼き鉢と駄温鉢の違い 左が素焼き鉢、右が駄温鉢です。


まず見た目の違いは、駄温鉢のほうが色が濃く、フチの部分に釉薬が塗ってあります。
形は一般的な深鉢と浅鉢で、素焼き鉢と同じ扱いです。
釉薬が塗ってあるのはフチの外側部分だけなので、実質的に無塗装の素焼き鉢と思って良いです。

素焼き鉢と駄温鉢の違い2 左が素焼き鉢の深鉢、右が駄温鉢の浅鉢です。


素材は素焼き鉢と同じように粘土ですが、焼成温度が違います。
駄温鉢のほうが高温で焼かれており、そのために固く頑丈です。
《 参考 》 駄温鉢 一覧


【駄温鉢のメリット】 駄温鉢は素焼き鉢と比べて固く、崩壊しにくいという特徴があります。
素材は粘土なので、素焼き鉢と同じく通気性と排水性、保温性に優れています。
また、フチの部分に釉薬が塗ってあるため、細かなカケが生じにくいのも利点です。
※焼成温度が低く甘いものはフチの部分から細かく欠けてやがて崩壊してきます


【駄温鉢のデメリット】 駄温鉢のデメリットは素焼き鉢と同じです。
これはメリットにもなります。
他に違いがあるとしたら、駄温鉢のほうがごくわずかに値段が高いです。
その代わり通常の素焼き鉢より頑丈なので、デメリットというほどのことではありません。


【参考】選んでみた

【素焼き鉢/4号】

ネットで見られる中から、実際に素焼き鉢を選んでみましょう。
まずは使いやすいサイズということで、よくお世話になる4号を選びました。


最初に極ポピュラーな素焼き鉢を選んでみました。
国産の素焼き鉢で、素朴な感じです。
素焼き鉢なので若干のざらつきがあります。

サイズは最もお世話になる4号です。
色は薄く明るい茶色です。
最もオーソドックスな素焼き鉢は、他の素焼き鉢と比べるとやや脆いのが難点。


こちらは朱温鉢。良く見かける赤茶色の鉢です。
単に素焼き鉢として売られていることも多いです。

色の薄い素焼き鉢と比べると焼成温度が高く頑丈です。
このフチに釉薬を塗ったものが駄温鉢になります。

割れるのが心配な場合はこちらを選ぶと良いでしょう。
普通の素焼き鉢は寒冷地ですと温度低下によってヒビが入ることがあるので朱温鉢が良いです。


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

洋蘭栽培プロ用資材 『4号素焼き鉢4鉢セット』 ※NO寒
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こちらは普通の素焼き鉢の4鉢セット。
4号鉢は用途が多く、数が必要となるのでまとめ買いがお得です。

なぜわざわざ4鉢セットを紹介したかというと、持ってみればわかりますが、 素焼き鉢は小さくても意外と重いです。

そのため、お店からこれを持って帰るよりもネットで買ったほうが楽。
複数個まとめて買うならなおさらです。


今回は一般的な4号から選びましたが、ポット苗のハーブでもローズマリーのような生育の早い低木系ハーブや根の生育が旺盛なハーブ、 すでに苗が大きくなっている場合は、最初から5号に植え付けたほうが良い場合もあります。


【浅鉢】

今度は浅鉢を選んでみました。
浅い分、土の量が減って水切れしやすくなってしまうため、土の量を確保するために1サイズ大きい5号から選びました。
3号のポット苗を植え付ける時に、ポットの底まで根が回ってしまっているような場合は深さが足りないのが盲点ですが……。


駄温鉢の浅鉢。良く見かける赤茶色の鉢です。
フチに塗られた釉薬が特徴です。

経験上、深鉢より浅鉢のほうが扱いが不注意になりがちで割れやすく感じるため、素焼きの中でも硬い駄温鉢・朱温鉢を選んだほうがよさそうです。

これは扱いやすい5号ですが、大型の寄せ植えなどの場合も深さが浅い分、土の量が減って軽くできるのも浅鉢の隠れたメリットです。



【角鉢】

素焼きから選ぶとプランターサイズになってしまう場合が多いものの、便利なのが角鉢。
小型のものは樹脂製が多いです。
幾つも並べるときに、丸鉢よりきれいに並びます。
素焼きの大型の鉢はローズマリーやオリーブが良く似合います。
ラベンダーなら高さが出て茂るタイプのラバンディン系が似合います。


見事に四角い植木鉢。
植木鉢とプランターの中間的なサイズです。

とにかく置いた時の安定性では最強。
ただ、重いのが難点なので、実店舗で買うよりネットで買って配送してもらったほうが良いです。


さて、植木鉢は用意できましたか?
ここで意外と忘れがちなのが鉢底ネット。
鉢底穴が開いているとナメクジや虫などが入ってしまうのでネットで予防することをお忘れなく!
《 参考 》 鉢底ネット(一覧)


【まとめ】

CHECK! 植木鉢選びのポイント

・素材は素焼き鉢一択!
・サイズは4号か5号から
・深さもポイント
・重いのも割れるのもメリットになる
・寒冷地では焼成温度の高いものを
・鉢底ネットを忘れずに!


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