サルビアの仲間で、明るい紫の美しい花穂を伸ばします。
葉は強い香りを持ち、食用としても観賞用としても使える美しいハーブです。
セージの基本情報

セージ Salvia(シソ科)
多年生・小低木(常緑樹)
【耐寒性】-6~-10度(※防寒時)
【サイズ】最大80㎝
【樹形】立性
【主な用途】
観賞・料理用
【花色】
様々
セージとは?
【セージとは?】
・穂のようになる美しい花
・サルビアの仲間
・挿し芽がしやすい
・品種が多く花の色も様々
セージはサルビアの仲間で、特に料理用・ハーブティー用の種類は薬用サルビアと呼ばれ、色々な種類があります。
ここでは主に料理用のコモンセージについて紹介しますが、ページ下部では観賞用のセージについても少し解説します。
【参考】 コモンセージ(ブルーフラワー)/ハーブの苗 9cmポット
コモンセージは一般的なコモンセージのほか、ゴールデンセージ、トリカラーセージ、パープルセージも料理に使えます。
コモンセージが一番香りが強く、トリカラーはやや穏やかな香りになります。
葉をこすると漢方薬のような独特の香りですが、料理に入れると強いコクとまろやかさが出ます。
香りは強いので、他のハーブと共に煮物に入れる場合、セージは葉を1~2枚浮かべるだけで良いでしょう。
花はガクを取り除き、エディブルフラワーとしても利用できます。
なお、セージは薬効が強いことで知られるため、 通常の使用範囲で料理にスパイスとして使う分には問題ありませんが、多量接種やハーブティーなどの常用は控えるように注意がなされています。
セージについて詳しく!
【Chapter:1】セージってどんな植物?
・セージの特徴
・セージの花
・セージの樹形
・セージの香り
・セージの葉
【Chapter:2】セージの性質は?
・セージの系統ごとの特徴は?
・セージの生育環境
・セージの耐寒性
・セージの育て方
【Chapter:1】セージってどんな植物?
【セージの特徴】
セージはサルビアの仲間で、花期になると花茎を伸ばし、穂のように花を咲かせます。
ハーブとして扱われるのは主にコモンセージの系統で、料理用のスパイスとして使われるほか、汁物のコクを出すことにも優れています。
コモンセージの系統は多年草の低木で、常緑ですが寒さが厳しい季節はやや葉が少なくなります。
コモンセージ系統は園芸性と比べると花の数は少ないですが、外見上はサルビアそのものの花で、数は少ないですが見栄えはあります。
料理用と観賞用を兼用できるハーブです。
【セージの花】
セージの花はいわゆるサルビアの花と同じで、穂先にガクと筒状の花が付きます。
コモンセージ系はやや花数は控えめですが、青紫を中心に、ピンク、白があります。
ハーブティー用とされるフルーツ系の香りのサルビアは、赤やピンクがあります。
【セージの樹形】
ハーブとして扱われるセージは多年性で、茂み状になる低木となります。
コモン系は高さはあまりなく、40~80センチくらいに収まることが多いです。
やや枝が折れやすいので、ぶつからないように注意しましょう。
園芸種やハーブティー用のセージは背が高いほうで、パイナップルセージやチェリーセージなどは地植えだと150cmになる場合があります。
【セージの香り】
そのままでは香りませんが、コモンセージは葉をこするといかにも生薬というような香りがします。
ハーブティー用のセージとしては変わったところでパイナップルの香りのするパイナップルセージがあります。
【セージの葉】
コモンセージの葉は中間からやや小ぶりで、皴の多い細長い円形で、先がやや細くなる形となります。
基本的にはシルバーグリーンですが、コモンセージでもカラーリーフがあり、レッド(パープル)、
ゴールド系の斑入り、3色斑入りがあります。
園芸種で見るとチェリーセージの葉はやや細かく、パイナップルセージの葉は尖ります。
パイナップルセージにはゴールドリーフが存在します。
【Chapter:2】セージの性質は?
・日あたりを好む
・通気性のよい土を好む
・挿し芽が容易
・枝が脆い
【セージの系統ごとの特徴は?】
料理用もしくは薬用(コモンセージ系)
いわゆるセージ。コモンセージの系統で中型種。低木なので多年生。
花は春の終わりから初夏にかけて咲き、美しいがやや数が少なめ。
カラーリーフ系統は花が付きにくい。
耐寒性は最もあるが、冬季はやや葉の数が少なくなる。
ハーブティー用もしくは芳香用(大型サルビア系)
いわゆる園芸用サルビアのうち、香りが良いもの。多年生で大型の種類が多い。
花は秋咲きが多い。美しくて数も多く、葉などに香りを持つ。
一部の花はエディブルフラワーにできるものもある。
耐寒性は若干低めなので秋以降は管理に注意。
園芸用・観賞用(サルビア系)
いわゆるサルビアで、花壇等でよく見かけるもの。
一年草ではないものも多いが耐寒性が低めの種類が多いので管理が必要。
花は夏の終わりから秋にかけて咲く。
香りは無いか、もしくは良くない。
【セージの生育環境は?】
放置していてもそこそこ育ちますが若干気まぐれな面もあります。
乾燥を好むとされますが、意外と水切れでしおれやすく、乾くとハダニの被害を受けやすくなります。
土壌はごく一般的な普通の土で大丈夫なので、鉢植えでも庭植でも育てやすくておすすめです。
セージはほかのローズマリーと同様に日あたりを好み、通気性が良くて濡れてもすぐ乾く土を好みます。
ただし、ラベンダーなどと比べると葉が大きいためなのか水分の消耗が早く、水分を欲しがります。
鉢植えの場合は花期に水切れしないよう管理しましょう。
【セージの耐寒性】
コモンセージと観賞用セージで耐寒性は大きく異なります。
料理用のコモンセージの場合、耐寒性は強いですが冬季は葉の色が白っぽくなり数も少なくなって淋しくなります。
だいたい-5~-10度の範囲内までは生育可能です。
春に根元の木質化部分から新芽が出るため、寒冷地では根覆いをしておくと安心です。
園芸用のセージは耐寒性が低いものが多いため、ハーブティー用とされるフルーツセージとパイナップルセージは耐寒性があまりありません。
晩秋の最初の寒風で一気に枯死したり、初霜でやられたりしますのでシートをかけるなどして保護します。
寒さ慣れしていても-5度で放置すると枯死する可能性が高くなります。
チェリーセージは大型に成長して寒さに慣らしておけば-5度は適応可能です。
なお寒冷地での育て方や冬越し、耐寒性のあげ方に関しては詳細ページがありますのでご参照ください。
《 関連記事 》 寒冷地での育て方 > 目安となる気温
【セージの育て方】
セージは全体的に頑丈で手がかからない植物ですが、摘心や剪定をしないと枝が増えません。
特に花穂をつけた枝は脇芽が出ないとその年で終わってしまいます。
晩春の勢いよく伸びる時期に剪定すると脇芽が増えます。
鉢植えだと根詰まりしやすくなりますので適宜一回り大きな鉢へ植え替えます。
花は穂先につくため、花の盛りを過ぎたら花茎の根元から切り取ってしまいましょう。
水やりは乾き気味で良いですが、見た芽よりも水を欲しがりますので、成長期と花期は水切れに注意します。
ラベンダーやタイム、ローズマリーよりは肥料を欲しがりますが、少量で大丈夫です。
植え替えの時に養分を含んだ培養土を使う程度で十分です。
なお、枝が脆く折れやすいので扱いは丁寧に行います。
挿し芽(水挿し)の成功率が高いため、折れた枝や挿し穂は水に浸けておくと良いでしょう。
コモンセージ系は暑さ寒さには強いほうですが、カラーリーフ(斑入りやパープル系)は極端な暑さには弱いです。
猛暑の時期には鉢植えであれば半日陰に移動させたほうが良いでしょう。
【参照】セージが欲しいときは? 見分け方は?
【入手方法】
セージはたくさんの品種が存在しますが、一般的に販売されている種はノーマルのコモンセージが多いです。
種から育てるのも楽しいハーブですがタイムなどと比べるとやや発芽率が低いため、すぐに楽しみたい場合は苗のほうが良いでしょう。
【参考】コモンセージ(ブルーフラワー)/ハーブの苗 9cmポット
【ハーブの専門店で購入する】
一般的な紫花のコモンセージは近隣でも入手できますが、ピンク花や白花、カラーリーフ系はハーブ専門店のほうが種類が豊富です。
特にハーブティー用の大型セージは流通量が少なめのため、ハーブ専門店を探したほうが早いです。
【園芸店やホームセンターの園芸コーナーで購入する】
コモンセージ系や完全な観賞用セージ(いわゆるサルビア)は園芸コーナー等でも見かけますが、
ハーブティー用のセージはあまり見かけません。
逆に、観賞・園芸用サルビアに関しては園芸コーナーのほうがハーブ専門店よりも多く置いてあります。
【セージの見分け方】
ハーブの専門店ではない園芸店や種苗店、あるいはホームセンターの園芸コーナーでセージを探す場合、
その特徴で探し当ててみましょう。
【特徴1】葉で見分ける
一般的なコモンセージの葉は白っぽい灰緑色で、全体に細かいしわがあり、やや厚みを感じる葉です。
コモンセージ系は、いわゆるコモンセージの他、幅広のベルクガルテン、葉の色がパープルがかったパープル(レッド)セージ、
緑と黄色の斑入りのゴールデン、緑と白とパープルのトリコロールがあります。
葉の見た目の特徴と品種名がほぼ一致しているのでわかりやすいです。
【特徴2】樹形で見分ける
特徴的な樹形の差はありませんが、コモンセージ系は中型からやや大型で、そのうちベルクガルテンは低い茂みになります。
背の高さではハーブティー用のセージのほうが背が高くなります。
【特徴3】香りで見分ける
葉を痛めない程度にそっと触れて香りをかいでください。
料理用のコモンセージ系はいかにも薬っぽい生薬・漢方薬のような香りです。
フルーツセージ(ピーチセージ)はフルーティーな、パイナップルセージは文字通りパイナップル(のお菓子)
のような香りがします。
【特徴4】花で見分ける
花は穂を伸ばして咲き、いわゆるサルビアの花ですが園芸種よりは花の数は少なくなります。
売られている苗の状態で花が咲いていることは稀ですが、コモンセージは青紫の他、稀にピンクと白がありますのでお好みで選んでください。
フルーツセージとパイナップルセージは花の筒部分が長く、チェリーセージは上の花弁が大きくなっています。
【代表的な品種は? 選び方は?】
ここでは代表的な品種の紹介をしますので初めはこの中から選ぶと良いでしょう。
【コモンセージ】
ごく一般的な料理用セージで、性質は丈夫。
花は紫が一般的だが、ピンクと白もある。
香りは料理向きで成長も早いが、剪定しないと脇枝が増えにくい。
手がかからないのでセージを初めて育てる場合にお勧め。
耐寒性はセージの中では強め。
【パイナップルセージ】
真っ赤な花の美しい、香りの良い大型セージ。
葉は緑が一般的だが、画像のようなゴールドリーフもある。
葉をもむとパイナップルのお菓子のような香りがする。
加熱すると香りが消えるため、エディブルフラワーなどで楽しむと良い。
耐寒性はセージの中でもかなり弱い。
【チェリーセージ】
真っ赤な花の美しい、頑丈な大型セージ。
フルーティーな香りだがややきつい香り。
ハーブティーにするとえぐいので、はちみつやシロップに香りを移して使うと良い。
耐寒性は弱めだが、フルーツ系の香りのセージの中では強めなほう。
【サルビア:プラテンシス系】
踊るような花の面白い観賞用セージ(園芸サルビア)。香りはない。
園芸用サルビアの中でも多年草となる。
ピンクがローズラプソディ、ダークパープルがトワイライトセレナーデ、白がスワンレイク、空色がスカイダンスと、
おしゃれな名前。
耐寒性は弱め。
【スパニッシュセージ】
コモンタイムに似ているが別系統の品種で、薬用・料理用。
コモンタイム系よりは細めの葉になる。
【フルーツセージ】
フルーティーな香りのセージでピーチセージとも。
ピンクの花をエディブルフラワーに。耐寒性はかなり弱いが多年生。
【クラリーセージ】
鬼サルビアとも呼ばれる、大型で二年草のセージ。
薬用ハーブだが作用が強いため、観賞用にとどめておいた方が無難。
【ホワイトセージ】
芳香・天然石の浄化用として知られるセージの仲間。
食用にはならない。
【ホットリップス】
チェリーセージのような外見で花が紅白2色になる園芸種。
香りはない。
【メキシカンブッシュセージ】
フワフワした紫色のガクに、紫もしくはピンクの花がつく園芸種。
【アメシストセージ】
フワフワした白っぽいグリーンのガクに、紫もしくはピンクの花がつく園芸種。
メキシカンブッシュセージの仲間。
【サルビア・ネモローサ】
細長いブラシのような花穂がたくさん咲く園芸種。