多くのハーブは適切な対策によって気温がマイナスになる寒冷地でも冬を越せます。
目安となる気温とポイントを押さえて乗り切りましょう。
寒冷地での冬越しの仕方 【目安の温度】
寒冷地でハーブを育てる場合、特に気温(最低気温)に注意が必要となります。
気温ごとに対策を重ねていくため、目安となる気温を把握しておくと良いでしょう。
ここでは目安となる気温ごとに対策も踏まえて解説しています。
【寒冷地対策】最低気温を確認しよう
・冬越しは気温の目安で考える
・気温の段階
【Chapter.1】冬越しの目安となる気温と各気温ごとの対策
・準備段階(10度前後)
・初霜が降りる前(5℃〜0℃)
・本格的な冬(0℃〜-5℃)
・厳冬期(-5℃〜-10℃前後)
・寒冷地の厳冬期(-10℃〜-15℃)
・初春〜気温が上がってきたら
冬越しは気温の目安で考える
ハーブの冬越しでは、ただ寒さに強いか弱いかだけで判断するのではなく、実際にどのくらいの気温になるのかを目安にしながら対策を考えることが大切です。
同じハーブでも、苗の大きさや植えてある場所、日当たりや風の当たり方によっても冬の越えやすさはかなり変わります。
特に初めての冬越しでは、どの段階で防寒を始めるか、どこまで屋外で慣らすかを迷いやすいものです。
無理をせず、段階的に対策を決めていきましょう。
冬越しに必要となる資材について、詳しくは冬越しの必需品ページでご確認ください。
このページでは、元気温の目安ごとに冬越しの考え方を整理しています。
冬越し全体の基本を先に確認したい場合は、冬越しの基本ページもあわせてご覧ください。
【気温の段階】
基本的には一日の最低気温(主に夜間〜明け方)を確認します。
まずは秋から冬の兆しが強まる最初の最低気温5度から始め、大きく分けて5度刻み、細かくは2度刻みごとに判断します。
なお、同じ気温でも地方によって実情は異なります。
暖かい地方の2度と寒冷地の2度は霜の有無に違いが出ますし、雪の降り方も違います。
まずは自分の場所が冬にどのくらいの温度まで下がるのか、その温度でどの程度の対策にするか、無理のない方法を選びましょう。
このサイトは特に冷え込む寒冷地での情報をもとにしています。
普段は暖かい地方で、突然冷え込んで心配になったという場合は、当ページのほか、温暖地向けの解説ページもありますので合わせてご覧ください。
【関連記事】:育て方Q&A > 急な雪・寒波対策
冬越しの目安となる気温と各気温ごとの対策
冬越しというといかにも冬ですが、実際には気温が下がる秋の中ごろ〜晩秋あたりから準備が始まります。
寒くなってから慌てないよう、秋のうちに冬のスケジュールを考えておきましょう。
【準備段階】気温が10度前後のとき
気温が10℃を下回るころになると、寒さに弱いハーブは少しずつ勢いが落ち始めます。
この頃はまだ厳しい寒さではありませんが、冬越しを意識した準備を始める目安になります。
まだ成長しているように見えても、ここから先は急に冷え込む日が出てくるため、今後の置き場所や管理の見直しをしておくと安心です。
特にバジルのような非耐寒性のハーブは、外に出したまま様子を見るより、収穫してしまうか、早めに安全な場所へ移す準備を進めたほうが失敗を減らしやすくなります。
・その年の最初の寒風にあてない
多くの植物がダメージを受けやすいのは、その年最初の寒風です。
気温が10℃を下回ると発生する頃合ですので、その前に日が当たる軒下の壁際など、風が当たらない場所へ移動しておきましょう。
冬越しに必要となる資材も今のうちに確認します。
霜が降りてから用意するのでは間に合わないので、最低気温が10℃を下回り始めたら用意、点検しておきましょう。
冬越しに必要となる資材について、詳しくは冬越しの必需品ページでご確認ください。
【ステップ1】初霜が降りる前(5℃〜0℃)の準備
気温が5℃前後になると、寒さに弱いハーブではダメージが出やすくなります。
このあたりが、屋外でそのまま冬を越せるものと、退避が必要なもの(非耐寒性)を分けるひとつの目安になります。
耐寒性があまり高くない(半耐寒性)ものは、この段階で室内や軒下など、冷え込みをやわらげられる場所へ移したほうが安心です。
寒さに強いハーブは、ここですぐ過保護にしすぎるより、少しずつ寒さに慣らしながら守るほうが、その後の冬越しが安定しやすくなります。
10月〜11月頃、最低気温が5℃を下回り始めたら冬越しの準備をスタートします。
寒冷地では5℃を下回ると、霜が降りる頃合です。
多くの植物がダメージを受けやすいのはその年最初の霜なので、霜よけを考える必要があります。
霜への対策については詳しいページがありますので合わせてご覧ください。
【関連記事】:寒冷地対策 > 霜への対策
・その年の最初の霜にあてない
鉢植えであれば、霜の当たらない暖かい軒下などへ移動しましょう。
地植えの場合は、薄手の不織布や白の寒冷紗をふんわりを巻き、初霜に備えます。
この場合、何度か霜を耐えて慣らすようにします。
霜よけに使える薄いシート類について、詳細や使い方は冬越しの必需品ページでお話ししています。
【関連記事】:冬越しの必需品 > シート類について
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【ステップ2】本格的な冬(0℃〜-5℃)の防寒対策
本格的な冬に入って氷点下の日が増えてくると、耐寒性のあるハーブでも、苗がまだ若い場合や寒風が直接当たる場所では傷むことがあります。
まだ小さい苗や、その年に植えたばかりの株は、強い植物でも無理をさせないほうが安心です。
最初の冬は防寒しながらこの温度で様子を見るか、このあたりを限界として安全な場所へ退避させても良いでしょう。
普段は暖かい地方で、突然雪が降った、急に冷え込んで心配になったという場合は、当ページのほか、温暖地向けの解説ページもありますので合わせてご覧ください。
【関連記事】:育て方Q&A > 急な雪・寒波対策
冬を越せる多くのハーブは、雪には耐性がありますが、霜には弱い場合もあります。
氷点下が続くと毎日霜が降りますので、寒さ対策というよりはほぼ霜対策になります。
・霜と寒風の影響が出やすくなる
・若い苗は特に傷みやすい
・初年度は防寒しながら様子を見る
・無理そうなら早めに退避させる
ローズマリーの中には、軽い霜への耐性を持つ品種もあります。
ミスジェサップをはじめとする英国系の品種は霜に強い特徴があり、軽い霜であればダメージが少なく済みます。
耐寒性が強い種類については関連ページも合わせてご覧ください。
【関連記事】:ローズマリー図鑑 > 耐寒性の強い品種
うっかり忘れがちですが、ガーデニング資材の扱いや保管にも気を付けましょう。
水分が入ったまま凍ると破損する恐れがありますし、ジョウロやバケツなどは使おうと思ったら中身が凍っていて使えないなどということもあります。
特にガーデニングに使っている外水道は水抜きや保温を忘れないようにしましょう。
【寒冷地の場合】
氷点下に入る地域では、冬越しの難しさが一段上がります。
ここからは、植物そのものの耐寒性に加えて、寒風を避けられるか、霜に直接当てないか、土が凍りにくいかといった周囲の条件が大きく影響します。
特に、時雨れる(積もりはしないが一日中みぞれや雪が舞う)地域では常に地面が湿りがちなので、秋のうちに土壌の排水性のチェックをしておきましょう。
【関連記事】:土壌対策 > 自力でできる土壌改良
ローズマリーのように寒さにある程度耐えるハーブでも、枝先が霜や風で傷むことはあり、地植えでは軽い防寒を加えるとかなり違ってきます。
この時点ではガッツリ守るのではなく、寒さに慣らすようにふんわり守ります。
霜よけにシート類を使う場合は、薄く軽い素材が良いでしょう。
【関連記事】:寒冷地対策 > 霜への対策
【関連記事】:冬越しの必需品 > シート類について
【鉢植えの場合】
非耐寒性のハーブは室内に取り込みますが、耐寒性が強いハーブは防寒しつつ軒下などの日の当たる屋外で慣らします。
−5℃近くになると凍結の害が出てくるため、植木鉢を新聞紙や鉢カバーで覆ったり、根元に根覆いを施したりして対処しましょう。
水やりは日の当たっている暖かい時間に与えます。
【地植えの場合】
耐寒性が強いハーブは軽く防寒しつつ寒さに慣らします。
−5℃近くになると寒冷地では土が凍ったり(凍みる)、霜柱で地表が浮き上がったりします。
根本付近に風が当たる場合は、マルチングや根覆いで対処します。
匍匐性のタイムなどは霜柱ごと持ちあがってしまうことがあるため、踏むか軽く押さえましょう。
【関連記事】:寒冷地対策 > 地面の凍結と霜柱への対策
【関連記事】:冬越しの必需品 > 根覆いとマルチについて
【ステップ3】厳冬期(-5℃〜-10℃前後)の避難・保護
1月〜2月の最も寒さが厳しい時期は、寒さに応じた寒冷地ならではの工夫が必要です。
−5℃より冷える場合、耐寒性のある植物のみ屋外で過ごせます。
次年度以降も屋外で育てたいという場合は、可能な限りこの温度で寒さに慣らしましょう。
無事に一冬越せば、来年には十分な耐寒性を獲得しています。
半耐寒性でここまで防寒しながら生き延びてきた品種は−10℃が避難の目安です。
防寒しつつ、軒下や、場合によっては室内へ退避させましょう。
耐寒性品種の場合は、徐々に気温低下に慣らしてきていればこの温度ではほぼ枯れないのでそのままで大丈夫です。
冬場とはいえ生きていますので、鉢植えの場合はたまには水やりが必要になります。
日の当たる午前中から昼間のうちに少量水を与えておきましょう。
・半耐寒性は避難の目安
・地植えはしっかり防寒
・雪による水分過剰に注意
【鉢植えの場合】
鉢植えは土全体が凍りやすいため、最低気温が連日にわたって-5℃を下回る予報が出たら、強耐寒性品種以外は室内へ避難します。
この時に暖かい場所へ置いてしまうとせっかくの耐寒性が消えてしまうため、できる限り涼しく、かつ、明るい場所へ置いてください。
耐寒性品種は鉢を包むなどの防寒をして日の当たる軒下などで過ごします。
【地植えの場合】
地植えの場合、通常の耐寒性品種(一般的なローズマリーやラバンディン系ラベンダー)は−10℃が元気でいられる目安です。
霜がかなり強いため、防霜シートや不織布・寒冷紗などでしっかり守りましょう。
薄いシートはふわりと空気の層を作りつつ二重に巻くと良いです。
【関連記事】:冬越しの必需品 > シート類について
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【雪について】
多くの耐寒性ハーブは降雪そのものには耐性がありますが、あまり積もると雪の重みで枝や株の形が乱れがちです。
また、周辺に高い木がある・電線がある・屋根から雪が落ちてくるというような場合は落雪に巻き込まれて枝が折れやすいため、植え付け時点でそのような場所は避けましょう。
形が乱れたり枝が折れたりした場合は、春に芽吹いたら剪定で形を整えましょう。
また、いつまでも溶けない雪(根雪)や屋根からの落雪が積もった雪山など、常に水分を補充してしまうような環境では湿気を嫌うハーブは根が傷みがちです。
あまりにも寒いうちは根腐れ菌も動きにくいですが、気温が上がった瞬間にやられますので注意が必要です。
あらかじめ土壌改良をしておくか地面に排水用の溝を掘っておくなど、雪が降る前に対策を練っておきましょう。
【関連記事】:土壌対策 > 自力でできる土壌改良
【耐寒性のあるハーブ】
寒冷地でローズマリーなどを地植えにする場合は、最初から耐寒性の非常に強い品種(アープ、ミスジェサップ、マリンブルー等)を選んでおくと、
冬越しの成功率が高くなります。
ローズマリー以外では、タイム全般、イングリッシュ系ラベンダーなどが挙げられます。
【関連記事】:ローズマリー > 耐寒性の強い品種
【関連記事】:タイム > タイムの品種一覧
【ステップ4】寒冷地の厳冬期(-10℃〜-15℃)の場合
最低気温がかなり低くなる地域では、耐寒性のあるハーブでも防寒なしでは厳しくなります。
耐寒性のある種類でも防霜や根元の保護をしながら冬を越すことになります。
こうした地域では、単に寒さに強い種類を選ぶだけでなく、最初の冬は特に守りながら育て、二年目以降に少しずつその場所に慣らしていく流れが現実的です。
・強耐寒性品種が大前提
・耐寒性品種でも十分な防寒対策が必要
・強い寒波に注意する
・地植えは2〜3年目以降の苗で
一度冬を越えた株は耐寒性が安定しやすい一方で、突発的な強い寒波では退避の判断が必要になることもあります。
この時期は必ず天気予報で寒気や寒波が来る兆候がないかチェックしましょう。
この気温になる地域では、強耐寒性の品種を選んで育てることになります。
若い苗などは耐えられないため、1年目は鉢植えで寒さに慣らしながら育て、2年目もしくは3年目から厳冬期の屋外にチャレンジすることになります。
地植えの場合も、秋植えではまず間に合わないため、春のうちに植え付けて充分体力をつけておく必要があります。
【鉢植えの場合】
さすがにこの温度を耐えられるのは、強耐寒性品種として知られるもののみになってきます。
ただし、肝心の植木鉢のほうが耐えられないことがあり、テラコッタや通常の素焼き鉢は割れることがあります。
樹脂鉢では寒さがダイレクトに土に伝わるのでお勧めできません。
ある程度の保温性があり、寒さで割れにくい植木鉢としては、朱温鉢、駄温鉢というものがありますので、寒冷地で鉢植えを育てる場合はこれらをメインで使います。
豪雪地帯の場合、いっそのこと雪に埋めてしまうという手もあります。
霜も風も当たらなくなるため、意外と耐えられる種類もあります(イングリッシュ系ラベンダーなど)。
【地植えの場合】
この温度では耐寒性のある品種でもしっかりした防寒が必要になります。
寒さよけのシートで巻いても、隙間風が入る部分や冷えるシートに触れている部分に新芽があると、その部分が霜焼けになる場合があります。
天気予報で強い寒気が来ると判明したら、シートを二重にするなどの対策が必要になります。
宿根草タイプで地上部がなくなるハーブですが、地上部がないからと油断していると地中の根ごと凍ってしまうことがあります。
念のため、植わっている場所にはマルチングや根覆いをしておきましょう。
【関連記事】:寒冷地対策 > 地面の凍結と霜柱への対策
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【強い冷え込みに注意】
-15℃になるような場所では、強い寒気が入ると-20℃に達することがあります。
防霜&寒さよけシート、風よけ、マルチングや根覆いなど、あらゆる対策が必要になります。
冬越しに必要となる資材について、詳しくは冬越しの必需品ページでご確認ください。
【耐えられる品種】
この温度で屋外に耐えられる品種となると限られますが、
ローズマリーでは2年目以降のアープ、ラベンダーではイングリッシュ系のみ(※防霜が必要)、ロンギカウリスタイムなどが挙げられます。
クランベリーやコケモモ、レッドカラントのベリー系は寒さが大好きで、防寒なしの氷漬けのままも春まで生き延びます。
【ステップ5】初春〜気温が上がってきたら
冬越しで意外と見落としやすいのが、春に近づいてからの管理です。
芽の動きが早いハーブは冬の終わりから春先にかけて新芽が動きはじめ、ここで霜に当たると傷みやすくなります。
また、防寒を長く続けすぎると日照不足になり、徒長の原因になることもあります。
とはいえ、一気に今までの防寒具を取り払うと遅霜に打たれることがあるため、防寒具は少しずつ日を通すような軽めのものに変えていく形にしましょう。
・春先の新芽は霜に弱い
・突然の遅霜に注意
・防寒の続けすぎは徒長につながる
・防寒は徐々に軽めにしていく
また、普段は暖かい地方(関東や東海の沿岸など)は春先の2月や3月に、南岸低気圧による突然の降雪があることがあります。
温暖地の雪や気温低下でローズマリーが枯れることはほぼありませんのでご安心ください。
それでも心配な方は、温暖地向けの解説ページもありますので合わせてご覧ください。
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遅霜に関しては、昔から八十八夜(5月2日ごろ)が目安といわれますが、だいたいゴールデンウィークぐらいまで注意が必要です。
例年、北関東では3月くらいで霜は終わりますが、4月下旬に降雪、5月に霜が降りたこともあります。
この頃はすでに春の苗の時期で防寒具も取り払っているため、天気予報に注意し、前の日の夕方のうちに霜よけを設置する形になります。
【まとめ】
冬越しは、気温の目安に合わせて対策を変えていくほうが失敗を減らしやすくなります。
おおまかに、10度前後で準備を始め、5度前後で退避や防寒を考え、0度や軽い氷点下では植物の性質と環境に合わせて守る形にしていくという流れをつかんでおきましょう。
ただし、気温だけですべてが決まるわけではありません。
植物の種類、苗の大きさ、鉢植えか地植えか、その場所の日当たりや風通しによって、同じ温度でも結果は変わります。
そのため、迷ったときは、まず安全側に寄せて判断し、慣れてきたら少しずつ寒さにあてていくほうが良いでしょう。
冬越しに必要な防寒用の資材については、冬越しの必需品のページでお話しします。
【関連記事】
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