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寒冷地でハーブを育てる場合、特に気温(最低気温)に注意が必要となります。
気温ごとに対策を重ねていくため、目安となる気温を把握しておくと良いでしょう。
ここでは目安となる気温ごとに対策も踏まえて解説しています。

雪に埋もれたハーブの鉢植え

寒冷地での冬越しの仕方 【目安の温度】

まずは秋から冬の兆しが強まる最初の最低気温5度から始め、大きく分けて5度刻み、細かくは2度刻みごとに判断します。
ここでは北関東の山間を例に、各目安の温度と対策を紹介しています。


Contents 目次

【気温の目安】最低気温を確認しよう
 ・気温の段階
 ・同じ気温での暖地と寒冷地の違い

【Step:1】対策の目安となる気温
 ・5度〜0度
 ・0〜−5度
 ・−5〜−10度
 ・−10〜−16度
 ・−16〜−20度
 ・−20度〜

【参考】耐寒性の目安
 ・非耐寒性
 ・半耐寒性
 ・耐寒性
 ・中断の目安

【まとめ】
 ・まとめ
 ・関連記事


【気温の目安】最低気温を確認しよう

【気温の段階】

冬越し対策には目安となる温度があります。その段階を大まかに見ていきます。
基本的には一日の最低気温(主に夜間〜明け方)を目安にします。


Start.5度まで
2.5度〜0度
3.0〜−5度
4.−5〜−10度
5.−10〜−16度
6.−16〜−20度
7.−20度〜


温度の細かな目安はページの中盤で説明しますので、ここではとりあえず上記のような大きな目安だけ覚えておいてください。
また、同じ気温でも暖地と寒冷地による差や、毎日その気温なのか、突発的にその気温になるのかでも差があります。



【同じ気温での暖地と寒冷地の違い】

同じ気温でも暖地と寒冷地では状況が変わりますので、例えば引っ越したばかりなどで周囲の気候を把握していない場合は一応注意しましょう。
例えば暖地で夜の最低気温が2度ではさほど心配はありませんが、寒冷地では2度だと霜が降りる可能性が高まります。
とくに山間は危険性が高まります。


また暖地の場合、最低気温が−2度と予報されてもその気温が何日も続くことは稀ですし、その温度に達している時間は短いです。
しかし寒冷地の場合は数日以上続きますし、その温度に達している時間も長いです。
例えば暖地では明け方だけ−2度になるところを、寒冷地では前日の夜から翌朝までずっとその気温というような具合です。


寒冷地もより寒い地域では、例えば最低気温が−2度と比較的緩くても最高気温も−1度と、昼間の気温も上がらなくなってきます。



【Step:1】対策の目安となる気温

【5度〜0度】

それでは具体的に目安となる最低気温を覚えていきましょう。
気温は大まかに5度刻みで考え、その中でさらに2度・3度で分けていきます。
最初の目安となるのは最低気温5度となります。

CHECK! 大まかな目安

・最初は最低気温が5度になるまで
・以降、大きく5度刻み
・細かくは2度/3度刻み
・2度になる前に霜対策を終えておく


【〜5度】 ・寒風にやられる危険性が出てくる ・非耐寒性は退避開始 最初に目安となるのは5度になる可能性が出てくる頃です。
最低気温5度というと地域にもよりますが10月半ばごろになります。
秋から徐々に気温が下がりますが、10度前後から寒風などでいきなり5度になるとまだ寒さ慣れしていないために一発で枯れるものも出てくるため、 まずはその年最初の寒風を避けます。


5度に下がるまでに対処したいものとしては、まずバジルやレモングラスなどの耐寒性がないものは室内や温室へ移動させます。
半耐寒性のものも寒さ慣れするまではいきなり5度になると枯れるので、こちらも寒風の当たらない暖かな屋外へ退避します。
耐寒性のあるものは5度で枯れることはほぼありませんが、突然5度になるとやはり若芽などは傷むことがありますので、 鉢植えの場合は風の当たらない場所へ移動したほうが無難です。
ただし、あまり暖かい場所へ置いてしまうと耐寒性が育たないので、耐寒性の強い植物は温かくし過ぎないようにします。


耐寒性のある植物もこのころには新しい芽が出にくくなってきます。
挿し芽等も根が出にくくなってくるので、挿し芽はこの温度以降は暖かな室内で管理した方が良いです。
例外として、強耐寒性の植物(クランベリーやレッドカラントなど)はこの時期以降の植え替えを好むようです。


【5度〜2度】 ・霜や雪の可能性が出てくる ・霜対策を終えておく 予報で最低気温が5度を下回ると、予想以上の冷え込みなどで容易に2度以下まで下がることがあります。
そのため、5度といわれても実際には2度くらいまでを念頭に入れて対策したほうが良いでしょう。
半耐寒性の植物は突発的な温度低下に備えて、遅くともこのころまでには霜や寒風の当たらない場所へ移動しておきましょう。


2度というのは露が霜へ、雨が雪へと変わる温度です。
この温度になるまでに霜への対策を終えておきます。
鉢植えなどは霜の当たらない軒下などへ移動します。
地植えの場合、霜に弱い種類や若い枝葉を守りたい場合は防霜シートを設置しておきましょう。


【2度〜0度】 ・ほぼ確実に霜や雪に変わる ・突発的にマイナスになる可能性あり 寒冷地の場合、気温が2度を割ってくるとほぼ確実に露は霜、雨は雪へと変わります。
半耐寒性の植物や、耐寒性のある植物でも無対策では若い葉など寒さに慣れていない部分がしもやけを起こすことがあります。
霜よけだけはしっかりしておきましょう。
雪はこの温度ではあまり分厚く積もらないので意外と大丈夫です。


この温度だと風が強いことも多い頃になります。
風が吹くと余計に冷え込むため、若い苗などは防寒対策として薄い不織布などで覆っておくと良いでしょう。
軒下に移動した鉢なども壁際ギリギリなどに寄せておきましょう。


2度を下回ってくると霜の危険性が高くなります。
霜で芽や葉がやられてしまう場合があるので、この時点で植物の地上部にふんわりと不織布などをまいておきます。
ビニールなどをしっかりまいてしまうと蒸れてしまいますし、色が暗くて厚いシートなどは日光不足になりますので、 この時点では薄いシートで十分です。


冬、地上部を枯らして耐えるタイプはこの頃には地上部がなくなります。
あくまで地上部だけがなくなり根は生きているため、たまには水やりが必要になります。
耐寒性の強いタイプはこの温度でも水やりをして大丈夫です。


この温度になると突発的にマイナスまで落ち込むことがあるので、凍結対策が視野に入ってきます。
耐寒性のある植物はまだ大丈夫なので、それよりも園芸用に使っている屋外の水道への対策を忘れずにしましょう。
水抜き栓がある場合は忘れずに水を抜き、保温の電熱線がある場合は電源が入るか確認しておきます。


【0度〜−5度】

冬に入るといよいよ気温がマイナスになってきます。
水分が凍ってきますので凍結対策がメインになります。

CHECK! この頃の注意点

・凍結対策がメイン
・土が凍り始めることも
・この温度の期間が長いと耐寒性が強くなる
・耐寒性が強い植物は水やりしても大丈夫


【0度〜−2度】 ・霜柱が立つ ・根の浮き上がりに注意 これくらいの気温でしばらく慣らすと植物は耐寒性が増し始めます。
半耐寒性の植物は防寒対策をしたうえで、この温度で冬を越すと安全です。


この温度になると地面は霜柱が立つようになります。
根の浅い植物は浮き上がってしまうことがあるので、あらかじめ踏みしめておくか、バークチップなどで保温しつつ重石とします。


【−2度〜−5度】 ・地面が凍り始める ・根覆いで保温する 凍結の害が出てくる温度です。
温暖な平野部でも数年に一度くらいは突発的にこの温度になることがありますので注意しましょう。
山間や寒冷地では夜間常時マイナスとなり、連日続く温度になります。
夜間だけではなく朝や夕方もこれくらいまで冷えていますので、この温度に長時間連続して耐えられるようにします。


土や根が凍り始めるため、特に植木鉢の場合は根元・鉢そのものの防寒を行います。
昼間の気温もあまり高くありませんので、 昼間は可能な限り日当たりの良い場所に鉢を置いたり防霜シートの上部を開放したりして日光を確保、温度を上げておきます。
そのかわり、夕方取り込むのを忘れずに。


半耐寒性は防寒対策を施してもこの温度が限度となります。
これ以上冷える場合はこの温度でキープできる場所へ移動させます。
一方、耐寒性がある種類はこの気温にしばらく慣れさせます。


−3度辺りから、霜柱ではなく地面そのものが凍るようになります。
とくに山間の粘土質のような場所は土がカチコチになり、植物の根が傷みます。
野菜では根菜類が害を受け始める温度です。
根元に根覆いを施して温度低下を防ぎましょう。


【−5度〜−10度】

−5度より冷える場合、耐寒性のある植物のみ屋外で過ごせます。
半耐寒性の場合はこれ以前に室内へ退避しているかと思いますが、玄関や物置、屋外の温室などの場合、 油断すると気温低下が起きて枯れることがありますので置き場所に注意してください。

CHECK! この頃のポイント

・寒冷地の住宅地では当たり前の気温
・鉢植えの凍結に注意
・軽い防寒でここまで来られる
・水やりは昼間の暖かいうちに


【−5度〜−8度】 徐々に気温低下に慣らしてきた場合、耐寒性のある植物はこの温度ではほぼ枯れないのでそのままで大丈夫です。
冬場とはいえ生きていますので、たまには水やりが必要になります。
日の当たる午前中から昼間のうちに少量水を与えておきましょう。
ただし半耐寒性は水が凍って枯れることがあるので、水やりをしたら水が乾くまで室内の暖かい場所へ移動させます。


なお水道設備ですが、保温設備がある場合でも使用頻度の低い個所などでは凍ることがあります。
特に屋外の水道はこの時期にはあまり使わないので注意が必要です。
場合によっては保温シートを追加で巻き付ける必要が出てきます。


【−8度〜−10度】 鉢植えの屋外での冬越しの目安となる温度です。
初めての冬越しの場合は防寒対策をしてこの温度でキープできるようにするか、この温度でギブアップして退避させます。
一度冬越しを経験している植物の場合は鉢植えでもこの温度までは防寒シートなしで来られますが、 これ以上は傷む可能性があるので、根元・植木鉢の防寒を行いましょう。


耐寒性がある植物の場合は、薄い不織布や白の寒冷紗などのシート1枚で覆っておけばこれくらいまでは耐えられます。


しばらくこの温度で慣らすと、霜や低温そのものへの耐性はかなり高まっています。
ローズマリーやラバンディン系ラベンダーは低温に慣れてくればこの温度でも霜よけせずに霜に耐えられるようになります。
一度目の冬越しの場合は霜よけ対策が必須ですが、2度目以降の場合はこれくらいまでは無対策で来られることもあります。


かなりの低温のため、水やりで凍る心配が出てきます。
そんな時は雪を使うという手があります。
植木鉢の土に雪を盛って根元を覆ってしまいましょう。
冷たい外気を防いでくれる上、昼間は溶けて自然と土に水分を供給してくれます。


【−10度〜−16度】

本州の寒冷地では主戦場となる温度です。
この温度に耐えられれば大抵の場合は何とかなります。
なお、最低気温がこの温度になると、地方によっては最高気温もマイナスというところも出てきます。

CHECK! この温度への対策

・軒下でも防寒対策必須
・鉢植えはやや厳しくなってくる
・シート類は2重に
・できうる限り日光を確保する


【−10度〜−12度】 関東も場所によっては達する温度ですので、まずはこの温度で耐えられる状態で保てるようにします。
地植えの場合、耐寒性の強い植物であれば、一度目の冬でも寒さに慣れてくればここまでは薄い不織布一枚で耐えられます。
逆にこれ以上となると防寒対策をもう一段階上げる必要がありますので、シート類を二重にするなどしましょう。
鉢植えの場合は一年目ではここまで耐えられませんので、2年目以降になります。
その場合でも、鉢植えはできる限り軒下で日当たりを確保しつつ、冷たい風と霜を避ける必要があります。


防寒シートは薄い不織布や白の寒冷紗を2重以上にして使うと良いでしょう。
根元は腐葉土で根覆いをし、その上のバークチップなどで覆って飛散を防ぎます。
植木鉢は鉢の中身が凍りますので、しっかり保温に努めます。


最低気温がこの気温になってくると、最高気温もマイナスのことがあります。
昼間の気温が低くても日光さえ確保できれば何とかなります。
逆に、日光が出ない場合はビニールなどの簡易温室でも内部の温度が上がらず、厳しくなります。
この場合は透明なシートを用意して重ねましょう。
内部に日の入らない納屋などに植物を退避させている場合、凍って枯れてしまいますので屋内で日の当たる場所へ移動させます。


地植えの場合は水やりの必要はありませんが、鉢植えの場合は水やりが必要になります。
しかし、この気温では日中も温度が上がりにくく、うっかり水を与えると一発で鉢の中の土ごと凍ります。
昼間の日当たりと温度が上がった時間に少量の水を与えるか、たっぷり与えて水が乾くまで室内などへ移動させるかします。
冷害に強い植物であれば雪を根元にもって水分供給としても良いでしょう。


注意点として、軒下やその近くでは屋根からの落雪がある場合があります。
屋根の勾配や温度により雪の落ちる場所が毎回変わりますので注意してください。
ラベンダーは寒さには強いものの落雪に弱くすぐに枝折れします。
また、地面に積もった落雪が崩れて周辺の植木鉢をなぎ倒すこともあります。
屋根で一度溶けた雪が再度凍って氷の板となって落ちてくることもあります。
この直撃を受けると多くの植物が枝折れなどの被害をこうむりますので植木鉢の置き場所には十分注意しましょう。
場合によっては鉢も割れます。


【−12度〜−16度】 北関東の山沿いでは年に数度この温度に達します。
−10度が目安の地域でも寒気が入ったりすると突発的にこの温度に達しますので、基本的にはこの温度を目標として育てます。
だいたい−10度前後で長期間慣らせばこの温度には耐えられるようになります。
耐寒性があるとされる植物は大体この温度までとされます。


軒下の植物でも防寒シートで巻いたほうが無難な温度となります。
鉢植えでは連日この気温となると冬越し経験株でも耐えられないことが多くなりますので、−10度を目安に、それ以上下がる場合は退避させます。
地植えの場合、防寒シート(不織布など)でしっかり防寒しているとは思いますが、様子を見つつ、 より一層気温が下がりそうなときや、枝葉が弱っている場合は重ね掛けをするなどして守ります。
この気温でも昼間の日光さえ確保できる場所なら大体は何とか耐えてくれます。


なお、最低気温がこの気温帯で、最高気温もこの気温帯のままという場合はかなりの耐寒性のある植物でないと耐えられなくなってきます。
一日あるいは二日程度の短期間で気温が回復するならば、ローズマリーは防寒さえしていれば屋外の地植えで耐えられます。
耐寒性の目安として通常は−15度と表記されますが、−15度になる場所では大抵−16度まで頻繁に達しますので−16度目安で良いでしょう。


【−16度〜−20度】

本州でこの気温になる場所は限られてきますが、関東でも突発的にこの温度に低下することはあります。
耐寒性があるとされる植物は大体15度が目安(実際は−16度)となっていますので、
それ以上の寒さが長期間続く場合は注意が必要となります。

CHECK! この温度での対策

・一般的に耐寒性のある植物はこの温度が限界
・透明シートを活用して日差しを確保
・むしろ雪に埋めて防寒


【−16度〜−20度】 本州でこの温度となると山岳地帯や山奥、秘湯周辺などとなってきます。
ただし、それ以外の場所でも強い寒気が入ると突発的にこの温度まで低下することはまれにありますので一応注意はしておきましょう。
基本的には−15度までの対策で寒さに慣らしておき、耐寒性が高まっていることに賭けることになります。


一般的に耐寒性があるという植物も−15度が限界目安とされますので、それ以上気温が下がる場合は−15度までの範囲の場所へ移動させます。


鉢植えはそれ以前に移動させてあると思いますので、問題は地植えです。
耐寒性が高まる性質がある場合は防寒対策をしたうえで寒さに慣らせて賭けるしかありませんが、耐寒性がないものを植えてしまっている場合は、 さらに外側に支柱を立て、透明なシートで覆って簡易温室にします。日光は確実に確保してください。
内部に空気の層を持たせないと気温低下に耐えられないので、シート類は2重以上にします。
完全に塞いでしまうと内部が蒸れてしまいますので、風下側や日の当たる方向に通気口を確保します。


その他、根覆いなどの根元の防寒も厚めに施しておきます。
苗が小さい場合は気温が下がる季節が来る前に一度掘り上げて大きめの植木鉢へ戻すという方法もあります(鉢上げ)。


豪雪地帯の場合はいっそのこと雪に埋もれてしまえば意外と大丈夫です。
ただ、枝が脆い性質のものは雪の重みで枝折れが起きることがあります。



【−20度〜】

ここまでの温度となると寒冷地というよりも高原気候や亜寒帯、もしくは北海道に入ってきます。
ただし関東の山間でも突発的な強い寒気でこの温度に達したことは幾度かありますので油断はできません。

CHECK! この温度に耐えられる植物

・イングリッシュ系ラベンダー
・ベリー系(ブラックベリー以外)
・雑草系
・雪に埋めて耐えられるもの


※このサイトの情報は北関東の山間での経験をもとにしています(突発的な気温低下で−21度)。
山岳・高原地帯や北海道、日照が確保できない地方での対処方法は恐れ入りますが別サイト等を検索して情報収集をお願いいたします。


【−20度〜】
この温度になってくると、最高気温もマイナス以下という場合が増えてくるため、 防寒対策をして耐えられる品種イコール無対策でもこの温度に耐えられる品種になってきます。
それ以外は防寒対策をしても厳しくなってきます。
下手に防寒対策をすると、シート類が地吹雪で吹き飛びます。


防寒対策をして−15度以上の寒さを経験しているのであれば、稀にこの温度に達する程度であれば乗り切れます。
ただし連日この気温だと厳しいです。


ハーブの中ではイングリッシュ系ラベンダーが強耐寒性の種類として代表的です。
北海道で品種改良されたものもあります。
ただし、夏の暑さに弱いのでその点は注意が必要です。


それ以外ではアルケミラ、サラダバーネット、ワイルドストロベリー辺りが候補に挙がってきます。
ヤロウは地上部が乏しくなりますが、雪に埋もれてしまえば耐えられます。


地上部がなくなる種類に関しては、雪で覆ってしまって一定の温度で保たれれば何とか春に芽吹いてきます。
根覆いをして雪をかぶせましょう。
粘土で土が凍り付いたままだと危険です。
日照がある場合、黒マルチ・黒寒冷紗で地温を上げるという方法も考えられます。


ベリー類は寒さに強く、大抵の場合は湿った土地や酸性土壌でも大丈夫です。
コケモモ・ツルコケモモ(クランベリー)は氷漬けになっても大丈夫です。
ただしブラックベリーなどの桑系統(マルベリー系)は寒さに弱いので、キイチゴ系統(ラズベリー系)と混同しないように注意が必要です。


それ以外では、雑草や野生化した植物の近縁種が比較的強い耐寒性を持っていますが、栽培したいと思うかどうか微妙なところと思われます。


ここまで来ると温度そのものよりも冷たく強い風の方が問題になってきます。
雪が降る地方であれば雪に埋めてしまいましょう。
生半可な防風シートでは横殴りの強風に太刀打ちできません。
薄手のシートでは破れることもありますし、厚手のシートでは支柱ごと飛んでいく危険性もありますので、雪に埋めたほうが安全です。



【参考】耐寒性の目安

【非耐寒性】

非耐寒性のハーブは気温が10度を下回ると勢いがなくなり、5度辺りでしおれたり枯れたりします。
霜や冷たい風に非常に弱く、気温がマイナスになるような場所ではほぼ耐えられません。


非耐寒性のハーブはあまり多くないものの、バジルやレモングラスといった人気のハーブが該当しますので要注意です。
最近は熱帯や南米原産のハーブも出回っているため、寒さに弱いハーブの種類も増えてきました。
バジルは一年草扱いですが、多年生のハーブの場合は鉢植えなどにし、秋以降は室内へ取り込んだ方が無難です。


【半耐寒性】

半耐寒性のハーブは−5度前後が限界とされることが多いです。
霜や冷たい風に非常に弱く、秋の終わりの最初の寒風や初霜でやられることが多いため、まずはこれを防ぐことが肝心です。
それさえ防ぎ、あとは−5度前後の温度でキープ、水やり後の凍結さえさせなければ冬を越せる可能性が高まります。


半耐寒性のハーブとしては、パイナップルセージやフルーツセージなど、香りのよい観賞用セージが代表的です。
大型になるため地植えの場合が多く、花が終わったら切り戻し、秋の終わりの霜と寒風に備えて防霜シートをかけておくと良いでしょう。
多年草のマリーゴールドは気温がマイナスになるとかなり弱うえ、低温での水やりで凍死することが多いので注意が必要です。


【耐寒性】

ローズマリーやラベンダー(イングリッシュ系およびラバンディン系)、タイムといった人気のハーブの大半は耐寒性が高いタイプです。
購入したばかりの若い苗を除けば、比較的安全に冬を過ごせます。 −10度以上の寒さに余裕で耐えられる種類と考えて良いでしょう。


若い芽は寒さに慣れていないため、これらを守るために秋の終わりの初霜と寒風だけは防御します。
冬越しを経験していない若い苗の場合は、防寒シートなどで守りつつ冬越しします。
一度冬越しを経験すれば−15度以上でも余裕で耐えられるようになります。
イングリッシュ系ラベンダーやワイルドストロベリーなどはほぼ無対策でも大丈夫です。

【関連記事】:耐寒性の強いローズマリーの種類


【中断の目安】

種をまいて1年目などの小さい苗や温室育ちの苗は、さすがにマイナス10度になると防寒していても枯れる危険性が高まります。
1年目は無理をせず鉢植えのままマイナス5〜10度前後で慣らし、それ以上寒い場合は屋内の涼しい場所へ退避させます。
この時に暖かい場所へ置いてしまうとせっかく増した耐寒性がなくなってしまいますので注意しましょう。
極端な寒気が去ったら再び屋外へ戻します。


春、暖かくなって冬越しを終える時期ですが、2月後半になると最低温度が上向いてきます。
ローズマリーなどは新芽の動くのが早いため日照を遮っていると徒長の恐れがありますので、シートを薄いものと取り換えましょう。
3月に入ったら防寒対策は軽いものにしてよいでしょう。
一冬越せば耐寒性は高まっているので、この後に温度低下があっても大抵は耐えられます。
ただし、春になってから伸びてきた新芽は霜にあたると焼けてしまいますので、心配ならば防霜シートだけは残しておきましょう。


暖かくなったからと新しい苗を植えた場合、5月上旬までは遅霜の可能性があるため、 この時期に植え付けたものに関しては新しく防霜シートを設置します。



【まとめ】

CHECK! 目安となる温度と注意点

・秋の終わりの最初の寒風に注意
・大まかには5度ごと、細かくは2度3度ごと
・まずは最低気温5度から
・2度辺りから霜に注意
・−2度〜8度、慣れたら−10くらいで慣らすと安全
・−16度くらいを目標
・突発的な寒気と気温低下だけは要注意
・春先に温度が上がってからの霜には油断禁物



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