ここでは元々の耐寒性が強い品種を挙げていますが、耐寒性はある程度上げることもできます。
ここでは耐寒性の強い種類と、耐寒性のあげ方について紹介していきます。

耐寒性の強いローズマリーの種類とその温度
ローズマリーの耐寒性はおおよそ−5度〜−10度とされ、耐寒性の弱いローズマリーは−5度前後までとされることが多いようです。
しかし、実際に育ててみたところ、−15度以上を越せる種類もいくつかあり、全体的には一般に言われているより耐寒性は強いです。
【耐寒性】耐寒性の強い品種
・強耐寒性(〜−20度)
・強耐寒性(−15〜−20度)
・耐寒性(−10〜−15度)
・耐寒性(−5〜−10度)
【注意】
このサイトの情報は管理人の経験をもとにしています(厳冬期の最低気温が例年−11〜−16度前後、過去に一度だけ−21度を記録)。
このページの内容も北関東の山間での情報となり、山岳地帯や北海道ではかなりの工夫が必要な場合もありますので、
他のサイト等の情報も併せてお調べください。
【耐寒性】耐寒性の強い品種と目安の気温
まずは最も耐寒性が高いとされるローズマリーの種類について情報を集めてみました。
【強耐寒性(−20度〜)】
国内で−20度越えという場所は限られてきますが、比較的寒さの緩い地方でも突発的な寒気で−20度越えになることはあります。
−15度に達する場所では念のため、それ以上の寒さ(突発的に−20度越え)も頭に入れておいたほうが良いでしょう。
【アープ(−20〜−23度)】

【選出のポイント】
・最高レベルの耐寒性
・基本的に頑丈
・香りも良い
【評価】
アープは強耐寒性の種類として知られている品種。
ローズマリーの中では最も耐寒性が強いと言われており、うまく育てられれば−20度以上の寒さに耐えられる。
アメリカの記事では−23度に耐え、−25度で枯れたというものがある。
ただし、苗を入手した直後ではこの寒さに耐えられないため、後述の耐寒性を上げる方法を試してからになる。
寒冷地でなければ初めての冬に屋外へ出しても乗り越えられそうな様子。
また、ローズマリーは他の品種にもそこそこの耐寒性を持つ種類もあり、多少涼しい程度の地域であればアープ以外も候補に挙がる。
アープに次ぐ強耐寒性の品種としてはアルカルデとマデリンヒル(ヒルハーディ)という種類があるが、 日本では流通していない模様。
【注意点】
アープが枯れたという話を時折聞きますが、いくらアープでも入手してすぐは弱いです。
アープに限らず、大抵の苗はビニールハウスなど温かい場所で管理されながら育っているため、購入時点では耐寒性はないと思ってください。
そのまま地植えしても寒冷地ではまず冬を越せません。
特に秋に苗を買ってすぐの冬は乗り越える確率は低いです。
最初のシーズンは寒さに慣らす育て方をし、耐寒性を発揮するのは翌年以降となります。
アープを寒さに慣らす方法は関連記事をご覧ください。
【関連記事】:ローズマリー・アープの詳細
【関連記事】:寒冷地での育て方《目次》
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【強耐寒性(−15〜−20度)】
ローズマリーの中でもかなり耐寒性の強い品種となります。
こちらも苗の入手時点ではまだ弱いですが、最初の冬に寒さに慣らしておけば、
2回目の冬以降から耐寒性を発揮するようになります。
考え方としては、連日−15度前後に冷え込み、たまに−20度近くまで冷え込むことがある場所で耐えられる種類とします。
事故に備えてアープが安全ですが、アープまで行かなくても耐えられそうな品種はあります。
以下、実際に寒冷地で育てた3種類を挙げておきます。
栽培場所は大体年間の最低気温が−15〜−18度くらい(暖冬の時は−11〜−16度くらい)で、過去に1回−21度を記録していますが、
−21度の時点ではまだ手元にローズマリーがなかったため、その温度での記録はありません。
なお試した防寒対策は、ローズマリーの周囲に円形支柱を立て、それを包むように不織布シートを1枚かけた (天気予報で強烈な寒気が入ると出た場合はもう1枚重ねる)ものです。
【オフィシナリス(在来種/品種名なし)】

【選出のポイント】
・もっとも頑丈
・害は局所的で済む
・回復が早い
【評価】
ローズマリーの原種に近い種類、もしくは基本種同士での交雑種。
元々頑丈だが寒さにも強く、一度冬越しを経験すれば翌年からは同程度の寒さならば防寒対策すら必要なくなる。
ある程度育っている株ならば、連日−15度前後に冷え込む場所でも薄い不織布1枚で耐えられる。
実際に手元の株では、北関東の山間で庭に地植えし、冬を越している。
厳冬期には夜間気温が−9〜−14度くらいで、1カ月の間に数回−16度に達する場所での冬越しを経験。
植えた場所は屋外(軒下)で、防寒対策は薄い不織布1枚のみ。
不織布に触れている枝先と、霜や隙間風に直接触れる場所の若い新芽のみが厳冬期に枯れただけで、春には元通りになった。
鉢植えでは、同じ場所で夜間気温が−5〜−10度くらいまで無対策で過ごし、厳冬期のみ北関東の平野部へ移動。
移動した時点ですでに耐寒性が高まっているため、以降は無対策で越冬、霜でも葉が焼けなくなった。
※現在の場所(北関東平野部)では平均的に厳冬期の最低気温は−2〜−4度が数回程度だが、昨年は−6度が数回、
−10度ほどのこともあったが無対策で無事に越冬。
※オフィシナリスはローズマリーの基本種で、品種名があるものは Rosemary officinalis + 品種名となる。
通常、オフィシナリスとして販売されているのは特に品種名がつけられていないタイプとなるが、
品種名がつけられていないものはたくさんあるため、オフィシナリスだからといって同じタイプとは限らないので注意。
ただ、やはり基本種だけあってどれも強い。
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【マリンブルー】

【選出のポイント】
・とにかく頑丈
・非常に育てやすい
・適応力が高い
【評価】
ローズマリーの中ではごく標準的な品種だが、実は耐寒性もかなり強い種類。
暑さ寒さなど、環境への適応力も高いため、慣らせば相当な寒さでも耐えてくれる。
こちらも後述の方法で耐寒性を上げておけば、−15度くらいまでは余裕で耐えられるようになる。
実際に手元の株では、北関東の山間で鉢植えにし、防寒対策なしで−12度前後までで慣らし、それ以上の寒さで平野部へ移動。
以降は雪も霜も無対策で乗り越えられるようになった。
冷気で多少葉の色が薄くなったり赤みを帯びるが、春になれば戻る。
また、寒い環境で育てると冬以降は葉の香りもなくなるが、初夏には戻る。
厳しい環境で育てると葉自体が少なくなり、葉の香りもなくなるものの、翌春の花の数は増えるので、
花を観賞するのであれば敢えて寒い環境で育てるのもあり。
ただし料理用にするにはそれだと困る(夏以降にならないと戻らない)ので、暖かい場所で育てたほうが良い。
余談だが、強い寒気に慣れた株から秋に挿し芽を取ると、正月くらいから(暖冬の場合)挿し芽が開花することがある。
【関連記事】:ローズマリー・マリンブルーの詳細
【ミスジェサップ】

【選出のポイント】
・耐寒性が強い
・立性の中では適正サイズ
・暖冬ならば冬に咲くこともある
【評価】
イギリスで作出された、オーソドックスな品種。
華奢な見た目に反して耐寒性はローズマリーの中でもかなり高い種類として知られている。
こちらも後述の方法で耐寒性を上げておけば、−15度くらいまでは余裕で耐えられるようになる。
実際に手元の株では、北関東の山間で鉢植えにし、防寒対策なしで−10度前後までで慣らした。
時折−15度近くになったが、それまでに寒さに慣れていたため、春までその場で無対策で乗り切れた。
軽い霜なら耐えられ、雪が積もっても大丈夫(重みで枝が折れることはある)。
春と秋が花のシーズンだが、四季咲き傾向にあり、冬も気温があまり下がらなければ咲くことがある。
通常でも2月ごろにはすでに春の花芽があるので、初春に花を咲かせたい場合は剪定に注意が必要。
【関連記事】:ローズマリー・ミスジェサップの詳細
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以上が手持ちのローズマリーの中で実際に−15度以上に耐えたことがある種類となります。
とはいえ一年目の苗の場合は無理せず、不織布などを使用したうえで−10〜−12度前後までで慣らしたほうが良いです。
防寒対策できるならば一年目で−15度以上(年間で数回達する程度なら)も耐えられます。
ただし、無対策で−15度以上にチャレンジするのは2年目以降にしておいたほうが無難です。
【耐寒性(−10〜−15度)】
こちらもローズマリーの中ではかなり耐寒性が高いと言える種類となります。
基本的には上で挙げた3種類になりますが、さらにいくつかの品種を加えることができます。
考え方としては、連日−10度前後に冷え込み、たまに−15度くらいまで冷え込むことがある場所で耐えられる種類とします。
【セブアンシスブルー(セヴァンシー)】

ローズマリーの中では比較的耐寒性が高い種類とされている。
ロゼアほどではないがやや明るめの緑の葉のタイプ。
手持ちの株では寒冷地の経験はないものの、
昨年、現在の場所(北関東平野部)で突発的に−6〜−8度前後に数回冷え込み、
無対策で耐えている(ただし日が当たり庭の中では暖かめの場所)。
防寒対策さえすればもっと寒くても余裕で耐えられる模様。
【追記】2023.1
本来のセバンシーを入手できたので、記述変更。
2023年1月の大寒波に屋外(ベランダ)にて越冬。今のところ葉の色が変わるなどの変化はない。
【ベネンデンブルー】

ローズマリーの中では耐寒性が高い種類とされている。
花の色は淡く多花性で、とても細い葉が特徴の品種。ちなみに花も細い。
複数の種類がベネンデンブルー名称で販売されている(青花はウッドパープルもしくはコルシカン、中間色はパイン)ので注意。
手持ちの株では寒冷地の経験はないものの、現在の場所(北関東平野部)で突発的に−10度近くに数回冷え込み、 無対策で耐えている。
ベネンデンブルーの名前で流通している種類は4種類確認できたが、その中で耐寒性が高いのは現行品種、次がウッドパープル
(コリンウッドイングラム)。
コルシカンは並みで、パインは寒さに当たると株全体が黒くなり、耐寒性も低く弱るので注意。
【関連記事】:ローズマリー・ベネンデンブルーの詳細
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【ファーンオークスハーディー(ファーノハーディー)】
ローズマリーの中では耐寒性が高い種類とされている。
葉はやや小さめ。
そもそも名前のハーディーは耐寒性が強いという意味で、
他にはアルカルデ・コールドハーディーやマデリンヒル(ヒルハーディー)などがある。
流通が少ないものの、ハーディーとつく種類の中では唯一国内でも手に入る。
【追記】2023.1月
手持ちの株は寒冷地の経験がないが、北関東平野部で鉢植えのまま冬越し、現時点での最低気温は−6〜−8度が数回。
初シーズンは下の方の葉に赤黒くなったものが混じり、2シーズン目は赤黒くならず、うっすらと赤黒っぽくなった葉が全体にまばらに出た。
【シシングハースト】

こちらもミスジェサップと同じく、イギリスで作出されたオーソドックスな品種で、ローズマリーの中では耐寒性が高い種類とされている。
葉はやや細めで花の色も上品なので、性質的にもほぼミスジェサップやベネンデンブルー(現行種)のような感じか。
花に関しては英国系品種の中では大きめ。
【ホワイト(アルバ)】
白い花のローズマリーは数種類あるが、国内では白い花はすべてホワイト(アルバ)として販売されているため、詳細な品種名は不明。
耐寒性が高いとされるが、どの品種か特定できないのが現状。
管理人が購入したものは白花ローズマリーとして販売されていたものだが、特徴からしてAlba thin Leaf(細葉の白花)であるらしい。
【セイラム(セイレム)】

ホームセンターの園芸コーナーでも頻繁に見かける品種。大型になるとされるが、マリンブルーなどよりははるかにおとなしい。
耐寒性は他よりあるが寒さ自体には敏感で、秋口に気温が下がると全体的に葉が明るい赤みを帯びる。
鍛えればそこそこ寒い地方でも行けるらしく、耐寒性の高い品種としてしばしば名前が挙げられる。
【関連記事】:ローズマリー・セイラム(セイレム)の詳細
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【耐寒性(−5〜−10度)】
大半のローズマリーは−5度から−10度までの耐寒性とされています。
ここではその中から、寒さに慣らせれば−10度で枯れずに済みそうな種類を挙げていきます。
北関東の平野部であれば無対策で耐えられる前提(年に数回−6度から−10度に達する)で考えてみます。
【トスカナブルー】

【選出のポイント】
・手に入れやすい
・人気品種
・意外と頑丈
【評価】
ローズマリーの中では耐寒性が低め(−5度が限度)とされるものの、数度、−10度近い冷え込みを無対策で乗り切ったので候補に。
さらに、トスカナブルー、もしくはトスカナブルーをベースとした交雑種らしき苗が寒冷地の山で屋外で冬越ししたので、
実際の耐寒性は意外と強いと推定される。
かなり冷え込んだとしても、日中は十分日が当たって温度も上がる場所に置いておけば問題はないようだ。
ローズマリーのうちイタリア系品種は寒さに弱いとされるが、そもそもトスカーナ地方が山間・丘陵地帯のため、冬場はかなり寒い所もある。
【追記】2024年
以前、在来種扱いしていた苗がトスカナブルーの可能性が高まったため記述変更。
時折−15度に達する山間で、午前中は日が当たる場所、なおかつ家の壁際の軒下(霜と風が当たらない)という条件で屋外冬越しした。
防寒対策は不織布一枚巻き付けただけで、新芽が少し焼けたものの、無事に春まで過ごした。
【関連記事】:ローズマリー・トスカナブルーの詳細
【モーツァルトブルー】

【選出のポイント】
・手に入れやすい
・人気品種
・意外と頑丈
【評価】
ローズマリーの中では耐寒性が低め(−5度が限度)とされるものの、数度、−10度近い冷え込みを無対策で乗り切ったので候補に。
ただし、年間で数度冷え込んだというだけで、連日の−10度ではない。
なお、軽度の寒さに3年近く慣らした鉢植えでの観測。
かなり冷え込んだとしても、日中は十分日が当たって温度も上がる場所に置いておけば問題はないようだ。
ただし、日中も涼しいような場所だと、初冬の時点で葉の色が悪くなってくる。
【追記】2023年
暖かい所からやや涼しい所に移した年の冬(2022年最低気温−6〜−7度前後が数回)は、大寒の前後には葉の色が病気のような色に悪化したが、
2シーズン目には大寒の前後(2023年1月寒波−6〜−8度前後が数日)に下の方の葉に赤黒い葉が現れたものの、
新芽及び上の方の葉は力強いグリーンのままで済んだ。
【関連記事】:ローズマリー・モーツァルトブルーの詳細
【マジョルカピンク】

【選出のポイント】
・ピンク系の代表
・人気品種
【評価】
ローズマリーの中では耐寒性が低め(−5度が限度)とされるものの、園芸農家から北関東の山間
(ただし山奥ではない)でも問題なく育つという情報を入手。
北関東平野部の地植えでは、寒気に慣らせば2シーズン目には無対策で−8度くらいまでは問題なし。
【関連記事】:ローズマリー・マジョルカピンクの詳細
参考までに、上記の種類の他で、管理人の現在の場所(通常は最低気温が−2〜−4度程度のはずが、一冬で突発的に数回−6〜−10度に達した)で
無対策で冬を越せた種類を挙げておきます。
・ウッドパープル(コリンウッドイングラム)
・ダンシングウォーター(※若い新芽のみ霜焼けあり)
・プロストラータス
・(推定)レックス(※初シーズンは葉が黒く変色)
・ブルーボーイ(※暖冬だと冬にもつぼみがつく)
・ロゼア
・スプレ&アップライト
・コルシカン
・ヒスティルペリゴード(※初シーズンはやや葉焼けを起こした)
※以上、全て鉢植え
このうち、プロストラータス、ダンシングウォーター、トスカナブルー、ブルーボーイはローズマリーの中では耐寒性が低いとされる品種ですが、
−5度以上の寒さに耐えていますので、防寒対策をするならばもう少し寒くても大丈夫でしょう。
逆にダメージを受けた(=−5度を下回ると危険)のはブルーラグーンで、同じ品種とされるフォタブルーも気を付けたほうが良さそう。
【追記】2023.1月
気温的には上記と同じ(−6〜−8度を数回)の地域で、屋外でも日の当たるベランダという条件で乗り切れたものは、
ディープブルー・コリンガムイングラム・サンタバーバラ・ドワーフブルー・パッション。
【追記】2024.5月
その後、暖冬かつ屋外でも日の当たるベランダという条件で乗り切れたものは、
ウィルマスゴールド。
昨年もう少し寒い場所でダメージを受けたブルーラグーンは、今回はノーダメージで越冬。
また、鉢植えで冬越ししましたが、基本的には地植えのほうが枯れにくくなります。
長時間0度に耐えられるならば、雪に埋めてしまうという方法もありますので、強い霜に当てて霜焼けするなら雪のほうがマシです。
【参考】耐寒性のあげ方
【耐寒性のあげ方】
ローズマリーは元々ある程度の耐寒性は持ち合わせているため、寒さに慣らすことで耐寒性を発揮するようになります。
秋に気温が下がり始めるのと同時に慣らしていき、最初の寒風と初霜さえ乗り切れれば何とかなるでしょう。
・ひとまず最初の寒風と初霜を乗り切る
・薄い不織布や白の寒冷紗など軽めの防寒対策をする
・上記の状態で慣らす
・強烈な寒気の時や厳冬期だけシート類を二重にする
耐寒性のあげ方については詳しいページを用意しておりますのでご参照ください。
【関連記事】耐寒性そのものを上げる
なお大前提として、耐寒性のポテンシャルを秘めた品種で、なおかつある程度育った苗という前提になります。
秋まで農場のビニールハウスなどで柔らかく育った苗ですと、秋に植え付けて最初の冬を越すのは難しいです。
入手したての若い苗の場合は鉢植えで室内の涼しい場所で一冬過ごし、翌年の冬にチャレンジする方が良いでしょう。
すでに大きく木質化した鉢を購入した場合は、軒下などの暖かい屋外で慣らし、翌年の冬にチャレンジとなります。
【冬越しの仕方】
ローズマリーは寒さに慣れれば耐寒性を発揮してきます。
冬越しすることでさらに耐寒性を獲得してくれるので、一冬越せば翌年以降はよほどのことがない限り心配はいらなくなります。
まず、年によりますが10月の終盤辺りから気温が10度を下回るようになります。
天気予報で最低温度が1桁の予報が出たら、鉢植えに関しては軒下の壁際など、日があたって風と霜を避けられる場所へ移動します。
地植えの場合はある程度大きく育っているため、予報で最低気温が5度近くに下がったらごく薄く柔らかいシート(不織布や白の寒冷紗)
を用意し、株全体をふんわりと覆うようにします。
できれば支柱を周囲に立て、そこに留め付けると良いでしょう。
10月の終わりから11月の間に、突発的にその年の最初の寒風と初霜が来ます(北関東山あいの場合)。
上記の作業が間に合えば初霜と風は避けられますので、乗り切ったらそのままの状態で気温の低下に慣れさせます。
気温が徐々に低下するとローズマリーも徐々に耐寒性を強めていきます。
突発的な気温低下の予報が出た時のみ、シート類を二重にするなどして対処しますが、それ以外ではそのままの状態で過ごします。
ただし、鉢植えの場合は水やりの必要があるため、晴れの日中に水を与えます。
ローズマリーの場合は−5度くらいまでは水やりをして大丈夫です。
鉢植えと地植えでは鉢植えのほうが耐えられる寒さが弱く、−10度を目安に室内の涼しい場所へ取り込むか、
地上部をシート類で守ることに加え、植木鉢自体も防寒をして日の当たる壁際などへ移動します。
より詳しくは寒冷地での育て方に関するページを参照してください。
【関連記事】:寒冷地での育て方《目次》
【北海道で育つか? 】
当サイトが寒冷地での育て方を謳っているためか、ローズマリーが北海道で育つかどうかで検索してくる方が時折いらっしゃいます。
当サイトは北関東の山間での経験をもとにしているため、北海道に対応できるかどうかは未知数ですが、一応考えてみます。
・場所や気象条件による
・数年かかるかも
・ラベンダーやタイムの方が安心
・北関東や首都圏周辺でも油断は禁物
・目安はラバンディン系ラベンダーが育つか
・耐寒性ゾーンというものも目安になる
絶対条件として、耐寒性の強い品種を、さらに耐寒性を高める育て方で管理しておく必要があります。
【関連記事】:寒冷地での育て方《目次》
ローズマリーが北海道で育つかどうか検索をかけてみましたが、そのほとんどが植木鉢に鉢上げして室内で過ごすというものでした。
このサイトでは、あえて【屋外で】育つかどうかを考えてみます。
・アープ
・マリンブルー
・ミスジェサップ
・ファーンオークスハーディー
ローズマリーが北海道(屋外)で耐えられるかという問題ですが、場所による(※後述)としか言いようがありません。
防寒対策をしようにも、横殴りの地吹雪になるような場所では防寒用具自体が飛んで行ってしまうため、屋外は難しいと思われます。
風が避けられない場所の場合は植木鉢に植えて温室に入れるか、冬季は室内(日差しが絶対条件)に取り込んだ方が無難です。
なお、鉢植えで屋外は絶望的かと思われます(水やりが問題となるため、地植え一択)。
地植えの場合は水やりの問題が解消されるため水切れの心配はないのですが、土壌が常時湿っている状況はローズマリーは苦手です。
積もった雪から常時水分が補給されるような環境はローズマリーには厳しいです。
土壌も、特に粒子の細かい粘土質は苦手のため、暖かい季節のうちに大量の川砂や細かな軽石、
また腐葉土などの繊維質を混ぜて通気性の良い土にしておく必要があります。
酸性湿地や泥炭地などは苦手ですので、土を中和、砂を多めに改良しておきましょう。
ローズマリーが屋外で育つかどうかの目安の一つとして、ラバンディン系のラベンダーに注目すると良さそうです。
ラベンダーとローズマリーは似たような土壌を好むため、ラベンダーが育つ土壌であれば基本的にローズマリーも育ちます。
ラベンダーのうち、ラバンディン系ラベンダーは交配系の大型で頑丈なラベンダーですが、
オカムラサキを代表するイングリッシュ系ラベンダーよりも耐寒性に劣ります。
古くから国内で育てられている無名のラバンディン系ラベンダーが屋外ではおおよそ−12度前後までとなります。
土壌(排水性含む)をクリアしているならば残りは気温の問題で、ラバンディン系ラベンダーが耐えられる温度であれば、
ローズマリーのなかでもマリンブルーやミスジェサップあたりは耐えられる可能性が高くなります。
北海道はイングリッシュ系ラベンダーの一大産地のため、なかなかラバンディン系ラベンダーは見かけないかもしれませんが、 もし極端に大型のラベンダーが育っていれば、ラバンディン系ラベンダーの可能性が高いですので目安にすると良いでしょう。
・屋外の場合は地植え一択
・土壌改良もほぼ必須
・水はけと通気性の良い土にする
・酸性は苦手なので中性からややアルカリ寄りにする
・とにかく最大限の日照を確保する
低温自体にはある程度耐性がある(慣らせば)ため、雪に埋めてしまえば多少は耐えられるかとは思いますが、
長時間−20度以上や最高気温が連日マイナスとなってくると難しいでしょう。
気温自体は低くても、昼間の間に十分直射日光が当たるのであれば意外と耐えてくれます。
雪に関しては、数十センチ程度の雪であれば問題ありません。
むしろ冷たい風と強い霜の直撃のほうが枯れる可能性は高くなります。
アメリカの例で、屋外の地植えでアープが−23度に耐えた記事はありましたが(−25度で枯死)、
これも雪に埋もれて風よけ&霜よけ、なおかつ先端部は日があたっているという条件です。
ただし、あまりの雪ですと重みでローズマリー自体が折れる可能性がありますので、要注意です。
ただ、人の多い都市部ですとここまでの低温はあまりなさそうですので、アープか、寒さにうまく慣らしたマリンブルー、ミスジェサップ、
在来種あたりが候補に上がってくるかと思います。
これらは耐寒性を上げておけば−15度前後は耐えられますが、気温以外の条件もありますので確実ではありません。
とりあえず昼間の日照だけは確保しておきたいところです。
暴風がない場所であれば防寒対策もとれますのである程度の寒さには耐えられますが、豪雪だとローズマリーが雪の重みや落雪(氷)
で折れてしまいます。
耐寒性を上げるには、元々耐寒性の強い品種を数年かけて徐々に寒さに慣らしていく必要がありますので、
苗を購入してから−15度を耐えられるようになるには3年近くかかるかもしれません。
手っ取り早くいくのは、すでに耐寒性を獲得している株から挿し芽を取り、涼しい場所で育てるのが早いです。
参考になるかわかりませんが(北海道ではないがそこそこ寒冷地)、地植えで越冬したのは以下の環境です。
最低気温が一月の半ばあたりから−10度を超える日が出てくるようになり、
年に数回、−15度を超えていく環境です。
この時期は毎日強い霜が降り、時雨れる(降るというほどではないものの一日中雪が舞う)気候です。
雪が本格的に降る時は一回で20〜40センチほど降りますが年に数回です(ただし溶けない)。
植えた品種は在来種もしくは雑種(特徴はややトスカナブルー寄り)で、早朝から午前中は十分日が当たり、
家の軒下の壁ぎわで風と霜、雪が避けられる場所を確保しました。
涼しめの地方で数年育てた苗で、元々多少の耐寒性は確保していた苗になります。
土壌が酸性寄りの湿った粘土質のため、事前に川砂・山砂・軽石細粒・植物灰などで土壌改良を数回繰り返しました。
冬には苗の周囲に園芸用の支柱を立て、不織布を巻き付けて防寒対策としました。
寒気が入るという天気予報が出たら不織布を二重にします。
これで一冬越せましたので、−15度前後までで好条件を確保できるのであれば屋外での越冬は可能と考えます。
※不織布に触れている外側の枝や葉は霜焼けを起こしました。
※金網や数種類のシート、園芸用ヒーターなどの重装備が確保できるのであれば条件が変わると思います。
雪に関しては自然に積もっていく分には問題ないのですが、上からの落雪に当たると枝が折れてしまいます。
軒先や、他の木からの落雪には注意が必要となります。
低温には強いので数日雪に埋もれるくらいは大丈夫ですが、一冬ずっと埋もれたままですと日照が不足する可能性があります。
目安として数十センチくらいまでの雪は大丈夫です(ただしそこそこ枝が折れます)。
数メートルに埋もれたままは経験がないのでわかりかねます。風や霜が当たらなくなるのは利点ですが日照に不安があります。
北関東周辺で北海道並みの寒さというと、浅間・草津の各火山ルート周辺、菅平(長野県)などの周辺が−20度以上になる場所ですが、 今のところこの周辺でローズマリーを見た覚えがありません(庭のある人家自体が稀ですが……)。
【耐寒性ゾーンというものがある】
耐寒性ゾーンというものがあることがわかりましたので追記します。
耐寒性ゾーンマップは最低気温を目安として寒さを段階別に分け、地図にあてはめたものです。
数字が小さいほうが寒く、同じ数字で更にa・bに分かれます。
一方、植物にも耐寒性ゾーンの区別があり、例えば耐寒性ゾーンが7bであれば最低気温が-12.2度〜-15.0度までとなり、
ゾーンマップでも7bの地域であれば生存の可能性がある、と判断できます。
寒冷地は大体−15度が目安になりますので、7bおよび7bより数値の小さい場所が寒冷地と判定されます。
管理人の山の自宅が7bで、日本の耐寒性ゾーンマップを見ると、北海道においては札幌及び小樽周辺が7b、室蘭が8a前後になります。
マリンブルーなどの寒さに強く頑丈な品種を寒冷地仕様で育てればおおよそ7a(−17.8度)くらいまでは耐えられるでしょう。
ローズマリーも品種と場所の組み合わせによっては屋外で育つと判断して良さそうです。
海外の記録でローズマリーではアープという品種が屋外で23度まで生存、25度で枯死との記述があります。
耐寒性ゾーンでいうと6aまでは生存、5bで枯死ということになります。
推定ですが、アープの耐寒性ゾーン区分は6a、一般的なローズマリーが9a〜8a前後と思われます。
外国では2〜5のエリアでローズマリーが越冬できるかどうかの質問掲示板でのやり取りがありますが、やはり厳しいようです。
そちらではマデリンヒルとアルカルデが挙げられておりましたが日本では流通しておらず、アープが一番耐寒性の強い品種となります。
その他、ファーンオークスハーディーとセイレムも名前が候補として挙げられていましたが、やはりアープよりは劣るらしく、
もしかしたらという希望的観測のようです。
管理人の山の自宅が7bと記述しましたが、突発的な寒気の時は−20度を超えることがあり、瞬間的に6aゾーンになることがあります。
ローズマリーを育てるようになってから−20度越えは記録していませんが、−16〜−18度越えは何度かあります。
この状況で冬越しした品種もありますので、北海道でも6b〜7bまでの範囲であれば、品種を選び、
うまく育てたローズマリーなら屋外の冬越しも視野に入るようです。
アープ以外ではマリンブルーやミスジェサップ辺り(推定7a/北海道では登別が7a)が候補になります。
検索をかけてみたところ、東川町というところにローズマリーの露地栽培をしている農園があるようですので、
気候的に似ているような場所なら育つ可能性はあります。
なお、海外のサイトではなんとか5ゾーンでローズマリーを育てられないかと候補に挙がっていたのがローズコーン(RoseCone)
と呼ばれる園芸用具です。
植木鉢を逆さにしたような形、もしくは円錐形のもので、元々はバラの越冬用に開発されたもののようです(※バラは−25度、5b前後まで)。
これは、円錐円筒形の円形支柱と、それにかぶせる防寒シートがセットになっているものです。
シートの下部は防霜防寒、上部は通気用ネットになっていて、屋根部分は霜を避けるために防霜シートになっています。
風に飛ばないようにレンガなどの重しを乗せるか、地面に刺すピンで対応します。
このシートの中の苗は冬になる前に切り詰め、シートの中には蒸れない程度の量の枯葉などで埋められているようです。
【関連記事】
【まとめ】
・購入直後は要注意!
→ 一度鉢植えで寒さに慣らしてから
・アープはやはり強い
・マリンブルーでもなんとかなる
・ダークホースはファーンオークスハーディー
【関連記事】
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