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ローズマリー・マリンブルーは、青紫系の色合いの花と育てやすさで人気の種類です。
頑丈で手がかからず、その爽やかな香りで料理用のハーブとしてもとても人気。
さらに防臭や防虫にも使えるので、庭に一本あるだけでとても重宝します。

ローズマリー・マリンブルーの基本情報

ローズマリー・マリンブルーとは

ローズマリー Rosemary Marine Blue(シソ科)

多年生・小低木(常緑樹)
【耐寒性】-8〜-17度(※防寒時)
【サイズ】最大180p
※鉢植えは鉢の大きさに比例
【樹形】立性

【主な用途】 料理・観賞・衛生
【花色】 中間の濃さの薄青紫

ローズマリーの育て方はこちら

マリンブルーとは?

【マリンブルーの特徴】

POINT  マリンブルーの特徴

・ローズマリーの代表的な品種
・大型でまとまった立性の姿になる
・料理向きの香り
・寒さに強い
・葉はやや大きめだが太くはない


マリンブルーはローズマリーの中でも特に料理用として人気の種類です。
立性の大型で成長が早く、剪定からの回復も早いのでたくさん収穫できます。
庭に植えるとボリュームが出て、ハーブガーデンでは風格を漂わせます。
花の色は中間の濃さですが、個体によってはかなり濃い色になるものもあります。

【参考】ハーブの苗/ローズマリー(立性):マリンブルー3号ポット


マリンブルーとトスカナブルーの違いは、耐寒性と葉の幅の広さになります。
マリンブルーの葉はローズマリーの中では大きいほうですが標準的で特徴はなく、トスカナブルーの葉は他の種類よりも明らかに幅が広いです。
耐寒性はマリンブルーはかなり強く、育て方次第では−15度近くまで耐えられるようになりますが、トスカナブルーはそこまで強くありません。
また、香りはマリンブルーのほうがやや落ち着いていてスパイシー、 トスカナブルーは華やかでかすかに甘みを感じる香りです。


料理の使い方としては、葉は硬いので、ローズマリーそのものを食べるというよりは香りづけや臭み消しに使われます。
香りが強く防臭効果や虫よけの作用が強いため、料理だけでなく日常でも使い道の多い品種です。


マリンブルーは食用のローズマリーとして知られていますが、スーパーなどで売られているローズマリーもおもにこのマリンブルーとトスカナブルーのようです。
優美な枝のプロストラータスや、最近ではディープブルーも見かけるようになりました。


マリンブルーについて詳しく!


Contents 目次

【Chapter:1】マリンブルーってどんな植物?
 ・マリンブルーの特徴
 ・マリンブルーの花
 ・マリンブルーの樹形
 ・マリンブルーの香り
 ・マリンブルーの葉

【Chapter:2】マリンブルーの性質は?
 ・マリンブルーの生育環境
 ・マリンブルーの耐寒性

【Chapter:3】マリンブルーの育て方は?
 ・マリンブルーの育て方

【参照】 マリンブルーが欲しいときは? ほかの種類との見分け方は?


【Chapter:1】マリンブルーってどんな植物?

【マリンブルーの花】

マリンブルーはローズマリーとしては中くらいの濃さのやや青みよりの薄紫色の花を咲かせます。
花の色は株の個体差があり、濃い個体では立性品種の中では最も濃いといわれる青紫になることもあります。
株が若いうちは花数も少なく、収穫のために葉が茂るように育てると花が咲きにくくなりますが、 株が育つと二期咲きとなり、厳しめの環境で育てると驚くほどたくさんの花を咲かせるようになります。

※ローズマリーの花の色に関して詳しく知りたい場合は比較表をご覧ください。
《 関連記事 》 お役立ち情報 > ローズマリーの花の色比較表


【マリンブルーの樹形】

マリンブルーは立性の代表的品種で枝先は上へ伸びる性質を持っていますが、多少は低い位置の脇枝が横に広がることもあります。
そのため、横幅もある程度あり、ボリュームのある茂みのようになります。
料理用目的で収穫を増やしたい場合は低い枝も残して茂み状に育てると良いでしょう。
生垣などで上に伸ばしたい場合は低い位置の枝は整理します。
大型になりますが立性なので先端を刈り取って脇芽を増やすようにしないと枝数は増えません。


【マリンブルーの香り】

葉の香りはやや強めで、爽やかな中にも少しスパイシーなグリーン系の香りとなります。
ただし花を大量に咲かせるとそちらに精油分を取られるのか葉の香りは弱まってしまいます。
料理用にするならば花の数は減らしたほうが良いでしょう。


【マリンブルーの葉】

マリンブルーの葉はローズマリーの中でもやや大きめで、反り返りも少なめでまっすぐな印象の葉です。
そのため、葉が多くても比較的すっきりとしたシルエットになります。

【Chapter:2】マリンブルーの性質は?


POINT  マリンブルーの性質

・日あたりを好む
・通気性のよい土を好む
・暑さにも寒さにも強い
・地植えにすると化ける


【マリンブルーの生育環境は?】

頑丈な種類のため、環境にはよく適応します。
庭へ地植えにすると旺盛に茂りますので、スペースはかなり広めにとったほうが良いでしょう。
素直な立性ですがそこそこ横幅も出ます。

マリンブルーはほかのローズマリーと同様に日あたりを好み、通気性が良くて濡れてもすぐ乾く土を好みます。
PHは少しアルカリ性よりの土が良いとされますが、通常の庭土程度でも育ちます。
心配なら草木灰や燻炭などを混ぜて中和しておくとよいです。
基本的には排水性の良い土ならばまず問題ありません。


【マリンブルーの耐寒性】

耐寒性はローズマリーの中でも高いほうとなります。
入手して最初の年はあまり無理しないほうが良いですが、寒さに慣れればごく軽い防寒対策だけでも−15度以上の寒さに耐えられます。
寒冷地でも日の当たる軒下などで霜さえ当たらなければ無対策で冬を越せます。
防寒対策はごく簡単な霜よけのみでよく、寒冷地や厳冬期は薄い不織布を軽く巻いておくくらいで大丈夫です。
なお、降雪そのものには耐えられますが、屋根の上などから雪の塊が落ちてくると枝が折れることがありますので注意してください。


寒冷地で冬を屋外で過ごす場合、体力を温存するのか葉の数が増えにくくなります。
葉が少なくなると春の花数は増えますが、全体的に精油分が薄れるようで、香りはほとんどしなくなります。
花の観賞用にしたい場合は屋外で、料理用にしたい場合は室内などへ退避して過ごしたほうが良いでしょう。


なお寒冷地での育て方や冬越し、耐寒性のあげ方に関しては詳細ページがありますのでご参照ください。
《 関連記事 》 寒冷地での育て方 > 目安となる気温


一方、耐暑性も非常に強く、元々暑さに強いローズマリーの中でもさらに頑丈です。
連日の40度でも大きめの鉢植えや地植えであれば、水切れさえ注意すれば十分耐えてくれます。


【Chapter:3】マリンブルーの育て方


【マリンブルーの育て方】

【1.植え替える】
ポット苗を入手した場合、まずは植木鉢に植え替えます。
勢い良く育つため、うっかりしていると鉢底穴を根が貫通してきます。

土の通気性と排水性が肝心なため、鉢底には小粒の軽石などを敷き、 植え付ける土は園芸用土に川砂や小粒の軽石などを混ぜたものを使用します。
園芸用土単品では、保水性が良すぎるため、砂を混ぜます。
また、肥料分が多いと一気に育ちすぎて見た目はきれいでも弱い苗になりますので、園芸用土を養分の少ない砂などで緩和する目的もあります。

植木鉢に植え替え、ある程度成長して落ち着いたら地植えに移行しても良いでしょう。
地植えの場合はかなり巨大化するため、十分なスペースを確保します。
土は排水性を確保し、養分は少なく、よく日の当たる場所に植え付けます。


【2.水やりの間隔を掴む】
植え替え直後は一度だけたっぷりと水を与えます。
最初の1回は、土が水を吸い込み、植木鉢がずっしり重くなるまで与えます。
二度目以降は、土が内部まで乾き始め、植木鉢の重量感が減ってきてから与えるようにします。
地植えの場合は植え付け直後の一度だけで、あとはよほどの乾燥期でない限り水やりはしなくて大丈夫です。


【3.日あたりを確保する】
ローズマリーは陽当たりを好みます。
日当たりが悪いと日光を求めて枝が迷走して伸び、曲がりくねることがあります。
マリンブルーは成長が早いため、日光が足りないと徒長しやすいので注意します。


【4.剪定する】
マリンブルーは生育旺盛なため、育ってきたら剪定で調整します。
放っておくとまっすぐ上に1本伸びるだけになりますので、一度剪定し、脇芽から枝の成長を促すことで枝数を増やします。
切った場所の直下の芽が二本伸びますので、あまり上の方で剪定すると頭でっかちになるので注意しましょう。

剪定を繰り返すことで枝数を増やして茂らせていきますが、枝が増えすぎた場合は細く弱々しい枝を取り除きます。
地植えなどで巨大化した場合は、思い切って切り戻すことで枝の若返りを図ります。


【5.植え替える】※鉢植えの場合
鉢植えである程度育つと成長が止まります。
成長が止まると花が咲くようになりますが、数シーズンで根詰まりを起こします。
葉が黄色くなって落ちるようになったら根詰まりが進行している可能性があるため、大きな植木鉢に植え替え(鉢増し)ます。

マリンブルーは大きく育ちやすいため、あまり大きくしたくない場合は鉢の大きさは1サイズずつ大きくしていきます。
どうしても同じサイズの鉢にしたい場合は、根の一部だけを取り除き、根の絡まりはあまり崩さないように植え替えます。
この場合は、地上部の枝も思い切って剪定して減らしておきます。
根を大きくいじる場合は、成長の緩い涼しい時期に行う方が事故は少ないようです。


【総合】
ローズマリーは全体的に頑丈で手がかからない植物ですが、マリンブルーはローズマリーの中でもさらに頑丈な種類です。
基本的には放置気味で良いですが、成長が早い分、鉢植えだと根詰まりしやすくなりますので適宜一回り大きな鉢へ植え替えます。
また、どの種類のローズマリーも花が終わった後の花ガラだけは早めに摘み取ったほうが株が長持ちします。
花ガラ付近はアブラムシの温床にもなりますし、種を付けると体力が奪われてしまいます。
花が盛りを過ぎたら早目に花ガラを取り除くようにするとよいでしょう。
花が終わって葉っぱだけになったら、肥料焼けしないように少量の弱い肥料を与えます。


料理用として育てる場合、株が小さいうちは枝の先端を摘心することで脇芽・脇枝を増やして収穫量を増やすようにします。
収穫するようになると自然と剪定している状態になるので摘心はしなくても大丈夫です。
また、ローズマリーは全般的に、寒さが厳しく乾燥も強いような環境で育てると精油の分泌が減るようで香りがなくなってしまいます。
葉の香りを生かしたい場合は暖かい場所でやや乾き気味程度、少量の肥料分もある状態で育てたほうが良いでしょう。


逆に花を鑑賞したい場合は、寒さが厳しく肥料もなく乾燥が強い状態で育てます。
葉の数はかなり少なくなり、特に冬場はスカスカの状態になりますが、春になると数多くの花をつけるようになります。
その代わり花の後はがっくりと株の体力が落ちるため、早めに花ガラを除去して消耗を防ぎ、少量の養分を与えるようにします。


大型品種のため、地植えにすると一気に伸びます。
枝がやや横広がりになりますが、立性のため日光が十分であれば枝が曲がってうねることは少ないです。
花は二年目後の新芽につくため、地植えにして最初の二年は花がつきにくくなります。

→ 参考:ローズマリーの育て方

【参照】マリンブルーが欲しいときは? 見分け方は?

【入手方法】

ローズマリーはたくさんの品種が存在しますが意外とタネの種類は多くありません。
そのため、マリンブルーが欲しい場合は苗を購入することで確実に入手できます。

【参考】ハーブの苗/ローズマリー(立性):マリンブルー3号ポット


【ハーブの専門店で購入する】
一番確実な方法です。
ローズマリーは品種も多く、ほとんどの姿が似ているため、専門店でないと品種が判別しがたいようです。
マリンブルーなどの品種を特定して買いたい場合は専門店で買ったほうが良いです。
栽培している農場で購入するのが一番確実ですが、広い農園を確保する必要上どうしても遠隔の地方のショップが多いため、 ネットで購入するのが楽です。

ローズマリー立性【マリンブルー】苗
ローズマリー一覧(1)
ローズマリー一覧(2)


【園芸店やホームセンターの園芸コーナーで購入する】
マリンブルーは日本では昔から存在するメジャーな品種であるため、特に品種名が書かれずに売られている場合が多いです。
姿かたちもごくオーソドックスであるため、園芸店などでも結構な確率でほかの品種がマリンブルーと記されて販売されていることがあります。
しいて言うならば特徴がないのが特徴です。


なお立性では最も濃い青という触れ込みで販売されていることが多いですが個体差が大きいようで、確実に花の色が濃いものが手に入るとは限りません。
マリンブルーが欲しい場合は以下の見分け方も参考にしてよく確かめてください。


【マリンブルーの見分け方】

ハーブの専門店ではない園芸店や種苗店、あるいはホームセンターの園芸コーナーでマリンブルーを探す場合、 その特徴で探し当ててみましょう。
ズバリ、特徴がないのが特徴です。 ごく普通のローズマリーで品種名が書いてなければ可能性は高いです。

それでも何か手掛かりが欲しいという時は以下のような部分を観察してみてください。


【特徴1】葉の形で見分ける
マリンブルーの葉はほかのローズマリーよりもやや大きめですが太くはないです。
さらに反り返りが少なめです。
葉が大きく幅が広いものはトスカナブルーかレックスです。


【特徴2】樹形で見分ける
立性の代表品種のため、マリンブルーの幹や枝は上へ伸びたがります。
ただしミスジェサップやホワイトよりは多少うねり気味になります。
花の色が濃い青でも幹や枝が横へ流れがちの時は匍匐性の別品種の可能性が高いです。


【特徴3】香りで見分ける
葉を痛めない程度にそっと触れて香りをかいでください。
ローズマリーの香りは大きく分けて2種類あります。
一つはグリーン系の香りにすっきりした癖のない柑橘系の香りがごくわずかに混ざったような香りです。
マリンブルーもこの系統の香りで、トスカナブルーよりはやや落ち着いた香りでかすかにスパイシーさも感じます。
もう一つの香りは油焼けした松とやはり油焼けしてどこか薬品臭のする柑橘系を混ぜたような香りで、 もしそのような香りがしたらマリンブルーではありません。


【特徴4】花で見分ける
売られている苗の状態で花が咲いていることは稀ですが、マリンブルーの場合は花が咲いていても見分けにくい品種となります。
マリンブルーは花の色が濃い青の種類の代表とされますが実際には中間くらいの花の色の個体が多いです。
もし濃い青の個体が欲しい場合は、咲いている花の色とともに幹と茎を見てください。
他の青が濃い品種は半匍匐性の場合が多いため、完全な立性でしたらマリンブルーの可能性が高くなります。


マリンブルーはローズマリーの中では基本の種類となり、初めて育てる場合は特にその育てやすさからお勧めの品種です。
他のおすすめの種類が知りたい場合は一覧ページを用意してありますのでご参照ください。
【関連記事】:目的別おすすめの品種・種類



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ローズマリー立性【マリンブルー】苗
ローズマリー一覧(1)
ローズマリー一覧(2)