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HOME > 育て方Q&A  > ローズマリーが枯れる場合
本来頑丈なはずのローズマリーがある日突然枯れる、もしくはいつもうまく育たず枯らしてしまう……。
実はローズマリーにはいくつかの苦手ポイントがあります。それらを回避することで枯れる確率はぐっと低くなります。
ここでは枯れる原因を探り、その対処方法を挙げてみました。

ローズマリーの根腐れ

ローズマリーが枯れる原因

ローズマリーが枯れる原因はいくつか考えられますが、まず多いのが水のやりすぎによる根腐れ、もしくは土壌の問題による根腐れ、そして根詰まり、花の放置による消耗です。
このページでは他の原因も含め、それぞれの問題と対策、防ぐ方法を解説します。

【ローズマリーが枯れる原因は?】 目次

Contents 目次

【Start】ローズマリーが枯れやすい3つの要因
 ・枯れる要因あれこれ
 ・水やりと根腐れ
 ・根詰まり
 ・花の具合


【水やりと根腐れ】水やりと根腐れの場合は? どうやって防ぐの?
 ・根腐れの見分け方は?
 ・根腐れを防ぐには?
 ・根腐れしてしまったら?


【根詰まり】根詰まりの場合は? どうやって防ぐの?
 ・根詰まりの見分け方は?
 ・根詰まりしてしまったら?


【花の具合】花そのものが原因の場合は? どうやって防ぐの?
 ・花の後に元気がなくなったら?
 ・花の処理は?
 ・回復させるには?


【その他の要因】それでも枯れる場合は? どうやって防ぐの?
 ・【全体が突然】枯れる場合
 ・【枝が部分的に】枯れる場合
 ・【鉢植え】が何をやっても枯れる場合


【関連記事】
 ・根腐れする場合


【Start】ローズマリーが枯れやすい3つの要因

ローズマリーが苦手とするものは、ずばり湿気。
水やりと土の関係も相まって根腐れしやすくなります。
ローズマリーを枯らしてしまうのは、根腐れ・根詰まり・花の咲かせすぎが大きな3つの要因です。


POINT  ローズマリーが枯れやすい3つの要因

・根腐れ
・根詰まり
・花の具合


もちろん、他の要因で枯れてしまうこともあります。
ここでは比較的起きやすいトラブルを見ていきましょう。


【枯れる要因あれこれ】

ローズマリーを枯らしてしまう場合、一番多いのが根腐れです。
これは土に問題がある場合と水やりに問題がある場合があります。
鉢植えの場合はほぼ水やりの問題と思ってよいでしょう。
一方、庭に地植えしている場合は土壌の問題の可能性が高くなります。


次に多いのが根詰まりです。これは主に鉢植えで起きてくる問題です。
突然枯れることは稀ですが、徐々に元気がなくなってきます。
放置しているとしばらく後に枯れてしまうことになりますので、サインを発見したら植え替えましょう。


次に多いのが花が原因となる場合です。
花が咲いたので調子が良いと思って油断していると突然枯れてしまいます。
これはローズマリーに慣れていないうちは意外な盲点で、結構な頻度で枯らしてしまいます。


他にも虫の害や急激な寒気、霜などがありますが、ローズマリーに関しては虫は付きにくく耐寒性も強いほうなので、 やはり根腐れ・根詰まり・花の咲かせすぎが主な原因と思っていいでしょう。
※それぞれの原因と対策については次の章でおおまかに説明していきます。


【水やりと根腐れ】

ローズマリーが枯れる一番の原因が根腐れです。
根腐れ自体は菌によるものなのですが、この根腐れ菌を増やしてしまう大きな要因が水やりです。
間違った水やりによって根腐れを誘発し、枯らしてしまうのが最も多いパターンです。
ローズマリーは元々乾燥を好み、湿気は苦手です。
毎日水やりをしていると、元々水気を苦手としているところへ根腐れが加わり、あっという間に枯れてしまいます。


また、水はけの悪い土も根腐れの大きな要因となります。
根腐れを防ぐには、通気性と排水性の良い土に植え付け、水やりの回数は控えるようにします。
根腐れに関してはページの中ほどで詳しく解説します。


【根詰まり】

ローズマリーは根詰まりで枯らしてしまうことも多い植物です。
鉢植えの場合、根詰まりが極端にひどいまま長時間放っておくと枯れる可能性が高まります。
ローズマリーは生育旺盛なため、根も成長が早いのです。
特に生育期は根も一気に増えて伸びますので根詰まりしやすくなります。


ローズマリーは根詰まりしても元々の体力があるため、ある程度の期間は一見すると元気そうに見えます。
そのため、根詰まりにやや気づきにくくなります。
何かおかしいなと思ったら一回り大きな植木鉢に植え替えて様子を見ましょう。


【花の具合】

盲点となるのが花が原因となっている場合です。
花が咲くと調子が良いと思ってしまいますが、花そのものが体力を奪う原因です。
調子が良いのに枯れたという場合は花を疑ってみましょう。


ローズマリーは花を咲かすことでかなり体力を消耗します。
特に花の多い品種では花の後にがっくりと体力がなくなります。
また、花が古くなると花穂の根元周辺にアブラムシが大量について体力を吸われてしまいます。
さらに、花が種を付けても体力が落ちてしまいます。
花が咲いたらその後の処理をすることで花後の枯死を防ぐことができます。
花の後のお手入れに関しても後ほど詳しく解説します。


それでは次からいよいよ根腐れ・根詰まり・花の具合について対処方法を詳しく解説していきます。



【水やりと根腐れ】水やりと根腐れの場合は? どうやって防ぐの?

ローズマリーが枯れる原因の第一は根腐れと言ってよいでしょう。
根腐れと言ってもなかなか症状がわかりにくいかと思いますが、兆候はあるので以下の点に気を付けておきましょう。


POINT  根腐れのチェックポイント

・しおれているのに土が濡れている
・全体的に色が黄色っぽく褪せてきた
・きちんと水を与えている
・根元がぐらぐら
・土から嫌なにおいがする


ローズマリーの元気がなくなった場合、原因によって対処方法が異なるため、 まず根腐れかどうか見極めたほうが良いでしょう。
なお、根腐れそのものについては解説ページを用意していますのでそちらも参考にしてみてください。
《参考記事》 根腐れについて


【根腐れの見分け方は?】

まず見極めが必要なのは、根腐れか水切れかの判別です。
これは対処方法が真逆なので間違うとトドメを刺すことになりますのでよく観察しましょう。
判別の詳細は以下のページでも解説していますので合わせてご覧ください。
《参考記事》 根腐れについて 》 それは本当に根腐れ?


【土が濡れているのにしおれている】

見極めの1つ目のポイントは、【土が濡れているのにしおれている】という点です。
水切れでしおれているならば土は乾いているはずです。
また、土は表面が乾いていても内部は湿っていることが多いです。
毎日欠かさず水を与えている場合も水切れの可能性は低いので根腐れを疑います。


【全体的に色が黄色っぽく褪せてきた】

見極めの2つ目のポイントは、【全体的に色が黄色っぽく褪せてきた】という点です。
根腐れの場合、大元と言える根がやられていますので、影響が株全体に均一に出てきます。
どこか狭い一部分だけがおかしい場合は根腐れではない可能性が高いです。
ローズマリーの根腐れの場合、まず全体的に何となく元気がなくなり、全体の葉の色が黄緑のように色褪せ、 進むと株の下の方から枯れあがってきます。

ローズマリーの根腐れ

【根元がぐらぐら】

根腐れは文字通り根が腐ってきますので、幹を支えることが難しくなってきます。
根腐れを疑ったら幹を揺らすか引っ張ってみましょう。
根腐れが進行すると根元がぐらついてきます。
酷い場合は根が完全になくなり、株を軽く引っ張っただけで抜けることがあります。


【土から嫌なにおいがする 】

根腐れは菌の繁殖で起こります。
ひとまとめに根腐れ菌と呼ぶことが多いのですが、この菌が増えてくると不快なにおいを発します。
どぶのような、あるいは水替えを怠った花瓶の水のような匂いです。
根元を割り箸などでつついて土に深めの穴を開け、ニオイを嗅いでみてください。
酷い時には穴を開けなくてもにおいます。


以上のようなポイントが根腐れの兆候と見分け方になります。
根腐れの可能性が高いとなったら、根腐れの対処を試みます。


【根腐れを防ぐには?】

根腐れを防ぐ方法は、根腐れしてしまった場合の対処方法としても有効です。
ローズマリーの根腐れを防ぐ方法は、とにかく土の水分を逃がすことと空気に触れさせることです。
土の水分を逃がすためには、以下のチェックポイントを参考にしてください。


POINT  根腐れを防ぐには

・水やりは控える
・植木鉢の素材に気を付ける
・通気性と排水性の良い土に植え替える
・根腐れ防止剤を使う


《参考記事》
【水やりについて】 水やりについて
【粘土の場合】 粘土の場合
【根腐れについて】 根腐れについて


【水やりは控える】
ローズマリーを根腐れさせないためには、水やりの回数を控えるのがポイントです。
一回に与える水の量を控えるのではなく、水やりそのものの回数を控えます。
土が乾いている時間を確保するよう心がけてください。
特に地植えの場合はほぼ水やりは必要ありません。
《 関連記事 》 正しい水やり方法 > 水やりについて


鉢植えのローズマリーの場合、水は土がカラカラに乾いたらたっぷりと与えるようにします。
水やりのタイミングの覚え方としては、一度鉢底から水が流れ出るまでたっぷり水を与えてください。
その状態で鉢を持ち上げると、相当な重量感があります。
土が乾き、ずっしりとした重量感がなくなったら次の水やりをするタイミングです。
ある程度育った株であれば、水切れになると葉が細く閉じてきますので、そのような兆候が出てからの水やりでも大丈夫です。


【植木鉢の素材に気を付ける】
ローズマリーの根腐れは大抵の場合、鉢植えで起きます。
直接は水の与えすぎが問題なのですが、土の中の水気を逃がすために植木鉢の素材も重要です。
塗装があるものや樹脂製の植木鉢は土の内部が蒸れやすくなります。
素焼きの未塗装の植木鉢は通気性・排水性がありますのでローズマリーに最適です。
全体的にハーブは乾燥気味を好むものが多いため、素焼きの植木鉢が適しています。
《 関連記事 》 道具の選び方 > 植木鉢


【排水性の良い土に植え替える】
根腐れを起こす菌は通気性が悪く湿った土を好むため、排水性の良い土に植え替えるのが有効です。
排水性の良い土は同時に通気性も良くなります。
多くの根腐れ菌は嫌気性ですので、通気性の良い土だと繁殖しにくくなります。
ローズマリーは元々乾燥気味を好みますので、排水性と通気性に優れた乾きやすい土が良いです。
粘土の場合


【根腐れ防止剤を使う】
根腐れが心配な場合は植え付けの土に根腐れ防止剤を混ぜるのがおすすめです。
一般にはゼオライトが知られていますが、もみがら燻炭も良いでしょう。
これらは排水性・通気性も良く、雑菌の繁殖も防いでくれるため、根腐れを防ぐことに適しています。
植え付けや植え替え時に土に混ぜ込んでおきましょう。
土壌資材


【近くに水分消費用の植物を植える】※地植えの場合の裏ワザ
守りたい植物の近くに、水を吸い上げる量が多い植物を植える、という方法もあります。
水気に強い植物や、繁殖力旺盛で水分の消耗量が多い植物が適しています。
マロウの仲間やスイートブライアーなど原種系のバラが良いでしょう。ヒマワリでもかまいません。
また、ローズマリーも大型化するとかなりの水分を消費するので、大株が手に入るなら植えても良いでしょう。
ただ、どの場合もメインの植物を圧倒して巨大化する可能性が高いです。


【根腐れしてしまったら?】

根腐れしてしまった場合、復活させるのはかなり難しくなります。 ただし初期であれば復活可能な場合もあります。 ここでは復活可能だった場合を想定して方法を解説します。


POINT  根腐れしてしまったら

・初期なら植え替えて様子を見る
・地植えの場合は鉢上げを考慮
・挿し芽で予備を取る
・土の後始末を忘れずに
・【落とし穴】切り戻しはダメ
・【おまけ】回復が早い種類


盲点なのが、根腐れした植物の後始末です。
特に植わっていた周辺の土はよく手入れしないと次の植物も根腐れしやすくなりますので、忘れずに後始末を行いましょう。


【植え替えを行う】
根腐れが初期の場合は植え替えることで対処できます。
鉢植えの場合、まずはそっと苗を抜きます。
通常、ローズマリーは根を崩されることを嫌いますが、腐った根はボロボロで手で触れると簡単に取れます。
触れて崩れる根だけを取り除きます。
この時点で生きている根が残っているか、白く新しい根が生え始めていたら復活可能です。


残っていた根を傷めないように注意しながら、土をできる限り落とします。
この時、根が乾燥しないように注意します。心配なら少し水で濡らします。
この後、植え替えます。


植え替えは、根腐れから回復するまでは素焼きの植木鉢を使います。
土は雑菌の繁殖を防ぐため、養分のない土を使います(そのため、花や野菜用の培養土は適しません)。
排水性の良い赤玉土をベースに、軽石・山砂(桐生砂など)と川砂を多めに混ぜ合わせます。
いずれも小粒や細粒を選んでください。
ここへ、根腐れ防止剤としてゼオライトを1割程度混ぜ込みます。
PH調整剤として草木灰や燻炭(もみがら燻炭やそばがら燻炭など。根腐れ防止剤にもなる)も加えると良いです。
養分を与えてしまうと菌が繁殖してしまうので、肥料は与えません。


植え替えたら、直後にたっぷりと水を与えます。
鉢がずっしりし、鉢穴から水が流れてくればOKです。
その後は数日間、水は与えてはいけません。
鉢が軽くなって水分が飛んだら水を与えて大丈夫です。
しばらく乾燥気味に育てて様子を見、根付いて再び成長を始めれば回復したと思ってよいでしょう。


地植えの場合は、鉢上げという作業を行います。
周辺を掘ってローズマリー本体を根鉢ごと掘り上げたら、先に解説した鉢植えの植え替えと同じ手順で素焼きの植木鉢に植え替えを行います。
なお、地植えの場合は掘り上げた場所の後始末がありますので後ほど解説します。


【挿し芽で予備を取る】
万が一回復しない場合の保険として、元気な枝先が残っている場合は挿し芽しておきましょう。
また、根腐れも中盤以降に進行してしまうと回復が難しくなりますので、挿し芽で新しい苗を作ったほうが確実です。
幸いローズマリーは発根しやすく挿し芽は容易です。


【土の後始末を行う】
根腐れした植物が植わっていた土には根腐れ菌が大繁殖しています。
そのためそこへ次の植物を植え付けてもまた根腐れしてしまいます。
もちろん、土をそのまま再利用しても根腐れ菌をばらまくことになりますので、後始末をしましょう。


まずは土の中に残っている根の残骸や腐った植物片を取り除きます。
その後、鉢植えの場合は土を浅く広い容器などに移し、空気にさらします。
何度か天地を返し、よく空気を混ぜ込みながら天日干しします。
1〜2週間ほど掘り返しながら乾かします。
再利用はあまりお勧めしませんが、する場合は根腐れ防止剤を混ぜ、1シーズン置いてからのほうが良いでしょう。


地植えだった場合も、まずは土の中に残っている根の残骸や腐った植物片を取り除きます。
地面に掘り上げたときの穴が開いていると思いますが、そのまま数日放置して乾かします。
その後、周辺をよく掘り返します。
数日〜1週間は何度か掘り返し、空気に触れるようにします(湿気が強い場合は乾くまで2週間以上必要になることもある)。
土が乾いたら川砂・軽石・山砂(桐生砂など)を大量に投入、根腐れ防止剤としてゼオライト、燻炭を鉢植えよりもやや多めに混ぜます。
元の周辺の土とよく混ぜるように掘り返します。
数日様子を見て、湿気がこもらないことを確認できたらOKです。
あとは周辺から雨水が流れ込まないよう、近くに排水用の溝を掘ります。溝はさほど深くなくて大丈夫です。


【落とし穴:切り戻しはダメ!!】
一般的に、根腐れしたら株の体力温存のために切り戻して様子を見ましょう、とされることが多いですが、むやみに実行するとトドメを刺します。
根腐れしたからと切り戻しをするのはおすすめしません。


まず、根腐れ初期の場合はまだ根が多少残っています。そのため、地中の水を吸い上げています。
茂った葉が水分を消耗しているため、葉が多いほど地中の水分も消費されます。
ここで枝葉の切り戻しを行うと、地中の水を消耗しなくなるために土の水分が過剰になって根腐れを促進してしまいます。
また、ローズマリーの根腐れは症状として株の下から枯れあがってきます。
ここで枝の先端を切り戻すと、株に葉が無くなってしまいます。
結果、枯れてしまいます。


切り戻しが必要になるのは、根腐れから回復するために植え替え等を行った後で、そのうちのわずかな割合です。
植え替え後に順調に育ち始めた場合、ローズマリーは回復さえすれば一気に成長します。
根の生育に対して地上部が大きくなりすぎた場合にのみ、切り戻しを行います。


【おまけ:回復が早い種類】
ローズマリーは全体的に成長が早い(回復も早い)植物です。
その中でも、トスカナブルー、マリンブルー、プロストラータスは鉢植え・庭植えを問わず成長が早いので回復も早いです。
全体的に料理用として有名な品種は早い傾向にあります。
逆に、モーツァルトブルー、セバンシーはややゆっくりめで、回復からの再成長に時間がかかります(1〜2シーズン)。
ミスジェサップは地植えだと早いですが鉢植えだとゆっくりになります。



【根詰まり】根詰まりの場合は? どうやって防ぐの?

ローズマリーは生育が旺盛な分、鉢植えですと根詰まりもしやすくなります。
突然枯れてしまうことは稀ですが、徐々に元気がなくなり、放置しているといずれ枯れてしまいますので植え替えで対処しましょう。


POINT  根詰まりのチェックポイント

・新しい枝や葉が出にくくなった
・鮮やかな黄色い葉が混じる
・全体的に葉が減った
・鉢の下から根がはみ出している
・花が大量に咲いた


根詰まりというと鉢の下から根がはみ出していると思いがちですが、はみ出さないこともあるので油断は禁物です。
根がはみ出していないから大丈夫だとは思わずによく観察しましょう。


【根詰まりの見分け方は?】

根詰まりははっきりとした外見の特徴が出にくいため、やや見落としがちになります。
成長が止まり、元気がなくなってきたら根詰まりと思っておいた方が良いでしょう。


まず、根詰まりが始まると株全体の勢いが弱まってきます。
芽吹きはするものの、若い枝先が伸びにくく、脇芽も増えにくくなり、やがて成長が止まります。
成長しにくくなったら根詰まりのサインです。


根詰まりが進むと、葉の中にところどころ鮮やかな黄色い葉が混じるようになり、触れるとぽろぽろ落ちるようになります。
さらに進むと全体の葉の色がやや褪せ、葉も痩せてきます。
水を吸い上げることに支障が出始めると葉先が茶色く枯れたように変化します。
全体的に葉が減ってスカスカになってきます。


鉢を持ち上げたときに下から根がはみ出していれば当然根詰まりを疑います。
ただし、根が鉢の中で渦を巻くように伸びている場合は下の穴から出てきません。
植木鉢の下から根が出ていないからと安心することはできないので注意が必要です。


意外なことに、花が大量に咲いた場合も根詰まりのサインであることがあります。
ローズマリーは勢いよく成長している最中は花が少ない傾向があり、 成長が止まっていると花数が増えてきます。
根詰まりは成長が鈍りますので、花が増える原因になります。
花が咲きにくい品種が大量に花をつけた場合は疑いましょう。


【根詰まりしてしまったら?】

完全に根詰まりさせると枯れる可能性が高まりますので、根詰まりを疑った時点で早めの植え替えを行います。
一回り大きな植木鉢を用意し、そちらへ植え替えましょう。
挿し芽してすぐの小さい苗の場合は1〜2年くらいで最初の植え替えになりますが、購入した苗や発根剤・整腸剤を使った場合、 半年未満で植え替えが必要になることもあります。
その後は大体1年くらいを目安に植え替えになります。
ローズマリーは生育旺盛なため、成長に勢いがつく三年目前後はすぐ根詰まりします。


ローズマリーは基本的に植木鉢に比例したサイズに育つため、 植え替えのたびに徐々に株が大きくなっていきます。
あまり大きく育てたくない場合は、肥料はほぼ与えず、かなり乾燥気味に育てます。
この場合は花がつきやすくなり、花にエネルギーをとられて株の成長がかなりゆっくりになります。



【花の具合】花そのものが原因の場合は? どうやって防ぐの?

ようやく花が咲いたのに枯れた……そんなときは花が咲いたことが原因で枯れている場合があります。
花を咲かせること自体がかなり株の体力を奪います。
さらに花が咲くことによって、さらに枯れる要因を呼び寄せることもありますので花の後の管理が大切になります。


POINT  花の具合のチェックポイント

・大量の花が咲いた
・ガクの部分が固く膨らんでいる
・アブラムシの気配がある


ローズマリーは料理用ハーブとして有名ですが花も美しいのでぜひ咲かせて観賞したいところです。
せっかく花が咲いたのであれば、花を原因として枯らしてしまうのはもったいないですね。
花の後の処理は次に紹介しますので忘れずに行いましょう。


【花の後に元気がなくなったら?】

ローズマリーは花の後に弱ることが多いです。
弱ってきたと感じたら以下の点に注意して観察してみてください。


ローズマリーは花を咲かせること自体がかなりエネルギーを使い、大量の花を咲かせると株の勢いが弱まります。
特にミス・ジェサップやベネンデンブルーなど花数が多い品種は花の後にがっくりと株が弱ってしまいますので注意が必要です。
花の咲かせすぎが原因ですので、多花性の場合は蕾のうちに少し数を減らすか、花が盛りを過ぎる前に早めに摘み取ります。


ローズマリーは成長してくると二期咲きとなり、種類や育ち方によってはかなり長期間花を咲かせます。
このうち、暖かい季節に咲いた花は種を実らせやすくなります。
種がつくと株の体力が種に奪われてしまいます。
花のガクの根元が固く膨らんできたら種が育っているサインです。


また、ローズマリーは通常であれば虫は付きにくいのですが、花穂の根元周辺にはアブラムシが付きやすくなります。
特に花が盛りを過ぎて体力が落ちてくると、アブラムシが突然たくさんつくようになります。
アブラムシが付くとさらに株の体力が奪われてしまうので悪循環に陥ります。
見えにくく見落としがちですが、花の付け根、ガクと茎の間の花穂を中心によく観察してみましょう。


【花の処理は?】

花の後に枯れる事態を防ぐには、花が盛りを過ぎる前に処理を始めたほうが良いでしょう。
茶色く枯れた花が混じり始めたら開始します。


枯れた花の数が少ない場合は手で摘み取ってしまいましょう。
ローズマリーの花はガクからすっぽり抜けますが、摘み取る際はガクごと摘み取ります。
ガクごと摘み取ることで種が実るのを防げます。
枯れた花が多い場合や、花が減ってきた場合は花穂ごと根元から摘み取ります。
アブラムシは花穂の根元につきやすいので、花期が後半に差し掛かったら花穂ごと摘み取ったほうが良いでしょう。
花ガラは放置せず、早目に取り除くことで花枯れを防ぐことができます。


株が大きく花数が多い場合は、枝の先端ごと剪定してしまったほうが楽です。
花は2シーズン目の枝につきますので、翌シーズンも花を見たい場合は枝が伸びる余地を残しておきます。


なお、花を観賞せず株を充実させたい場合や、花芽が付きすぎて心配な場合は、予防のためにつぼみの時点で取ってしまって良いでしょう。


【回復させるには? 】

花ガラ摘みをしっかり行ったらしばらく休ませ、暖かい季節であれば弱めの肥料を与えます。
強い肥料では焼けてしまうことがあるため、養分を含んだ培養土を周辺に撒く程度でも良いでしょう。
成長の早い種類ならば軽めの剪定で刺激を与え、脇枝の成長を促すのも良いです。
なお多花性の種類では回復に時間がかかり、翌シーズンの花が減ることがあります。



【その他の要因】それでも枯れる場合は? どうやって防ぐの?

〜〜〜〜


【全体が突然】枯れる場合

株全体が均一に弱る・突然枯れてしまうという場合は、大抵の場合、根に問題が発生しています。
根腐れ以外で根が傷む要因としては、根をかじる虫の被害が考えられます。
ローズマリーは樹木のため硬く、さらに虫除け成分を含むため、比較的虫の害は受けにくいですが、根を食害する虫としてはコガネムシが挙げられます。


コガネムシの場合、根元周辺の土が突然フカフカになります。
根をすべて食害されてしまった場合は復活は難しくなりますが、まだ株が若いうちや植え付けてすぐの場合は、 一度掘り上げて虫を取り除き、卵がある可能性も考えて新しい土で鉢植えに植え戻し、根が再生するのを待ちます。


ただし根がすべてなくなってしまっている場合で、まだ枝葉に元気がある場合は挿し芽で新しい苗を作ったほうが良いでしょう。


【枝が部分的に】枯れる場合

ごく一部の枝や、枝が一本だけカラカラに枯れる場合は、ローズマリー自体の防御反応です。
何らかの要因があって自らその枝だけを切り捨てたとみて良いでしょう。
全体が元気で、枯れるのが一部にとどまっている場合はその範囲内で済むことが多いので、枯れた枝だけを取り除いて様子見で大丈夫です。


【鉢植え】【ポット苗】【挿し芽】が何をやっても枯れる場合

何回チャレンジしても鉢植えが育たないという場合は、大抵の場合は毎日の水やりに問題があります。
購入して徐々に弱っていく場合は水やりの方法を再確認します。


また、購入後すぐに植え替えをして数日で枯れてしまうという場合や挿し芽の定植が上手くいかない時は、植え替えの土の肥料が強すぎます。
花や園芸用の培養土はかなりの肥料が含まれていますので単品では使用せず、川砂など養分のない土を混ぜた土で植え替えます。



まとめ

ローズマリーが枯れる要因は主な3つに絞られます。
根腐れ・根詰まり・花ガラの放置にさえ気をつければ枯らす確率はぐっと下がります。
長く楽しむためにはその3つに気をつけて育てましょう。


CHECK! ローズマリーを枯らさないために

・水は連日与えない
・根腐れに要注意
・根詰まりに要注意
・花ガラは早めに取り除こう


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用意するもの
・マリンブルー(頑丈で枯れにくい)
・素焼きの植木鉢(根腐れ対策)
・軽石/小粒(根腐れ対策)
・川砂(根腐れ対策)
・根腐れ防止剤(根腐れ対策)

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