立性タイムの中でも頑丈で、香りがよく、小さな花が密集して咲くかわいらしさもあります。
コンパクトなので鉢植えでも地植えでも楽しめます。
コモンタイムの基本情報

コモンタイム Thyme Vulgaris(シソ科)
多年生・小低木(常緑樹)
【耐寒性】-10〜-18度(※無対策)
【サイズ】最大35p
【樹形】立性
【主な用途】
観賞・料理用
【花色】
白に近いピンク
コモンタイムとは?
【コモンタイムの特徴】
・小さな花と葉
・緩やかな立性
・コンパクトだがタイムの中では背が高い
コモンタイムは料理用として知られるハーブです。
数多くのタイムの中でも最も基本となる品種となります。
小さな花が密集して咲く様子はかわいらしく、観賞用にも優れています。
和名はタチジャコウソウで名前の通り立性のタイムとなり、日本在来種のイブキジャコウソウは匍匐性になります。
【参考】 【コモンタイム】苗
立性のタイムは香りによってコモンタイムを代表とする料理系とレモンタイム系に分かれます。
どちらも頑丈で良く育ちますが、コモンタイム系のほうが立性の特徴が強く、暑さ寒さにも耐性があります。
基本的に料理用に適したスパイシーな香りの代表格がコモンタイムと思って良いでしょう。
なお、フレンチタイムはコモンタイムからの選抜品種です。
コモンタイムよりも華やかな香りで、花の色はフレンチタイムのほうが明るいピンクで花数も多くなります。
【関連記事】:フレンチタイムの詳細
コモンタイムの使い方ですが、生(フレッシュ)でも乾燥(ドライ)でも使えます。
料理の場合は細かく刻み、塩やスパイスなどと合わせて素材に振りかけたりすり込んだりします。
スープや煮込み料理とも相性がよく、煮込む際に枝ごと入れると味に深みが増します。
ピリッとした辛みを感じる香りですが、料理に加えるとコンソメのようにコクと味わいがでます。
昔から殺菌力の強さで知られており、食物の保存や、炎症時にタイムのハーブティーを飲む、うがいするなどの方法で利用されています。
コモンタイムについて詳しく!
【Chapter:1】コモンタイムってどんな植物?
・コモンタイムの特徴
・コモンタイムの花
・コモンタイムの樹形
・コモンタイムの香り
・コモンタイムの葉
【Chapter:2】コモンタイムの性質は?
・コモンタイムの生育環境
・コモンタイムの耐寒性
・コモンタイムの育て方
【参照】
・コモンタイムが欲しいときは? ほかの種類との見分け方は?
・レモンタイムとの違いは?
・フレンチタイムとの違いは?
【Chapter:1】コモンタイムってどんな植物?
【コモンタイムの特徴】
コモンタイムは立性のタイムの代表格です。
十分な日光に当てて育てると素直に上に向かって伸びていきます。
葉は小さく先端がとがっており、レモンタイム系よりも細めです。
見た目に反して頑丈で育てやすいハーブです。
【コモンタイムの花】
コモンタイムの花の色は、濃淡は個体差がありますが、白に近い淡いピンク〜ライラックとなります。
花はとても小さく、先端に集中して咲きます。
かわいらしいため観賞用としても魅力十分です。
【コモンタイムの樹形】
コモンタイムは立性です。
低木のため、根元とベースとなる枝は木質化します。
かなり強めの光を必要とするため、木漏れ日や室内では徒長してヒョロヒョロした姿になりやすいので注意します。
【コモンタイムの香り】
葉の香りは少々辛みのある、ピリッとしたスパイシーな香りとなります。
ただ辛いだけではなく、少しコンソメ風な味を感じる香りです。
【コモンタイムの葉】
コモンタイムの葉は小さく、先端がとがった形をしています。
レモンタイム系と比べると細身になります。
寒い季節にはややシルバー系の茶色になります。
【Chapter:2】コモンタイムの性質は?
・特に日あたりを好む
・通気性のよい土を好む
・ただし水切れには弱い
・暑さにも寒さにも強い
【コモンタイムの生育環境は?】
頑丈な種類のため、環境にはよく適応します。
そのため、放置でもある程度育って花を咲かせてくれます。
コモンタイムはハーブの中でも特に光を好みます。
強い直射日光の当たる場所が好ましいです。
室内でも育ちますが、網戸やレースのカーテン越しでも容易に徒長しますので、
素通しのガラス一枚の場所が良いでしょう。
通気性の良い乾きやすい土を好みますが、反面、水切れにはやや弱いです。
通常、水切れで枯れることはあまりありませんが、真夏に水切れを起こすと枯れる確率が上がります。
【コモンタイムの耐寒性】
耐寒性はハーブ全体の中でも高い方となります。
タイム全般の中でも高いほうで、葉が赤みを帯び数も減りますが春になると戻ります。
晩秋から寒さに慣らしていけばほぼ放置で冬を越せますが、鉢植えの場合は無対策ですと−15度くらいが限度です。
植木鉢を新聞紙で巻くなど根の保護する対策をしましょう。地上部は無対策で大丈夫です。
地植えの場合はほぼ問題はありません。雪に埋もれても大丈夫です。
ただし、購入直後の柔らかい苗の場合は念のため防寒対策をするか日あたりの良い軒下などで育てます。
なお寒冷地での育て方や冬越し、耐寒性のあげ方に関しては詳細ページがありますのでご参照ください。
《 関連記事 》 寒冷地での育て方 > 目安となる気温
【コモンタイムの育て方】
コモンタイムは全体的に頑丈で手がかからない植物で、剪定以外は放置で大丈夫です。
ただし鉢植えだと根詰まりしやすくなりますので適宜一回り大きな鉢へ植え替えます。
花が終わった後の花ガラだけは早めに摘み取ったほうが株が長持ちします。
花ガラ周辺にはアブラムシが沸きやすいため、花の盛りを過ぎたら剪定して取り除きます。
【関連記事】:タイムの育て方 > 日常管理編
【関連記事】:タイムの育て方 > 育成編
枝に脇芽がたくさんついているように見えますがそのままでは伸びにくいため、摘心や剪定で脇芽の成長を促します。
成長すると強剪定が必要になることもありますが、株元方向に葉や脇芽を残さないと枯れてしまいますので注意します。
種まきから育てる場合ですが、ラベンダーやローズマリーと比べれば発芽率は良い方ですが、
パセリやバジルよりは劣ります。
撒くときはかなり多めに撒いておいたほうが良いでしょう。
発芽後、茎が緑で柔らかいうちは容易に徒長しますので、直射日光に当てるようにします。
【参照】コモンタイムのが欲しいときは? 見分け方は?
【入手方法】
タイムは低木系ハーブの中では種の取り扱いが多いほうです。
ラベンダーやローズマリーよりは発芽率が良いですが、パセリやルッコラなどと比べると発芽率がかなり低く、初期の成長も遅いため、
育てることを楽しむ場合は種、早く収穫したい場合は苗を入手すると良いでしょう。
【参考】【コモンタイム】種 / 一覧
【ハーブの専門店で購入する】
タイムは品種が多く、特に品種が書かれていない場合も多々あるため、コモンタイムと特定して買いたい場合は専門店で購入します。
また、コモンタイムに似た香りで料理向きの品種もいくつかありますので、比較検討したい場合もやはり専門店が良いでしょう。
【園芸店やホームセンターの園芸コーナーで購入する】
園芸店などでは品種名が書かれていない場合が多いので注意が必要です。
また、料理にも使えますがどちらかというと観賞用のものが多い印象です。
【コモンタイムの見分け方】
ハーブの専門店ではない園芸店や種苗店、あるいはホームセンターの園芸コーナーでコモンタイムを探す場合、
その特徴で探し当ててみましょう。
まずは立性であることと、葉が細めで先端が尖っていることで判別しましょう。
他にも何か手掛かりが欲しいという時は以下のような部分を観察してみてください。
【特徴1】葉で見分ける
コモンタイムの葉はレモンタイム系と比べると葉が細いです。
色もレモンタイム系のほうが緑が鮮やかです。
【特徴2】樹形で見分ける
まず立性ですので根元が木質化してきっちり立っていることが前提です。
徒長しやすいですが、枝の先端は基本的に素直に上を向きます。
レモンタイム系のほうが横広がりになりやすく、若い枝が太めになります。
【特徴3】香りで見分ける
葉を痛めない程度にそっと触れて香りをかいでください。
スパイシーでやや辛みのある、調味料的な香りがします。
香りは強めです。
名前そのものですがレモンの香りがしたらレモンタイム系となります。
【特徴4】花で見分ける
売られている苗の状態で花が咲いていることは稀ですが、コモンタイムの花は白に近いごく淡いピンク〜ライラック寄りの色となります。
レモンタイム系のほうがピンクが濃いめです。
コモンタイム系の中ではフレンチタイムがよく知られていますが、フレンチタイムのほうが花数が多く、花の房が丸くこんもりとしています。
コモンタイムの花の房はやや長めになります。
【参考:レモンタイムとの違い】
レモンタイムとの違いは何といってもその香りになります。
コモンタイムはいわゆるコンソメに辛さを足したようなスパイス系の香りですが、
レモンタイムは辛みを残しつつも華やかなレモンの香りがします。
共に立性ですが、レモンタイムのほうがやや枝が暴れる傾向にあります。
葉はレモンタイムのほうが丸みを帯びていて鮮やかなグリーンになりますが、花つきはコモンタイムの方が上回ります。
レモンタイムはやや気難しく水切れしやすい面があり、育てる難易度はコモンタイムのほうが頑丈で簡単です。
品種的にもコモンタイムとレモンタイムは分けられており、コモンタイム系は【vulgaris:ヴルガリス】、
レモンタイム系の品種は学名に【citriodorus:キトリオドルス】と入ります。
(例:ゴールデンクィーンタイム Thymus x citriodorus "Golden Queen")など
【参考:フレンチタイムとの違い】
【花の色の違い】
上がフレンチタイムで下がコモンタイム。
花の色の濃さと花つきが違う。フレンチタイムのほうがやや丸みを帯びる。
フレンチタイムとの違いは花つきが最も異なります。
コモンタイムよりもピンクが明るく濃くはっきりしており、花数も多くなります。
花房も丸く大きく、見ごたえがあります。
香りはフレンチタイムのほうがやや甘みがあり華やかな香りとなります。
なお、フレンチタイム自体はコモンタイムの中から料理用に適したものを選抜した品種となりますので、系統的にはコモンタイムになります。
【関連記事】:フレンチタイムの詳細
コモンタイムはタイムの中でもごく基本で代表的な品種となります。
他の種類が知りたい場合は一覧ページを用意してありますのでご参照ください。
料理用としてはコモンタイムの選抜品種であるフレンチタイムが華やかな香りでおすすめです。
匍匐性で料理用にしたい場合はイングリッシュワイルドタイムかブロードリーフタイムが良いでしょう。
【関連記事】:ハーブ図鑑>タイム