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多年生のハーブを育てるにあたって一番心配なのが耐寒性と冬越しではないでしょうか。
せっかく良い株に育ったハーブを枯らしたくはないですね。
ここでは代表的なハーブを念頭に冬越しを考えていきたいと思います。

目次

苗の状態によって耐寒性が違う!
・購入した年〜1年目と2年目以降
・ビニールポットと素焼鉢
・鉢植えと地植え

目安となる温度と対策

簡単な冬越しの方法
・小さい鉢植えや苗の場合
・ある程度育った鉢植えの場合
・地植えの場合

【番外編】各ハーブの冬越し
・ローズマリー、ラベンダー、タイムなどは?
・ヒソップ、オレガノ、イタリアンパセリ、タラゴンは?
・パイナップルセージ、ミントマリーゴールドは?
・放置で冬を越せるハーブは?



苗の状態によって耐寒性が違う

実は同じ品種のハーブでも、状態によって耐寒性が異なります。
冬越しを成功させるためにはある程度の耐寒性があったほうが安全です。
それぞれの場合の違いを把握しておくと管理がしやすくなります。


それぞれの違い

【購入した年〜1年目と2年目以降】

大抵の場合は苗を購入して手に入れていると思います。
この場合、一定の環境に保たれた温室やビニールハウスで管理されて育っているため、 常に変化する屋外でいきなり冬を越そうとしてもダメージが大きく耐えきれないこともあります。

種から育てた場合ですが、育っても草の姿であるタイプはさほど心配ありませんが、 育つと低木・木質化するタイプの植物は、一年目ではそこまで育ちません。
低木になるタイプは木質化するまでは耐寒性がやや弱めで、緑の部分や新芽の部分が霜でやられやすくなりますし、 幹の部分が木質化していない場合は耐えられないこともあります。

草のタイプは二年目以降は株が充実してきます。
低木になるタイプも二年目以降は木質化した部分が増えてしっかりしてきます。
大きく育っている方が体力もあり、多少冷気でダメージを受けても生き延びやすくなります。

最初の冬を温室で育てたりあれこれ暖かくして越してしまうと、翌年の耐寒性もありません。
特に寒い日だけ取り込むか、屋外で防寒して育てるなどして初めての冬を越せれば翌年は耐寒性が高まっています。
一度屋外で冬越しに成功すればそれ以降はさほど心配はいりません。


【ビニールポットと素焼鉢】

市販の苗は大抵の場合、黒いビニールポットや薄い樹脂製の鉢、あるいは素焼の植木鉢に植えられていることが多いです。
これらの違いによっても耐寒性は異なります。
厳密には苗の耐寒性というよりも、ポット、もしくは鉢(根や地中)の保温性ということになります。
土から出ている地上部に違いは見られません。

黒のビニールポットですが、耐寒性はありません。黒いために日光が当たればすぐに内部に熱が届きますが、 素材が薄いため、寒さもすぐに中まで届いてしまいます。
気温がマイナスになる状態でポットの中の土に水分が多いと土ごと凍ってしまいます。
耐寒性の低い苗をビニールポットで冬越しさせる際は、 屋内に取り込んだり保温性のある資材をまいたりといった対処が必要になります。

薄い樹脂製の鉢はビニールポットより形はしっかりしていますが、耐寒性はあまりありません。
鉢の内部が蒸れやすいため、厳冬期には鉢の中の土ごと凍る可能性があります。
ただし軽く扱いやすいため、苗を屋外と室内、軒下等を移動させる場合は便利です。

素焼の植木鉢(塗装なし)は日光が当たるとある程度の熱を溜め、日が陰るとゆっくりと冷めていくため、 ビニールポットなどよりは耐寒性(というより保温性)があります。
通気性もあるため中の土が乾きやすく、土ごと水分が凍る危険性も少なめです。
鉢植えは屋外と室内、軒下などを移動できますが、素焼鉢の場合は大きくなってくると重いのがやや難点です。


【鉢植えと地植え】

鉢植えと地植えの差も、ポットの差と同じく根や地中の保温性という面での違いとなります。
ただし、やはり地植えの方が暖かい季節のうちに成長しやすく大型化していることが多いため、 株そのものの耐寒性あるいは体力が高い傾向にあります。

鉢植えは鉢そのものが寒風にあたって土が冷えるため、土まで凍ってしまうと根が傷むことがあります。
耐寒性が強いとされる植物でも、根まで凍って平気というものは限られてきますので注意が必要です。
ただし、鉢を防寒シートで巻いたり、あるいはそもそも寒くない場所へ移動させることもできるため、 安全を確保するという面では優れています。

地植えの場合はどうしても屋外で冬を越さなければなりません。
土の中まで凍ることもありますが、鉢植えと違い、直接根元が全方向から冷やされることはないので、 根元が露出しない限りは意外と耐えられます。
たとえ凍っても一定温度で止まります。
鉢植えの場合は放置していると凍っても鉢がさらに寒風に吹きさらされるので更に冷えるため、 しっかり深く根が張っているならば地植えの方が安全というタイプの植物もあります。
土から出ている地上部はこの限りではありませんが、根が生きていれば春になると再び芽吹いてくるものも多く、 根を守るという点では地植えの方が適しています。




目安となる温度と対策

最低気温もしくは夜間の温度

【+5度】

・非耐寒性植物は枯れ始める温度
・半耐寒性植物は軒下等へ移動を
・挿し芽の根が出にくくなる

大半のハーブは半耐寒性以上ですが、バジルなど余り耐寒性がないハーブも存在します。
一年草はこの年は終わりとなりますが、多年草で耐寒性がないものは室内などへ移動させます。
また、二年草であるイタリアンパセリなどは耐寒性はありますが新しい芽が出にくくなってきます。
挿し芽等も根が出にくくなってくるので、この温度以降は室内で水挿しなどにした方が良いです。

最低気温5度というと地域にもよりますが11月ごろになります。
この温度に到達すると稀に突発的な気温低下で2度前後になることがあります。
2度になると霜が降りる危険性があります。
耐寒性があっても急激な温度低下ではダメージを受けるので、半耐寒性のハーブや耐寒性でも若い苗や弱った苗は 霜や風の当たらない明るい軒下等へ移動させておきます。
ただし室内へ入れてしまうと翌年の耐寒性が育たないので温かくし過ぎないようにします。

・半耐寒性ハーブ
・購入したばかりの苗
・小さい苗、若い苗、弱った苗

【+2度】

・半耐寒性植物は寒風と霜に注意
・耐寒性植物も成長が止まる

夜間に2度になると夜露も冷たく、霜に変わり始める温度です。
弱い雨の場合もみぞれ混じりとなります。
イタリアンパセリなどは外側の葉が枯れ始めますが根は生きています。
半耐寒性の植物は突発的な温度低下に備えて、遅くともこのころまでには霜の当たらない場所へ移動しておきましょう。

この温度が目安となるころは、突発的な温度低下があると簡単に0度になりますし、風が当たると冷えます。
半耐寒性とされる植物でもミントマリーゴールドなどは地上部が枯れてきます。
パイナップルセージは徐々に寒さにならしてあればまだ耐えられますが霜にあたると葉が痛みます。
心配なら不織布などを巻いて霜よけをします。
タイムなどの耐寒性ハーブは葉が赤みを帯びてきますがまだ元気です。

・半耐寒性ハーブは霜除けの準備を

【0度】

・非耐寒性植物はほぼ枯れる
・半耐寒性植物はしっかり防寒
・耐寒性植物はまだ大丈夫

0度は水分が凍り始める温度です。
山沿いでは連日霜が降りるようになり、暖かい地方が原産地のハーブにはかなり厳しい温度となります。
葉が厚い・葉が軟らかいハーブは葉や新芽が傷みやすくなります。
また、ローズマリーは耐寒性ですが霜や寒風で若い枝先が枯れますので、株が小さいうちは不織布などで覆ったほうが良いでしょう。
半耐寒性の植物は防風シートなどで覆い、可能なら鉢や根元部分も覆います。
地植えの場合は根覆いといって、根元部分に腐葉土や切り藁、バークチップ等を敷き詰めます。
ヒソップは暖かい地方ではそのまま冬を越しますが、寒冷地では地上部が枯れます。
このような植物も根は生きていますので、株本は根覆いをして防寒しておきます。

0度といっても寒風が当たればさらに冷えますので、風避けも考える必要があります。
軒下の鉢植えの場合は壁際ギリギリに寄せます。
鉢植えがいくつもあるようなときは、壁際や風下・日の当たる側に心配な鉢を置き、 風上側や外周には寒さに強い鉢植えを置いてほかの鉢の防壁とします。

鉢植えの場合は鉢が全方向から冷やされてしまいますので、植木鉢が小さく冷えやすいような場合は、 鉢を背の低い箱やジュート(もしくはキャンバス)生地の袋などに入れます。
背の高い箱へ入れてしまうと日光を妨げますので低い・浅いほうが良いです。
植木鉢を新聞紙で包んだり、一回り大きな植木鉢にそのまま重ねるのもお手軽です。

ベルガモットやオレガノ、アニスヒソップやタラゴンなどは、この年に長く伸びた茎は枯れてきます。
秋以降に根元に出た背の低い芽だけが枯れずに生き延びるか、もしくは完全に地上部を枯らして根の状態で冬を越します。
生きているので、凍らせないよう注意が必要ですがたまには水を与えます。

・半耐寒性ハーブは防寒にぬかりなく
・鉢植えは鉢が冷やされるのを防ぐ

【−5度】

・半耐寒性植物は枯れる危険性が高まる
・耐寒性植物も一部注意

−5度になると土も水分ごと凍る可能性が高くなります。
昼間与えた水が残っていると、土ごと根まで凍ってしまうのか、半耐寒性ハーブでは枯れる場合があります。
北関東の平野部では−5度まで達することは稀ですが、−2度くらいにはなることがあります。
半耐寒性ハーブは多くの種類が−5度が生存の境目になります。
この温度に近くなったら半耐寒性は屋外での冬越しは厳しめで、日の当たらず冷える物置や納屋の中でも冬を越せない確率が高いです。
大株になって体力がある場合を除いては、おとなしく玄関の中などへ移動させたほうが良いでしょう。

耐寒性の品種は枯れることはありませんが、やはり根元が凍ると弱ってきますので根覆いをしたり、鉢を囲ったりしたほうが安全です。
秋に購入した若い苗や発芽して一年以内の小さな苗などはまだ体力がありませんのでしっかり防寒します。
ある程度育った耐寒性の植物であれば、南の壁に面して日の当たる軒下等であれば問題なく過ごせます。
このような場所であれば地植えの場合、対策なしで過ごせるも品種もあります。
またこの温度の冬を幾度か経験すると鉢植えでも耐寒性がそこそこ強まります。

・半耐寒性ハーブは室内へ退避を
・耐寒性も体力がない株はしっかり防寒

【−8度】

・耐寒性植物も本格的に防寒を

半耐寒性の生存の境目を−5度前後とするなら、耐寒性を名乗れるのは−8度よりも寒い温度に耐えられることが条件といっても良いでしょう。
ただし、鉢植えの場合は根元が冷やされますので厳しい条件となります。
何もせず−8度に耐えられるというのは、ある程度育っていて地植えという前提条件でということになります。

−8度という温度は北関東でも平野部ではほとんど見かける温度ではありません。
しかし山沿いの厳冬期の夜間では頻繁に達する温度です。
この温度では樹木を植えるような大型の鉢植えであれば土が芯まで凍ることは少ないのですが、小型の鉢では鉢を覆っても厳しくなります。
体力がない株や若い株の鉢植えはおとなしく玄関の中などへ移動しましょう。
地植えでも地方によっては凍(し)みるといって、地面がかなりの深さまで凍ります。
水分が多く粘土質の土壌では凍みやすくなるので注意が必要です。

屋外での冬越しの場合、鉢植えの場合は鉢と根元の防寒をしっかりしたうえで、少しでも条件の良い場所へ移動したほうが安全です。
地植えの場合は市販の不織布や防風シートなどで地上部を覆い、根元は根覆いをしておきます。
腐葉土はそのままでは風で飛ばされてしまうので、上にバークチップなど多少の重さのあるものを重ねると良いでしょう。

地植えでも寒風に弱いローズマリーは不織布等をまいても隙間から風が当たる部分や、 シートに当たっていて外気温に触れる部分は多少の枯れが出てきます。
蒸れない程度にシートを重ねるなどして対処します。
ローズマリーは耐寒性がないといわれますが、軽く防寒すればこの温度でも地植えで冬越しできます。

・何もせずに耐えられるのは育った地植えの株
・鉢植えの場合は注意
・地植えのローズマリーは防寒すれば意外と耐える

【−10度】

・鉢植えはおとなしく室内へ
・この温度が予想される場所の植え付けは日当たりを考慮して

防寒しても鉢植えでは厳しい温度です。
中型程度に育った株でも念のため室内へ移動しましょう。
この時、暖かい場所へ置いてしまうと耐寒性が弱まりますので、玄関の中など涼しい場所が適しています。
日中の温かい時間帯は可能であれば外へ出して日光に与えると良いですが、夕方室内へ取り込むのを忘れないように注意してください。

人気のハーブの多くが地中海近辺などの温かい地方が原産地なので、育った大株でもこの気温は厳しめになります。
南ヨーロッパなどでも丘陵地帯はかなり冷え込みますが、日本のような湿った粘土質ではないので耐えられます。
逆に言えば水分の多い日本の粘土質の土壌での冬越しは苦手です。

この気温となると、地植えで何もせずに耐えられるのはロンギカウリスや原種系のヤロウ、イングリッシュ系ラベンダーなど限られてきます。
ラバンディン系ラベンダーは大株に育つまでは地植えでも防寒と根覆いをしたほうが良いでしょう。
アルケミラは寒さに強いとされますが、さすがに葉の元気がなくなってきます。
ローズマリーはしっかり防寒と根覆いをして対処します。
タイムは若いうちは一応防寒と根覆いをしておきます。

同じ−10度でも、昼間は日が当たって暖かい場合と、一日中日光が当たらないでこの温度という場合ではかなり差が出ます。
さすがに山影などで日光が当たらない場所では地植えでも厳しいようです。
これ以上の寒さになる場合でも昼間は日光が当たる場所であれば意外と何とかなります。
分厚い雪に閉ざされてしまうような場所では、雪に覆われていたほうが寒風に当たらずに済むという場合もあります。
濡れた状態で寒風に当たると、耐寒性の強い品種でも若い枝や葉はかなり傷みます。

・耐寒性ハーブも鉢植えはおとなしく室内へ
・日当たりの確保を

【−15度】

・耐寒性が強い品種の地植えに限られてくる

北関東の山沿いの人里では夜間にたびたび達する温度です。
突発的な温度低下で達することがあるので、−10度になる地域では念のため−15度くらいまでは達するものと考えておきましょう。

ハーブ系統の中でこの温度に耐えられるものは限られてきます。
ただし、連日ではなくたまに達するくらいであれば意外と多くのハーブが生き延びます。
さすがに連日となると生存できるものは少なくなります。

耐寒性が強い品種でも購入してすぐの苗を地植えしてしまった場合は耐えられない可能性も低くありません。
可能であれば鉢植え等で1〜2年程度寒さに慣らしてから春に植え付けたほうが良いです。
すでに植え付けてしまった場合は、風上側に風よけをしたうえで地上部を防寒シートで覆い、根元もしっかり防寒します。
もしくは支柱と透明なシートで温室風の空間を確保しても良いでしょう。
ビニール系で覆う際は蒸れないように注意してください。

たまにこの温度に達するという場合は、日当たり良好な場所で、 ある程度育った地植えという前提であればロンギカウリスは特に対策もなく耐えられます。
この他、頑丈に育ったラバンディン系ラベンダーも品種によっては耐えられます(シールラベンダーなど)。
イングリッシュ系ラベンダーは根元が水分過多でなければ特に問題なく耐えられます。
コモンタイム系統や立性のローズマリーもある程度育った株であれば、防寒と根覆いを怠らなければ耐えられます。
日本では雑草扱いのダンデリオン(タンポポ)・マグワート(ヨモギ)・グラウンドアイビー(カキドオシ)・アカザとシロザ・ ソレル(スイバ)などは、地上部は枯れますが春には芽吹いてきます。

連日この温度となると、冷え込む日には−20度が見えてきますので、 −20度に達する可能性があることも考慮して品種を選ぶ必要があります。

・たまに達するくらいなら意外と耐えるが防寒には抜かりなく
・この温度で一度冬越し成功すると二年目以降は楽になる

【−20度以上】

・特に耐寒性が強い品種に限られてくる

北関東の山間でもあまり見かける温度ではなく、日が当たらず地温が低い場所や、山奥、標高の高い場所でないと達しにくい温度です。
たまに達する程度ならまだしも、連日となるとかなり限られた種類しか冬を越せなくなってきます。

ハーブ系統の中で連日のこの温度に耐えられるものとしては、サラダバーネット、イングリッシュラベンダー、ワイルドストロベリー、 コケモモ、クランベリー、レッドカラント(赤フサスグリ)などとなります。
園芸用の改良品種よりも原種に近いほうが耐性は強めとなります。

・ほとんど高山植物に近い
・イングリッシュラベンダーは水気に注意




【番外編】各ハーブの冬越し

代表的なハーブの冬越しの目安を簡単にまとめました

・ローズマリー、ラベンダー、タイムなどは?

ローズマリーは地植えの一年目は−8度、二年目以降は−10度くらいまでは簡単な防寒でOK。
薄い不織布で覆い、根元は腐葉土やバークチップで覆う。
霜や外気に当たった枝先部分は枯れるが、芯まで枯れていなければ大丈夫。
うまく育てれば三年目以降は−15度前後まで軽い防寒で耐える。
ただし大型化するので覆うのが大変になる可能性はある。

ラベンダーは品種による差が激しいが、冷涼地の屋外で冬越しできるのはイングリッシュ系とラバンディン系。
ラバンディン系のうち、寒さに強いシールラベンダーなどは地植えで苗が小さいうちは不織布等で防寒と根覆いを。
大株に育つと−10度前後まではそのままでも耐えられるようになる。
それ以外のラバンディン系は−8度くらいから防寒。
イングリッシュ系は土壌に水分が多いような場所でなければまず心配はいらない。
ただし過度に品種改良されたものや温室育ちの苗は一応防寒を。

ちなみに、寒さに若干弱い品種の風上にラベンダーを植えて風避けにするのはよく使われる手法であるらしい。

タイムやウィンターセボリは低温になると葉が赤銅色に変化する。
タイムも品種によってやや差があり、コモンタイムはそこそこ寒さに耐えるがレモンタイム系統は一段階劣る。
コモンタイム系は−10度を越すようであれば念のため防寒する。
クリーピングタイムは原種に近い系統はかなり寒さに強く、防寒対策も必要なし。
完全な匍匐性は自分自身の茎と葉で根覆いになっているので根元の心配もない。
霜で葉が焼けるが春になると勢いよく芽吹くので心配いらない。

・ヒソップ、オレガノ、イタリアンパセリ、タラゴンは?

ヒソップは低木の外見とは裏腹に、厳冬期になると地上部が枯れて春になると芽吹いてくるという、宿根草タイプ。
枯れた部分が目立つなら思い切って剪定してしまおう。

オレガノやベルガモット、アニスヒソップはその年に高く伸びた茎は枯れて、根元の低い位置の芽だけの姿で冬を越す。
あまりにも寒いと芽すら覗かないが、春になると芽吹いてくる。
イタリアンパセリは二年草で、冬季は外側の葉から派手に枯れてくるが、春になると芽吹いてくるので心配いらない。
タラゴンはほとんどの場合地上部は跡形もなく枯れるがこちらも春になるといきなり芽吹いてくる。

・パイナップルセージ、ミントマリーゴールドは?

パイナップルセージは半耐寒性だが、セージ系の上に大型種なのでほかの半耐寒性よりは比較的丈夫。
ただし霜で葉が傷むので、霜よけは必要。
不織布や防風シートなどで養生すれば意外と耐える。
根覆いと、根元数センチまでの高さを守るために切り藁などで覆っておくのも良い。

ミントマリーゴールドも半耐寒性。
やや性質は弱く、最初の寒風が吹いた時点で地上部がやられる。
いきなり気温が低下するとその日で枯れるので注意。
徐々にならせばある程度の低温にも耐えるが、−5度前後でうっかり水をやると土ごと凍って一発で枯れる。

・放置で冬を越せるハーブは?

ワイルドストロベリーは鉢やポットの土ごと凍っても平気。
サラダバーネットは極寒でも常緑で、クランベリーやコケモモに至っては氷漬けになっても平気。
原種系のヤロウに至っては冷涼地でも増殖、雑草化する場合あり。
もともと雑草的なダンデリオン・マグワート・ソレルも問題ない。
バーベインやサンジャクバーベナなどは地上部がなくなるが、夏のこぼれダネが伏兵として周囲に潜んでおり、 春になると親分の周囲に一斉に生えて集団雑草化する。
一年草や二年草でも、寒さに強いアブラナ科やセリ科のハーブは翌春にこぼれダネの子が生えてくる。
ちなみにサラダバーネットもこぼれダネで繁殖する。寒くても平気なので寒冷地ではいつの間にか集団で大型の常緑雑草と化していることもある。