寒冷地の庭をハーブガーデンに・・・まんねんろうの咲く庭で

menu

HOME > ある程度育ったら > 植え替え方法
ハーブが育って大きくなったのは良いのですが、なんだか鉢が窮屈そう。
茂りすぎたり、生育が止まったり、あるいは葉が落ちてきたりしたら根詰まりかも。
こんな時には植え替えを行って鉢植えをリフレッシュしましょう。

植え替えについて

植え替えの方法

鉢植えは、基本的に現在植わってる鉢より1〜2サイズ大きい鉢へ植え替えます。
生育が止まっていた場合は植え替えを行うことで再度成長を始めます。
土は通気性にすぐれ微量の養分を含んだ土に植え替えるのがベストです。


Contents 目次

【植え替えの前に】確認するポイント
 ・鉢のサイズは大丈夫?
 ・どんな土がいいの?

【植え替え方法】植え替えてみよう!
 ・植え替えの手順は?
 ・何かコツってあるの?
 ・植え替えた後はどうするの?

【こんな時は】植え替えのアクシデント
 ・鉢から抜けない場合は?


【植え替えの前に】確認するポイント

【鉢のサイズは大丈夫?】

植え替えに使う鉢のサイズは現在植わっている鉢より1サイズ大きいものにします。
植木鉢は号数で直径のサイズを現しますが、1サイズにつき直径が約3センチ違います。
鉢のサイズは厚さも含まれているため、実際には根の周りに1サイズにつき全体に8mmずつ広がったくらいです。
深さは約1.5〜2cm程度増えます。
生育が早い植物やすでにかなり大きくなっている場合は1サイズではなく2サイズ以上大きくても良いでしょう。
《 関連記事 》 準備するもの > 植木鉢


【どんな土がいいの?】

植え替えに使う土は挿し芽とは違い、多少の養分があったほうが良いでしょう。
ハーブの場合、大抵が水はけと通気性が良い土を好みますので、そのような土を選びます。
市販の園芸用培養土は養分が強く、ものによってはピートモスを大量に含んで排水性が劣るものもありますので、 培養土単体ではなく小粒の軽石や山砂(鹿沼土や桐生砂)、燻炭などを混ぜると良いです。
《 関連記事 》 土壌資材
《 関連記事 》 土壌資材 > おすすめ培養土


鉢底には鉢底穴より大きめの鉢底ネットを敷きます。
これを敷くことでナメクジや虫などが中へ入り込むことを防げますので必ず敷きましょう。
また、鉢底の通気性を確保するため、大粒の軽石などの鉢底石も用意します。



【植え替え方法】植え替えてみよう!

【植え替えの手順は?】

今回は料理用ハーブとしておなじみのオレガノを例に説明します。
大抵のハーブは同じ方法で大丈夫です。

オレガノの植え替え 今回植え替えるオレガノ。5年以上同じ鉢で過ごしています。
ぐんぐん成長する季節で元気です。


では植え替えてみましょう。


【1.鉢底ネットを設置する】 オレガノの植え替え1 鉢底ネットは必ず設置しましょう。
ナメクジなどの侵入を防げます。
穴より1まわり大きければOKですがもう少し大きめのほうが安定します。


【2.鉢底石を入れる】 オレガノの植え替え2 通気性が良く大きめの砂利を入れます。
市販の鉢底石や軽石、桐生砂などで良いでしょう。
実際には画像よりも多く、鉢の底面が隠れる程度に入れます。


【3.通気性資材を入れる】 オレガノの植え替え3 鉢底石の隙間が埋まる程度に通気性資材を入れます。
省略しても大丈夫ですが、この上に重ねる土がこぼれにくくなります。
小粒の軽石などで良いでしょう。


【4.メインの土を入れる】 オレガノの植え替え4 鉢底にメインとなる土を少量入れます。
今回はイケダの培養土を使ってみました。
この後に様子を見るので一度ここでストップします。


【5.苗の根鉢の処理をする】 オレガノの植え替え5 苗の根鉢の処理をします。
問題なければそのまま植えても大丈夫ですが、根が傷んでいる場合や古く劣化した根などは取り除きます。
ローズマリーなど根をいじられるのを嫌うタイプは根鉢はいじらずそのまま植えます。


【6.植え付けの高さを調整する】 オレガノの植え替え6 鉢に苗を入れてみて、高さの調整をします。
鉢のフチと苗の根元の土の表面の高さに1〜1.5cmくらいの差を持たせます(水鉢といいます)。
差がありすぎるようなら苗を取り出して底面に土を足し、差が少ないようなら土を取り除きます。


【7.隙間を土で埋めていく】 オレガノの植え替え7 根鉢と植木鉢の間を土で埋めていきます。
割りばしなどの細い棒で突きながら入れていくとしっかり入りやすくなります。
元の苗の土の表面と同じ高さまで入ればOKです。


【8.水を与えながら土を加える】 オレガノの植え替え8 土の表面が平らになったら水を与えてしばらく待ちます。
水が染み込むと土が締まり、土が足りず隙間があった部分が凹んでくるのでそのような場所に土を足してまた水をやります。
繰り返しながら最終的に凸凹がなくなればOKです。


【9.たっぷりと水を与える】 オレガノの植え替え9 土を入れ終わったらたっぷりと水を与えます。
鉢底穴から流れ出てくるくらい与えます。
植え替えた日と翌日くらいは半日陰で様子を見ます。
数日たつと乾くにつれて土が落ち着いてきます。
これで無事に植え替え完了です。



【何かコツってあるの?】

植え替え後の定着率を高めるためにはコツがいくつかあります。
それは水をうまく使うことです。

植え替え時のコツ1 植え替えに使う土を湿らせておくと定着するのが早い。 ぐちゃぐちゃにする必要はなく、ある程度湿っていればOK。


植え替え時のコツ2 植木鉢を何回か地面に軽くあてると土が締まる。 水をやりながら行うこと。
鉢を上下方向に揺らして鉢底を軽く地面にぶつける。
たたき割らないよう注意。


植え替え時のコツ3 植木鉢を円周方向に小刻みに揺らす。 水をやりながら行うこと。
きちんと締まっていない土が浮いて来るのでしっかり押さえる。
土が足りていない隙間があぶりだされるので土を補う。


上記のように鉢を細かく揺らしていると土が締まってきます。 すると土が足りない部分が隙間となって表れてくるので土を足します。


植え替え時のコツ4 矢印の部分の用に隙間が出てきたら土を足して埋め、再度水を与え、鉢を再度揺すってを繰り返します。
最終的に土がしっかり締まって凹凸がなくなればOKです。


これをすると土が締まり、根がしっかり生えることで定着が良くなります。



【植え替えた後はどうするの? 】

植え替えたあと1〜2日間は日差しの強い場所や高温になる場所は避け、半日陰や東側の軒下などの明るい場所で養生します。
しおれたりする様子がなければ元の場所にもとして大丈夫でしょう。


ごくまれにですが、根詰まりなどで生育が止まってた鉢植えなど、植え替えることでスイッチが入って一気に成長することがあります。
すると逆に生育しすぎてまたすぐに根詰まりになることがあります。
そのような場合は2サイズ以上大きな鉢に植え替えるか、庭の地植えに移行するかしましょう。


【こんな時は】植え替えのアクシデント

【鉢から抜けない場合は?】

根の発育が旺盛なタイプや、根詰まりしている場合、 あるいは根が細かくぎっしり密になるタイプは植木鉢から抜こうにも抜けない状態に陥ることが多々あります。

こんな時な無理に引っ張ってはいけません。

鉢から抜けない 鉢の中心だけでなく全体から生えているような茂りっぷり。
このような状態ではすでに鉢全体に根が回っていると考えられます。
根鉢も固く締まっているでしょう。


抜く方法はいろいろありますが、ビニールポットの場合は軽くもむとほぐれて抜けやすくなります。
素焼きの植木鉢の場合は、鉢を逆さま(真っ逆さまでなく斜めくらいでOK)にします。
苗を折らないように注意しながら鉢のフチを軽くコツコツと地面に当てながら鉢を揺すります。


樹脂製の植木鉢の場合、材質が薄かったり柔らかめである場合はビニールポットより力を入れてもむと中身がほぐれる場合があります。
材質が固い場合は両手で植木鉢を持ち、鉢底を強く地面に当てます(素焼き鉢でやると割れるので注意)。


一般的な方法としては、薄いヘラ状のものや細い棒などで鉢の内側をぐるりと掻きます。
鉢と根鉢(根と土の塊)の間に隙間ができれば抜けるようになります。
ただしあまりにも根が詰まっている場合、ヘラすら入らないことがあります。
また、少しですが根を傷める可能性もあります。


鉢から抜けない2 細かい根がぎっしり固まった根鉢。
完璧な姿で立つ始末。
ここまで根が回るとヘラすら入らず、隙間が作れない。


隙間を作っただけでは抜けない場合や隙間が作れない場合、鉢底穴から中身を押し出す方法も併用すると良いでしょう。
ただし、鉢底ネットが入っていない場合は穴から棒が刺さるだけで出てこないことがあります。


どうしてもダメなら枝や葉が多少折れるのは覚悟で、鉢を逆さまにし、上下に強く降って中身を振り落としましょう。
この時あまり高い位置でやると落下時のダメージが大きいので、しゃがんで低い位置で行いましょう。
樹木系ハーブは見事に折れますが、大抵のハーブは回復力が強いので元気な株なら多少折れてもすぐ回復して茂ります。
折れるのが怖い場合は次の項目、最終手段へ行きます。


それでもダメな場合は最終手段で植木鉢を破壊しましょう。
素焼き鉢なら金槌で叩き割り、樹脂鉢はペンチなどで少しずつ切ります。
株分けできる植物であればスコップを差し込んで株そのものを割ってしまいましょう。


が、大抵の場合はそこまでしなくても、鉢を逆さまにして地面にコツコツ当てながら振ればずるずる出てきます。

【まとめ】

CHECK! 植え替えのポイント

・土は湿らせながら行うと締まりやすい
・鉢底ネットを忘れずに
・鉢と表土の高さに差をつける(水鉢)
・抜けない時は鉢を振る


▲ TOP