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寒冷地、冷涼地ではある程度耐寒性が強い植物でないと冬越しが難しくなってきます。
しかし、良い条件の植えつけ場所さえ確保できれば半耐寒性でも軽い防寒で冬越しできます。
ここでは冬越ししやすい場所や冬越ししやすい場所にする方法をいくつか挙げてみます。

植えつけ場所を工夫する

建物や塀などの構造物を風上側にすることで風を防ぐことができます。
また、住んでいる家であれば多少の温度もありますし、塀や石垣なども日光が当たれば熱を蓄えます。
このような熱源に沿うように植えることで冷たい風から守ることができます。

Contents 目次

【防寒対策】植えつけ場所を工夫する
 ・建物や構造物を利用しよう
 ・防風のための植物を植えよう
 ・意外な置き物で防寒対策
 ・注意するポイント

【関連記事】
 ・冬越しの方法


【防寒対策】植えつけ場所を工夫する

【建物や構造物を利用しよう】

家の敷地には住居や物置などの建築物や、塀、石垣などいろいろな構造物があります。
これらは寒い冬場には風よけや熱源としてとても重要となります。
庭の地植えで冬を越す場合は、これらの配置を考えて植物の植え付け場所を考慮すると良いです。


CHECK! 建物や構造物との関係

・日あたりは確保できるか
・風よけになるか
・熱を蓄えて放出するか
・落雪には注意



【住居が最大の防壁】 冬場、一番の防壁となってくれるのは居住している住宅です。
居住している建物は冬の間は暖房を焚いていることが多く、建物自体が温まっています。
さらに向きによっては風よけにもなるので、実際の温度以上の差となります。
軒下で霜などをよけられることも重要ポイントでしょう。


日光が当たっている壁面は蓄熱するため輻射熱もあります。
住居のすぐ軒下と数メートル離れた場所では配置にもよりますが温度だけでも1〜2度前後の差があります。
蓄えた熱のために夜間の冷え込みも少なめです。



図のように南側から日が当たる住居では、南に面した部分は日光・太陽の反射・ 建物からの輻射熱とかなり温度が上がります。
建物の南の外壁が昼間のうちに熱を蓄えているため、夜間も冷えにくくなります。


建物の東や西は一日中日光が当たっているわけではありませんが、軒下などの壁面に近い場所であれば建物からの熱のためにあまり冷え込みません。
もちろん建物から離れれば別ですが、建物に近い植え込みや花壇であればさほど心配いりません。


【塀や石垣も優秀】 塀の場合、塀そのものの日陰になってしまう場合はダメですが、例えば塀が植込みの背後で日光が当たっている場合、 こちらからの輻射熱も期待できます。
特に擁壁や石垣は日光で温まると一枚板の塀と違って長時間の熱源となります。
これらは風よけとしても優秀です。


【離れや小屋も利用価値あり】 物置や納屋などの建物が複数ある場合も風よけや輻射熱は期待できます。
居宅ではないため暖房の恩恵はなく、夜間の熱源としては弱いですが、昼間の太陽光の蓄熱があるため完全に冷え込んでいる時間帯は少なめとなります。
ただしあまり入り組んで建っている場合は風の通り道ができてしまう場合があるので、冷たい風が吹き抜ける場所かどうかは確認したほうが良いでしょう。


【防風のための植物を植えよう】

風よけには、風上側に寒さに強い植物を植えて風よけになってもらうという方法もあります。
風を防ごうと全く光を通さない板状の構造物を立ててしまうと板の北側の地温が下がり、 地表を冷たい空気が流れてきます。
植物を植えるのであればそこまで温度は下がりません。


冬に風が吹いてくる方向は地形によって異なりますが、 特に北東からの風は冷たく強いのが特徴です。
また、山から吹き下ろしてくる風や大きな川に沿って流れる強風も厳冬期にはかなり厳しいため、それらがある方向にも風よけの木を植えます。


風よけといってもあまり背の高い植物を植えてしまうと後々邪魔になってきますので、 低木状のハーブを風よけにするのがオススメです。
イングリッシュラベンダーは寒さに強いので風よけになり得ます。
寒さにならして育てればラバンディン系ラベンダーでも風よけにできます。
基本的にラバンディン系の方が葉も大きく株も茂るので風よけとしては適しています。
《 関連記事 》 他のハーブに守ってもらう


【意外な置き物で防寒対策】

守りたい植物がある場合、すぐその背後(北側や風上側)に蓄熱するものを置くのも有効です。
日光で温まるもので、なおかつ風よけになるものが良いでしょう。


良く使われるのはレンガや大きめの庭石ですが、使っていない植木鉢やプランターを逆さまに置く方法もあります。
特に大きめの素焼き鉢やプランターが良いでしょう。
太陽で蓄熱しやすく輻射熱が期待できることと風よけにもなることでお勧めです。
より効果を期待するなら角型・スクエア型のものを選ぶと良いでしょう。
植木鉢やプランターは空っぽでも構いませんが、耐寒性の強い植物が植わっているならそのまま使えます。


【注意するポイント】

積雪地の場合はあまり建物に近いと屋根からの落雪に押しつぶされることがありますので、 枝の折れやすい種類は避けた方が無難でしょう。
鉢植えの場合も植木鉢ごとなぎ倒されますので、 完全に軒下の範囲に入るようにするか、落雪が積もらない場所を考慮します。


また、場合によってはツララが地面に到達したり、ツララから常に冷たい水がしたたり落ちてくるような場所も注意します。
このような場所に植えたい場合は、特に耐寒性が強い植物を植えることになります。

氷漬けになったクランベリー 例えばサラダバーネットなら落雪に押しつぶされてそのまま春まで雪の下でも耐えられます。
クランベリーやコケモモは氷柱と共に氷漬けになっても耐えられます。