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寒冷地、冷涼地では霜や寒風で植物が傷むことがあります。
出来るだけダメージを防ぐことが冬越しの成功率を高めるポイントとなります。
ここでは風や霜への対策を少し紹介します。

風や霜への対策

風や霜への対策

風や霜から守るには、その年初めての寒風と霜から守り切れば後は何とかなります。
晩秋から11月にかけてが要注意で、風や霜の避けられる軒下などでうまくやり過ごします。
ここでは霜や風の予兆となるシグナルとその対策を説明します。


Contents 目次

【風や霜への対策】寒さへの対策を考えよう
 ・いつ頃から注意が必要?
 ・予兆はあるの? シグナルは?

【風や霜への対策】実際に対策してみよう!
 ・寒風への対策は?
 ・霜への対策は?
 ・あると便利なものは?

【関連記事】
 ・冬越しの方法


【風や霜への対策】寒さへの対策を考えよう

【いつ頃から注意が必要?】

1日の最低気温が5度前後になると突発的な気温低下で霜が降る温度まで低下したり、 乾いた冷たい風が吹き付けることがあります。
季節的には北関東で11月ごろになります。


CHECK! このころから注意

・北関東では11月ごろから
・天気予報の最低気温が5度に近づいたころ
・木枯らしが吹き始める少し前が要注意


11月はまだ秋も終わりといった感じで、本来は耐寒性が強い植物もまだ寒さ慣れしておらず、 冷たい夜露や急な寒風にあたると傷む可能性が高くなります。
特に半耐寒性の植物はいきなり大ダメージを受けることもあるので、 天気予報の最低温度が5度近くになったら冬のための準備を行いましょう。


突発的に枯れる可能性が高いのは、その年初めての寒風にあたった時です。
天気予報で急激な温度低下が予想されたときは要注意です。
だいたい北関東では11月も中ごろになり、ある日突然冷たい風が吹くことがあります。



【予兆はあるの? シグナルは? 】

11月になると、木枯らしともまた違う、うっすら晴れて風も強くない割には冷たい風が吹き付けてくるような日が出てきます。
このような風にあたると耐寒性のある植物でもまだ寒さに慣れていないため、若い苗や、大株でも枝先の若い芽や葉は傷んでしまいます。


この最初の寒風がいつ吹くかはわからないので、気温が下がり始めたらひとまず風の当たらない場所へ植木鉢を移動します。
建物や壁沿い、軒下やほかの大きく育った植物のそばなどで良いでしょう。


冷たい風が吹くようになるとしばらくして夜露が降りるようになります。

露が降りるようになったらそろそろ準備を 霜の前兆として、早朝に草の葉の上に細かい白い粉のような水滴、つまり露(つゆ)が見られるようになります。
さらに冷え込むと露から霜へと変化します。
夕方の時点ですでに露が降り始めているなら夜間に霜に変わる危険性があります。


10〜11月に夜露が降り始めると霜が近いシグナルです。
鉢植えなどは軒下に移動させるのが簡単ですが、建物の向きや位置、 風向きによっては軒下でも霜の被害を受けることがあります。


その軒下が安全かどうか確かめるには、まず朝に降りている夜露を見て、軒下に降りていなければその軒下は安全です。
逆に軒下も濡れている場合は霜が降りる場所となりますので、霜よけが必要になります。
霜の降りない軒下がある場合は植木鉢はひとまずそちらへ移動させればよいでしょう。


ちなみに降りているのが露であるうちは、早朝に庭を見ると一面がうっすらと白いものの、すぐに消えます。
これが霜になると、一面白いのは変わりませんが、ラメが入っているようにキラキラして見えます。
露が霜に変わる前に対処を終えておきましょう。


強い霜 更に強い霜になると、遠見にはうっすらと雪が覆っているように見えます。
近づいて見ると弱い霜とは結晶の長さが違います。


このような強い霜に対処無しで耐えられるのは何度か冬を経験した丈夫な種類でないと難しいです。
その冬の一度目でここまで強い霜になることは考えにくいですが、霜にならない露の時点で対策を終えておくようにします。


CHECK! 霜が降りるシグナル

・夜間に5度を下回ったら注意
・朝起きて露が降りていれば準備を
・夕方に露が降り始めると危険サイン
・2度あたりから露が霜に変わり始める



【風や霜への対策】実際に対策してみよう!

【寒風への対策は?】

寒風で枯れる機会は2回あり、まずは最初の寒風への対処が必要となります。
その年一度目の寒風はいつ吹くかわからないため、近い季節になったら風が直接当たらないようにする必要があります。


一度目の寒風はまだ全く寒さに慣れていない状態で受けるため、特に半耐寒性の鉢植えは甚大なダメージを受けます。
耐寒性が強い植物でも若い枝先や新芽などはダメージを受けます。
それを防ぐには、明るい軒下で物陰になるような、風の当たらない場所へ植木鉢を移動します。
温室があればそちらが良いでしょう。


とはいえ、温室を作るのは難しいので、ひとまずは棚を用意し、そこに植木鉢を乗せて透明なシートで周囲を覆うと良いでしょう。
完全に覆ってしまうと蒸れてしまうため、上部は開放しておきます。
もしくは温室のようになる棚カバーがありますのでそれを購入し、日の当たる側を開けておくのも良いでしょう。


ただし、冬越しに備えて植物の持つ耐寒性を高めたい場合は温室に入れてしまうと耐寒性があがりません。
温室やビニールカバーで被うのは半耐寒性以下の寒さに弱い植物のみにとどめておきます。
《 参考記事 》 準備するもの > ガーデンラック(冬越し用)


庭に地植えをしている場合は、植物の周りに支柱を立て、寒冷紗や薄い不織布などのシートで周囲を覆います。
シートはビニール等の蒸れる素材は避けます。
《 参考記事 》 準備するもの > シート類


その年の最初の寒風を無事やり過ごすと徐々に気温が下がってきます。
その後は寒さ自体には慣れてくるものの常時冷たい風にさらされるようになりますので、今度はその対策になります。


鉢植えの場合は一度目の寒風の前に軒下などの風の当たらない場所へ鉢を移動していると思います。
この後は冬に備えてその植木鉢の並びを組み替えます。


外側に寒さに強いハーブを 軒下の壁際などの日が当たって暖かい場所へ若い苗や寒さに慣れていない鉢を並べ、その外周に寒さに強い植物を並べて覆います。
寒さに強い植物に守ってもらう形となります。


冬越しに備えて耐寒性を高めたい場合はこの方法で風を避け、時折鉢の様子を見て場所を組み替えていきます。
基本的に寒さに弱めの鉢やダメージを受けそうな鉢が内側です。


この鉢植えを複数列に並べる方法は地味ですが結構威力があります。
ただし、一番外側は霜や雪がかかる可能性があるため、ある程度育った頑丈な植物か、極端に寒さに強い種類を置くのが良いでしょう。



【霜への対策は?】

寒さに強いハーブでも晩秋や初冬のうちはまだ寒さに慣れておらず、霜で葉が焼けて枯れてしまうことが多々あります。
特に半耐寒性程度の強さの植物では一度で枯れることもありますので注意が必要です。


鉢植えの場合は霜の当たらない軒下の壁際などへ移動させると良いでしょう。
物置や納屋などの屋根の下や内部でも良いですが、 日が当たらない場合は地温・室温が上がらないため、人の住まない屋内では逆に低温すぎて耐えきれない場合があります。
外で日の当たる軒下のほうが冬越しという面では生き残る可能性が高くなります。


霜の当たらない場所が確保できない場合は防霜シートを設置します。
日光を通す薄いシートが良いでしょう。
植物の周囲に支柱を立てて支柱にシートを留め付けます。
風よけの時は上部を開放しましたが、霜よけの場合は上部を閉じます。


庭に地植えの場合も霜に弱いタイプの場合は防霜シートの設置となります。
植物の周囲に支柱を立て、支柱にシートを留め付けます。
寒冷地では樹木に直接シートを巻きつけているのを見かけると思いますが、ハーブにはあまり適しません。
シートと植物が触れない程度の空間があったほうが良いです。


霜も風も同じシートで防げますが、設置の際に上部を解放した場合は風よけ、上部も閉じた場合は霜よけとなります。
蒸れを防ぐには上部を解放したいところですが、 霜は上から降りてくるので霜よけの場合はどうしても上部を閉じる必要が出てきます。
この場合は蒸れを防ぐために横方向に余裕を持たせ、巻きつける場合はやや緩めにしておきます。


【あると便利なものは?】

風や霜をよけるのに必要なものは支柱とシートになります。
防風シートや防霜シートというの名称で販売されているものもありますが意外と使い勝手が良くないので、 ここでは使いやすく便利な支柱とシートを紹介します。


【シート類】
おすすめのシートは白の寒冷紗と同じく白で薄いタイプの不織布です。
この2種類は軽く薄く、軟らかくて扱いやすいのがポイントです。
適度に目が込んでいるため、霜も風もある程度防いでくれます。
薄いので日光不足にもなりにくいです。


白の寒冷紗は極寒の寒冷地だとやや力不足ですが、通常の冬越しには十分です。
不織布は風を通しにくいので、風に対しては白の寒冷紗よりは防御力があります。


これらのシートは、枝がしっかりして葉も大きいような植物にはそのまま巻きつけることもありますが、 そこまで大きくない場合は支柱を植物の周りに立て、 シートを袋状にして支柱に巻くか留めつけると良いでしょう。


逆に目が詰まって硬く厚いようなシートは、植物や支柱に巻くのではなく、風上側に壁のように張って風よけにします。
風よけのスクリーンを張るような形になります。
黒の寒冷紗や市販の防風シートが該当します。
ただし網タイプの防風シートは使い方が違うので風よけには使えません。


黒の寒冷紗は地面の保温や霜対策に敷かれることがあります。
根元の地面が霜柱で浮き上がってしまうような場合には使ってみるのも良いでしょう。
この場合は地面に専用の留め具やピンで差し込んで留め付けます。
《 参考記事 》 準備するもの > シート類


【支柱類】
支柱はまっすぐなものと、シートをトンネル状にかけるときに使うU字タイプが主に販売されています。
地植えや植木鉢1つずつにシートをかけるときはまっすぐなタイプの支柱を使うことが多いです。
U字タイプは主に野菜の直播用ですが、植木鉢を複数並べて全体にシートをかける場合には使えます。


意外とおすすめなのが朝顔用の円形支柱です。
複数段の円形の輪と3〜4本の支柱で成り立っています。
これを植物を中心に立てて、支柱にシートを巻きつけると楽です。
サイズによっては袋の底を切って筒状にしてかぶせることもできます。
この方法が一番確実で楽でしょう。
《 参考記事 》 準備するもの > 支柱類


朝顔の円形支柱と同じような利用の仕方ができる意外なものに植木鉢スタンドがあります。
横から見ると台形状になるものが多いのでシートをうまく留め付けないとずれてしまいますが、 支柱と違って台を置くだけなので非常に楽です。


【その他】
棚やプランターで背面にラティス付きのものがあります。
これらは簡単な風よけになるので、背面を風上にし、プランターや棚板面に日が当たるように設置すると良いでしょう。
特にプランタータイプは中に植木鉢を入れれば鉢の温度低下も防げるのでお勧めです。


【まとめ】


CHECK! 風や霜への対処のポイント

・気温が5度を下回ったら注意
・晩秋10月終わりから11月に要注意
・その年最初の寒風が被害甚大
・まずは軒下へ
・鉢植えは内側と外側で守りあう
・薄手のシートと支柱をうまく使おう


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