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HOME > ハーブの育て方  > ローズマリーの育て方(1)
ローズマリーの育て方は日当たりと土の排水性・通気性さえ確保すれば他は難しくありません。
暑さ寒さにも強く、お手入れといえば花ガラを摘み取るくらい。
まずはローズマリーの基本的な育て方、さらに実際に育てた感想と管理人流の育て方を紹介します。

【ローズマリーの育て方(1)】 ローズマリーの基本情報

ローズマリーの育て方

ローズマリー Rosemary (シソ科)

多年生・小低木(常緑樹)
耐寒性有
立性および匍匐性、半匍匐性

乾燥気味を好む
アルカリ性の土壌を好む
日光を好む

ローズマリー(ハーブ図鑑)

ローズマリーはこんなハーブ

CHECK! ローズマリーの特徴

 ・ 頑丈
 ・ 挿し芽がカンタン
 ・ 管理が楽
 ・ 虫が付きにくい


【ローズマリーの育て方(1)】 目次

Contents 目次

【Start/Page1】ローズマリーを育てる前に
 ・水はけと用土について
 ・ローズマリーの耐寒性について
 ・ローズマリーの成長について

【Step:1/Page1】ローズマリーの苗の選び方
 ・苗の選び方

【Step:2/Page2】ローズマリーの日常の管理
 ・ローズマリーの日常の管理
 ・ローズマリーの水やりのポイント
 ・ローズマリーの肥料のタイミング
 ・ローズマリーの剪定、切り戻し
 ・ローズマリーの植え替えのタイミング

【Step:3/Page3】ローズマリーの種や苗からの育て方
 ・挿し木(挿し芽)で苗を作る場合
 ・苗から育てる場合
 ・ローズマリーの耐寒性と冬越し
 ・管理人流育て方

【Question】ローズマリーの育て方で困ったときは
 ・育て方で困ったときは


ローズマリーを育てる前に

ローズマリーは比較的育てやすい部類なので特別な準備は必要ありません。
地植えか鉢植えかで多少異なりますが、注意が必要なのはかなり湿り気が強い場所に植える場合くらいです。
ローズマリーを育てようと考えたときに、一番の関心はやはり水はけの問題と冬越し(耐寒性)かと思われます。


【水はけ・用土について】

CHECK! 水はけ・用土のポイント

・水は連日与えない
・植木鉢は素焼き
・土は軽石などを混ぜて通気性確保
・常時の湿気には排水対策


水はけについては、鉢植えであればいわゆる水はけのよい土に植え付けて鉢は素焼き(塗装がないもの)を選んでおけばまず問題ありません。
プラスチック鉢では中が蒸れてしまいがちなので避けたほうが無難です。


水はけのよい土に関しては、市販のハーブ用土などの配合済みの園芸用土は意外と保水性が強いので、 小粒の軽石や桐生砂を半分くらい混ぜて排水性と通気性を確保します。
あとは毎日水をあげすぎなければ大丈夫です。
水やりは時々忘れるくらいでちょうど良いです。


土のPHはさほど気にしなくて大丈夫ですが、強い酸性の場合は念のため草木灰や石灰で事前に中和しておくとよいでしょう。
日当たりを好みますが、多少日が薄くても若い枝先を除けばタイムほどの徒長はありません。
ただし春先に芽が伸び始める季節に日光が薄いと少し徒長気味になります。
日が当たるならば室内でも良く育ちます。


地植えの場合、普通の庭土なら問題なく育ちます。
乾燥を好むとされますが多少の湿気には耐えられます。
ただし常に湿っていると、豪雨や土砂の流入などの緊急事態が起きたときに根腐れで枯れてしまいます。
粘土質の場合は周りから水分が流れ込まないように周囲に溝を掘るなどしてそれ以上の水気を近づけないようにします。
また粘土は粒子が細かく、根の周囲を隙間なく埋め尽くしてしまい、土中の通気性がゼロになってしまいます。
軽石等の通気性のある材料を混ぜ込むと根腐れの可能性を低くすることができます。


地植えの場合、あまりにも湿気の多い場所や粘土質の場合は、周辺に配水用の溝を掘ります。
多少の雨や湿気には耐えますが、常時の湿り気や水分の多めの粘土質には短時間しか耐えられません。
どうしてもそのような場所に植える際は、土の通気性を確保し、排水対策をしてから植え付けることになります。


【ローズマリーの耐寒性について】

CHECK! 冬越しのポイント

・苗が小さいうちは植木鉢で
・徐々に寒さに慣らす
・株が大きくなれば大丈夫
・心配なら簡単な風避けと根覆いを


耐寒性に関しては、一般的に説明されるよりもあります。
品種によって多少異なるようですが、全体的には想像以上にあると思ってよいでしょう。
全体的に立性のほうが耐寒性はあるようで、 ごく一般的なマリンブルーの系統では北関東の山間でも不織布程度の防寒と根覆いだけで地植えで冬越しできます。


ただし購入した苗の一年目くらいは耐寒性がありませんので地植えで冬越しさせる場合は注意します。
小さな苗を購入した場合は1〜2年くらいは植木鉢で育て、 寒い日だけ室内に取り込むなどして徐々に寒さに慣らしていきます。
株がある程度大きくなれば屋外の地植えに移行しても大丈夫です。
寒さに慣れたら防風シートや根覆いは厳冬期だけで大丈夫になります。
株が大きくなると耐寒性が上がります。


ローズマリーの生えている場所にも左右されます。
日当たりのよい南向きで、すぐ背後に家の壁などがある場合はほとんど何の心配もなく冬越しできます。
この場合、壁などの輻射熱と風避けがポイントとなります。
大体この場合は家の軒下にあるので霜もよけやすく、冬を越すには適した場所となります。
東や南東などでも、昼くらいまで日があたるなら何とかなります。
ただし北風が吹きつけたり、家や塀の日陰だったり、地面の温度が上がらない場所は厳しくなります。


【ローズマリーの成長について】

CHECK! 成長のポイント

・成長はかなり早い
・植木鉢は根詰まり注意
・地植えにすると大型化する


成長はかなり早いほうで、鉢植えの場合は毎年もしくは一年半おきに植え替えが必要になります。
根詰まりしやすいので、植え替えの際は一回り大きい鉢へと植え替えます。比例して株も大きくなります。
寄せ植えの場合はほかの植物を圧迫しないよう、コンパクトな品種を選んだほうが無難です。
基本的に鉢植えの場合は鉢のサイズに比例した大きさに育ちます。


地植えの場合はかなり大型化するため、植え付ける前にスペースをよく考えます。
移植は難しいので、一度植え付けたらずっと同じ場所で育てることになります。
一本を大型化させる場合、株の高さも横幅も余裕で1m越えになります。
生垣にする場合は60センチ間隔くらいでいいでしょう。


ローズマリーの選び方

ローズマリーは品種が多く、花色や立性・半匍匐性・匍匐性といった姿で選ばれることが多いです。
ここではそのような姿かたちではなく、苗そのものの良しあしを見分けるポイントを紹介します。


CHECK! 【苗の基本の選び方】

・葉の緑が濃くて鮮やか
・葉に色の薄い斑点があるものは避ける(ハダニ)
・根元や幹が太く木質化している
・根元がしっかりしていて揺らいでいない
・茎がグネグネと細かく曲がっているものは匍匐性であっても避ける(徒長)


全体的にローズマリーの葉は色が濃いめですが、葉の色が濃いだけでなく鮮やかなものが元気な証です。 芽吹いたばかりの若い葉は白い粉のようなものを纏っていますが、これは若葉の特徴なので問題ありません。


ただし、白い粉がうっすらと葉の全体に均一に纏っているのではなく、まだらのようになったり粉の部分が盛り上がって見える場合、 あるいは木質化した部分にも粉を吹いている場合はうどんこ病や白カビの可能性が高いので避けましょう。


全体的にカサカサしていて色が薄い株は要注意です。
拡大して見ると点のように細かい斑点がある場合はハダニの害の疑いがあります。
ハダニはなかなか根絶できないのでこのような株は避けます。


葉の先端のみが茶色く枯れているものは水切れや根詰まりを経験した株ですが、植え替えれば元気になるので 見た目が気にならないならさほど気にしなくて良いです。
全体の色合いがぼやけている・ところどころに鮮やかな黄色い葉が混じってぽろぽろ落ちるものは根詰まりしていますので、 手に入れた場合は早急に一回り大きな鉢へ植え替えます。


ローズマリーは低木に育ちますので、根元や幹の部分は硬く木質化します。
全体のサイズに対してこの部分が頼りない株は避けます。
可能であれば根元を確かめ、しっかり根付いているものを選びます。
本来根の発育が旺盛な植物ですので、根元がぐらついているものは避けた方が無難です。
また、まれに気根が発生しているものもありますが、全体が元気ならば問題ないでしょう。


ローズマリーには匍匐性の品種もありますが、 特に立性の苗で枝が細かく曲がったりうねったりしているものは徒長の可能性があるので避けます。
若い緑の枝葉は日光が足りないと徒長して曲がります。
たとえ匍匐性でも徒長は姿が乱れますので避けた方が良いでしょう。


ローズマリーは優美な姿かたちの植物ですが、 低木とはいえやはり樹木なので成長後は意外とがっしりとした姿になります。
苗の時点でも勢いがうかがえるものを選びましょう。


CHECK! 選ぶ際のポイント

勢いと元気の感じられるものを選ぼう!


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