寒冷地の庭をハーブガーデンに・・・まんねんろうの咲く庭で

menu

HOME > ある程度育ったら > 剪定の方法
よく育って茂った株などは剪定したほうが良い場合があります。
また、成長を促すための切り戻しや、枯れた花などの処理にも剪定が良い場合があります。
剪定したほうが良いと思われるポイントを考えてみます。

剪定で切り落としたもの

剪定と切り戻し

切り戻しもその意味や方法は剪定も同じようなものです。
樹形を整えたり伸びすぎた枝を切ったり、あるいは成長を促すために切ったりします。
主に低木系のハーブで必要になる作業です。

Contents 目次

【切り戻しの基本】切り戻し(剪定)とは?
 ・切り戻しの目的は?
 ・切り戻しのタイミングは?

【切り戻し】切り戻してみよう!
 ・切り戻しの仕方
 ・どこを切り戻せばいいの?
 ・切り戻した後は?
 ・剪定したら枯れた! という場合

【参考】
 ・挿し芽(挿し木)の方法
 ・ハサミ


【切り戻しの基本】切り戻し(剪定)とは?

【切り戻しの目的は?】

切り戻しも剪定も似たような意味で、ともに植物の枝を切り落とすことを言います。
切り戻し・剪定はやみくもに行うものではなく、目的があります。
ここではまず目的について少し触れてみます。


CHECK! 切り戻し・剪定の目的

・切り詰める
・枝を透かす
・脇芽を増やす
・花後の処理


【切り詰める】 形を整える目的で行われます。
大きくなりすぎた場合や、枝が伸びすぎた場合に適した長さまで切り戻します。
また、間延び・徒長した場合にも正常な部分まで切り詰めることで形を整えることができます。


【枝や葉を透かす】 生育が旺盛で枝や葉が茂りすぎてしまった場合や脇芽が出すぎた場合は剪定して数を減らします。
風通しを良くすることで中心部の蒸れを防ぎます。


【脇芽を増やす】 枝や脇芽の数が少ない場合は枝の先端を切除することで脇芽の発生を促します。
まっすぐ伸びたかるタイプの植物に有効です。


【花後の処理】 花が盛りを過ぎたら花や花茎を取り除きます。
放っておくとアブラムシが発生したり余分な種を作って体力を消耗したりするので早めに剪定します。


【切り戻しのタイミングは?】

切り戻しはいつでもできますが適した時期・タイミングがあります。
目的に応じて適した時期に行いましょう。


CHECK! 切り戻し・剪定の時期

・成長し始めてしばらく経ったら
・気温と湿度が上がる前
・花が盛りを過ぎたら
・成長が終わったら


【成長し始めてしばらく経ったら】… 生育を促進する 大抵のハーブは年に2回、春から初夏にかけてと初秋のころに成長の時期があります。
成長し始め、成長が旺盛になりかけたら新しい枝の先端を剪定します。
この剪定を行うと脇芽の発生が促進され、株が充実します。


【気温と湿度が上がる前】… 蒸れ対策 春から気温が上がりますが、湿度と共に上がるのは梅雨の直前です。
この時期までに植物は旺盛に生育していて株はかなり充実していると思いますが、 大株になってくると枝や葉が茂りすぎて植物の中心付近の風通しが悪くなってきます。
風もなくじめじめした梅雨は特に蒸れやすいので、その直前に枝や葉を透かしておきます。


【花が盛りを過ぎたら】… 花枯れ対策 どの花も盛りを過ぎたら早目に切り落としてしまいましょう。
花をそのままにしておくとアブラムシの温床になりやすく、また余分な種を付けて体力を消耗します。
また、早目に切り落とすと二番花が咲いてくれることもあります。
花が完全に枯れるまで待たず、盛りを過ぎ始めたくらいで切ってしまいましょう。


【成長が一段落したら】… 形を整える 一年経つとかなり成長の跡が見られますが、旺盛に成長すると株の形や樹形が乱れがちです。
その年の成長が終わったら軽く全体を整えましょう。
だいたい秋の成長が旺盛な頃で良いでしょう。
秋の成長が終わってからだと種類によっては翌春の花芽がついていることもあるので、成長途中のほうが良いです。


【切り戻し】切り戻してみよう!

【切り戻しの仕方】

切り戻し(剪定)の仕方は、単純に枝先を切り落とす場合と、先端だけを摘み取る場合があります。
先端だけを取り除く場合は区別して摘心と呼びます。


剪定はよく切れるハサミを用意します。
枝が込み入っている場合があるので、狭い場所にでも差し込めるように刃先が細い(鋭い)タイプが良いです。
剪定ばさみは意外と刃先の幅があるため、一般的な園芸用のハサミでは【植木ばさみ】が適しています。
ただし太い枝や固い枝を切る場合は【剪定ばさみ】が良いでしょう。
《 関連記事 》 準備するもの > ハサミ


作業としては切り落とすだけですが、切る部分によってその後が変わります。
切る場所については次の項目で説明します。


【どこを切り戻せばいいの?】

いざ切り戻しといってもどの辺りを切ればよいのか、どれくらいまで切ってしまっていいのかわからないことはありませんか?
ここではどの位置で切り戻すのか少し解説してみます。


例としてローズマリーの画像を挙げてみましょう。

ローズマリーの切り戻し位置


1.【新しい部分】 今シーズンに伸びた新しい部分で、今も伸びている部分です。
基本的にまだ枝が緑で木質化する前の柔らかい部分となります。
ひとまず切っておこうという場合はここで切れば枯れるなどのアクシデントは起きにくいです。


伸びすぎたという場合はここを切ってコンパクトにします。
先端の成長点が含まれるのでそれ以上先端方向には伸びませんが、脇芽は出てきます。
脇芽の発生を促したい場合や、それよりも下の脇芽の成長を促進させたい場合はここを切ります。


2.【若い枝】 前回成長した部分で、枝がやや木質化し始めてしっかりしている部分です。
姿を整えたい場合はここで切ると良いでしょう。
まだ成長しているので脇芽も出てきます。
ローズマリーの場合、挿し穂を取るのはこの部分が最も適しています。


3.【古い枝】 時間が経った枝で完全に木質化している部分です。
ローズマリーの場合は枝の表皮に縦の裂け目が入ってきます。
ここで切ると脇芽も出にくく、それ以上伸びにくくなります。


この部分はかなり硬いため、植木ばさみや万能ばさみだと切れないことがありますので、専用の剪定ばさみを用意すると良いです。
株を大幅に小さくしたい場合などに行い、強剪定などともいわれますが、ある程度の脇枝と葉を残しておかないと枯れてしまう場合もあります。


【切り戻した後は?】

切り戻した後は特に注意することはありませんが、切り落とした枝や葉をそのままにしておくとカビの発生源や虫の巣になりやすいため、 きれいに取り除いておきます。
特に鉢植えはその傾向が強いです。


水分を消耗する葉が少なくなっているため、必要となる水も少なくなります。
水やりに適したタイミングが切り戻し以前とずれてくることもあるため、土が乾いていることを確かめましょう。


ローズマリーやタイムなど、樹木系のハーブは挿し芽・挿し木にチャレンジするのも良いでしょう。
なお、ロンギカウリスなど匍匐性で節々から発根するような種類は、 切り落としたものをうっかり周囲にまき散らしておくと根付きますので注意しましょう。
《 関連記事 》 挿し芽の方法


【剪定したら枯れた! という場合 】

切り戻したら枯れたという場合は、切り戻す場所が悪かった可能性があります。
一般的に言われがちな、株の半分までとか、株元の1/3まで切り戻すというのは落とし穴が潜んでいるので注意してください。
ここでは枯らさないように注意ポイントを見てみます。


例としてローズマリーの画像を挙げてみましょう。

ローズマリーをどこまで切り戻すか


このローズマリーを仮に株元の1/3まで切り戻した場合、ほぼ確実に枯れます。
恐らく半分でもアウトでしょう。


理由は【生命維持に必要な量の葉がない】さらに【成長の見込みがないから】です。
画像を見ると枝の半分から根本方向にかけて、新しい枝や葉がほとんどないのがわかります。
しかも枝そのものが完全に木質化した古い枝です。
このような場所からは脇芽が出にくいので、脇芽が発生するまでに枯れてしまう可能性が高まります。


このような場合にどうしても切り戻したい場合は、葉をある程度残して形を整えます。
先端だけ摘心して脇芽の発生を促すのも良いでしょう。
古い枝も全く脇芽が出ないわけではないので、数年我慢すれば葉が少しずつ生えてくるでしょう。


タイムやセージの場合も葉がない枝は枯れてしまいますので、切り戻す際には根元方向にある程度の葉や脇芽を残します。


【まとめ】

CHECK! 切り戻し・剪定のポイント

・成長の余地を残して切ろう
・剪定ばさみよりも植木ばさみが切りやすい
・切ったほうが茂る
・花は早めに
・半分や1/3という数字に騙されない
・切る位置より下に葉を残す


【関連記事】

▲ TOP