でも地面が粘土。しかも山間の寒冷地。これ、本当に育つの?
大丈夫、意外と育ちます。こんな場所で実際に育てた情報を載せています。
寒冷地でのハーブの育て方
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このサイトでは、冷涼地(寒冷地)でのハーブの育て方を紹介しています。
ハーブガーデン風の庭にするために最終目的は地植えで育てることとなりますが、
途中では鉢植えも使っています。
人気のハーブの多くは地中海付近など暖かい気候の植物というイメージのためか、寒冷地で地植えで育てるのは無理ではないかと思われがちですが、
そんなことはありません。
うまく育てれば防寒対策なしでも冬を越せるようになります。
ただしそれにはちょっとしたコツがあります。
それは最初に一度、うまく防寒対策をして冬越しさせることです。
一度冬を無事に越せれば翌年は耐寒性が強まっているのです。
まずは最初の冬を越す方法をご紹介します。
これくらいの寒さ(積雪&氷漬け)は越せるようになります
これに成功すれば寒冷地でもうまくハーブを育てることができるようになります。
もちろん日常のガーデニングや寒冷地以外の冬越しにも応用できるのでおすすめ。
また、サイト内では多くの方が悩む粘土質の土壌についての対策も紹介しますので参考にしてください。
【Start:】手順と方法を確認する
・寒冷地での冬越しの手順
・適したハーブを選ぼう
・必要なもの
【Step:1】まずは鉢植えで冬を越そう
・用意するもの
・なぜ鉢植えなのか?
・鉢植えでの冬越しの方法
【Step:2】地植えの準備をしよう
・適した場所かどうか確認しよう
・土壌対策をしておこう
・実際に植えてみよう
【Step:3】冬越しの準備をしよう
・必要なものと使い方
・目安となる時期と気温を覚えておこう
・冬越しのレベルを確認しておこう
Start:手順と方法を確認する
【寒冷地での冬越しの手順と方法】
それでは寒冷地・冷涼地でのハーブの冬越しの流れを見ていきましょう。
大まかな流れは以下のようになります。
Start1.苗を入手する(※種まきでもOK)
↓
2.鉢植えに植え替える
↓
3.苗を大きく育てる
↓
4.鉢植えで防寒対策をして冬を越す
↓
5.地植えの準備をする
↓
6.地植えに植え替える
↓
7.大きく育てて頑丈にする
↓
8.防寒対策をして地植えで冬を越す
↓
Goal.翌冬は耐寒性大幅UP!!
各項目の詳細はページの中盤で説明しますので、ここではとりあえず上記のような流れだけ覚えておいてください。
なお、入手した時点ですでに鉢植えだった、あるいはもうすでに地植えにしてしまった場合でもまだ間に合いますのでご安心を。
次に、冬越しを成功させやすいハーブ、主に耐寒性が強いハーブや育てやすいハーブの種類を紹介します。
【適したハーブを選ぼう】
寒冷地に適したハーブは耐寒性が高い種類になります。
また、積雪が残るような場所では常に地面が湿っているため、多少の湿り気にも強さがあったほうが良いでしょう。
地面が乾燥しているのであれば意外と多くのハーブが冬に耐えられます。
それでは寒冷地でもお勧めのハーブの種類をいくつか挙げてみます。
まず耐寒性が強く手がかからないハーブとしてはタイムが挙げられます。
タイムの仲間は多くの品種がありますが全体的に耐寒性は強めです。
ローズマリーも意外と耐寒性はあります。
一般的にはアープという品種が挙げられますが、経験上、トスカナブルーやマリンブルー、ミスジェサップも十分な耐寒性を持ちます。
人気のラベンダーではイングリッシュ系で昔からある品種が強いです。
ただしイングリッシュ系は湿気と暑さに弱いので夏は注意が必要です。
ラバンディン系統も、一度冬越しを成功させるとかなりの強さを発揮します。
料理用キッチンハーブとしては、ルッコラとイタリアンパセリが強いです。
基本的にアブラナ科とセリ科のハーブは耐寒性が強いと思って大丈夫です。
ハーブティーに人気のカモミールも耐寒性は強いですが、ジャーマンカモミールは一年草、ローマンカモミールは多年草となります。
マロウの系統も耐寒性が強いものが多めで、さらにある程度湿った土地でも大丈夫です。
地面の水はけが悪い場合は特にお勧めです。
極端に寒さに強い種類としてはワイルドストロベリーやコケモモ、ツルコケモモが挙げられます。
これらは比較的湿り気にも強いです。
なお、ヤロウ・サラダバーネット・ニオイスミレもほぼ放置で冬を越せますが、
地植えすると大繁殖する羽目になりますのでよく考えてからにしましょう。
よく地植えで大繁殖すると言われるミントとレモンバームに関しては、寒冷地では地上部がなくなります。
また、一般に言われているほど耐寒性は強くなく、北関東の山間では防寒対策なしでは極端な寒気の時に枯れてしまうことがあります。
【必要なもの】
植えるハーブが決まったら、冬越しに必要なものをそろえましょう。
・植木鉢
・包むもの(新聞紙や不織布、各種シートなど)
・支柱
・気温情報
・緊急時(急激な温度低下時)の退避場所
植木鉢は鉢植えの場合には必需品ですが、防寒用具としても優秀です。
包むものは鉢植えの場合は鉢を包む場合と地上部の植物を覆う場合があります。
地植えの場合は支柱を立ててそれに巻き付けるとよいでしょう。
気温情報はどれくらいの防寒対策が必要かの見当を付けるために必要です。
また、翌日以降の強い寒気など、事前に把握していることで緊急時前に対策が取りやすくなります。
天気はコントロールできませんので、通常よりも強い寒気が入った時などは安全のために一度冬越しをストップして
退避させます。玄関などにスペースを確保しておいてください。
では、いよいよ冬越しの手順と方法になります。まずは鉢植えからです。
地植えの予定の場合でも最初は鉢植えから行うと後が良好になりますのでご一読ください。
【Step:1】まずは鉢植えで冬を越そう
【用意するもの】
それでは鉢植えで冬を越す方法の説明です。 まずは必要なものを頭に入れておきましょう。
・植木鉢
・包むもの(新聞紙や不織布、各種シートなど)
・緊急時(急激な温度低下時)の退避場所
鉢植えなので最初から植木鉢に植わっていますが、実は植木鉢の材質はとても重要です。
耐寒性を考えた場合、最もおすすめなのはオーソドックスな素焼きの植木鉢となります。
重いのが難点ですが、保温性があり、ある程度の通気性もあります。
逆に樹脂製の植木鉢は厚みも薄く、寒さを通しやすく根が土ごと凍る危険性があります。
さらに樹脂製の鉢は内部が群れやすいので、特に冬季は土や根が凍る原因になりますので気を付けましょう。
また、防寒用具として植木鉢を使う方法もあります。
植わっている植木鉢をそのままもう一回り大きな植木鉢にすっぽり入れるだけです。
鉢カバーのような感じですね。
これは根や土が凍るのを避けるためです。
もちろんウッドなどの鉢カバーでも大丈夫ですが、屋外で水や土で汚れてもよいものにしましょう。
包むものとしては新聞紙やいらない包装紙、不織布や防霜シートなどが挙げられます。
紙類は主に植木鉢を包んで保温します。
不織布や防霜シートはどちらかというと苗の地上部を守るために使用します。
急激な寒気などで通常以上に冷え込むことがあらかじめわかっている場合は防寒シートを二重にするか、
それでも不安な時は安全のために鉢植えを屋内に退避させます。
このとき、あまり暖かい場所に数日おいてしまうと耐寒性が弱くなってしまうので、玄関などでよいでしょう。
逆にまったく日も当たらない暗くて寒い物置なども適しません。
日が入るのであれば物置や納屋などでも大丈夫です。
【なぜ鉢植えなのか】
初めての冬越しは鉢植えの状態で行うのがおすすめです。
これにはいくつか理由があります。
まず、種まきの場合は苗が一年目ではさほど育っていないため、そもそもポットや鉢に植わっていることが多いからです。
苗を購入した場合はある程度成長しているとは思いますが、ほとんどの場合、温室育ちで気候の急な変動についていけません。
また、特に秋に購入した苗は夏に体力を消耗しており、また地植えにしても冬までにしっかり根が張る保証がないのでやや心配です。
もう一つ重要なのが、鉢植えですと場所を移動できるという点です。
寒さが強まるにしたがって、庭→風当たりの弱い場所→軒下などと順を追って徐々に移動させることが可能です。
徐々に寒さに慣らすことによって枯らすことなく耐寒性を強めることができるのでこれは重要な要素です。
また、どうしてもひと冬の間に数回は、天気予報を上回る温度低下や、予想されない急激な温度低下が起きます。
そのようなことが予測される場合や実際に温度が低下してしまった場合など、鉢植えであれば安全のために室内に取り込むこともできます。
一度目の冬で枯らしてしまっては元も子もありませんので、最初は安全を考えて鉢植えでの冬越しをお勧めします。
【鉢植えでの冬越しの方法】
それでは具体的に鉢植えでの冬越しを見ていきましょう。
気温は10月ごろから徐々に下がり始めますが、防寒対策が視野に入ってくるのは大体11月ごろとなります。
最初の目安となるのは最低気温が5度前後です。
このころにまず鉢植えを寒風や霜の当たらない場所へ移動します。
2度を下回ってくると霜の危険性が高くなります。
霜で芽や葉がやられてしまう場合があるので、この時点で植物の地上部にふんわりと不織布などをまいておきます。
ビニールなどをしっかりまいてしまうと蒸れてしまいますし、色が暗くて厚いシートなどは日光不足になりますので、
この時点では薄いシートで十分です。
夜間に常時マイナスになるようになったら根や土が凍る可能性が出てきますので植木鉢にもシートや紙をまくか、
鉢カバー、一回り大きな植木鉢に鉢ごと入れます。
このころは昼間の気温もあまり高くありませんので、可能な限り日当たりのよい場所に鉢を移動します。
霜も風も当たらない南の軒下&壁際などがおすすめです。
夜間に長時間マイナス5度以上になると植木鉢は無対策の場合、中の土が全部凍りますので鉢が冷えないように注意します。
また、軒下等に鉢を移動した場合でも、鉢が複数ある場合は置き方でかなり違います。
風上側や外気が当たる側にはより耐寒性の強い品種を置き、内側に守りたい鉢を置きます。
些細なことですがかなり威力があります。
マイナス5度より冷える場合、日数をかけてじわじわ下がっていくようなときは心配いりませんが、
いきなりマイナス10度を越してくるようなときは突発的に枯れることがあります。
徐々にマイナス10度過ぎになる場合はまだ耐えられますが、さらに突発的に5度くらい下がると危険です。
なお、突発的な温度低下が問題なのであって、日に日に少しずつ下がっていくのであればもう少し寒くなっても耐えられます。
とにかく根と根元の太い茎部分・中心の幹が凍らないように注意してください。
不織布を二重に巻き、鉢自体もしっかり防寒します。
昼間は風と霜をよけつつも十分日光に当てて鉢の温度を上げておきます。
また、一時的に冬越しを中断することが必要な場合もあります。
それは天気予報などで突発的な気温低下が予想される時です。
この場合はあらかじめ鉢植えを室内の明るく涼しい場所へ退避させます。
玄関などでよいでしょう。
暖かい場所へ置いてしまうとせっかくの耐寒性が元に戻ってしまいますので避けます。
極端な寒気が去ったら再び屋外へ戻します。
さらに、種をまいて一年目などの小さい苗や温室育ちの苗は、さすがにマイナス15度になると防寒していても枯れる危険性が高まります。
一年目は無理をせずマイナス5〜10度前後で慣らし、それ以上寒い場合は屋内の涼しい場所へ退避させます。
この時やはり暖かい場所へ置いてしまうとせっかく増した耐寒性がなくなってしまいますので注意しましょう。
一度冬を経験すると翌年の冬は耐寒性が高まっています。
苗も暖かい季節に再度成長するので、元気そうであれば翌年の冬は地植えでの冬越しにチャレンジしてかまいません。
次は地植えでの冬越しに向けた準備です
【Step:2】地植えの準備をしよう
【適した場所かどうか確認しよう】
鉢植えと地植えでは同じ屋外でも環境が変わります。 地植えしてすぐはまだ根も張っていないので、冬までにある程度の期間は欲しいものです。 また、鉢植えと違い地植えは土壌による向き不向きが出やすくなります。 植え付ける前に、適した場所か、土壌はどうか確かめて必要に応じた対策を取っておきましょう。
地植えで冬越しをするために適した場所は以下の通りです。
・よく日が当たる
・強い風が当たらない
・霜が当たらない
・やや乾燥気味の土壌
日光に関しては南向きで一日中当たっているのが理想ですが、朝から昼くらいまで当たっていれば何とかなります。 例えば家の東側などでも十分ですし、一時的に木の陰に入るくらいならなんとかなります。 逆に家の南側でも長時間日陰の場合は厳しくなります。 日光さえ当たっていれば方角は気にしなくて大丈夫です。
風に関しては、冬の冷たい風が当たる場合は気温が下がり始めたころにいきなり枯れることがあるので注意が必要です。 だいたい最初の冷たい一番風でやられますので、それさえ無事に乗り越えれば何とかなります。 風向き・当たり具合に関しては家の構造物の配置によって変わるので、それぞれのご家庭によって異なります。 ただし、夏の間は蒸れることもあるので、まったく風が通らない場所というのは考え物です。 風上側により一層耐寒性の強い植物を植えるのもおすすめです。
霜に関しては注意が特に必要です。 出たばかりの若葉や新芽は初霜で焼けてしまう可能性が高くなります。 地植えの場合は軒下に移動させることができないため、霜に弱い種類は防霜シートや不織布をかけて対処します。 霜に比較的強い場合や回復力がある場合は、朝日ですぐに霜が解けるような場所に植えれば心配ありません。
ラベンダーやローズマリーなど人気の低木性ハーブはたいてい乾き気味の土を好みます。 乾き気味というのは水分を含まない土ではなく、水に濡れても通気性が良くてすぐ乾く土といったほうが正しいでしょう。 寒冷地で一日中風花が舞う場合や残雪がいつまでも残っている場合は常時水分が供給されてしまいます。 このような場所の場合は特に通気性が良くすぐ乾く土壌にしておいたほうが無難です。 裏ワザとして、すぐそばに大量の水を吸い上げる植物を植えてしまうという方法もあります。 また、斜面の下のほうや地面が窪んでいる場所も水はけが悪いので排水対策が必要となります。
【土壌対策をしておこう】
上でも書きましたが、たいていのハーブは通気性のある土壌を好みます。 しかし寒冷地だと気候も相まってやや湿り気の多い土壌の場所が多くなります。 そのような場合は土壌改良が必要になります。 ただし大掛かりなことは必要ありませんので安心して大丈夫です。
具体的な土壌対策ですが、まずはよく掘り返します。 直接空気にさらすことで乾きますし、雑草の根もここで取り除いておきます。 特に粘土の場合は数日おきに何度も掘り返し、土の塊をほぐしておきます。
土がほぐれたら通気性のよい資材を混ぜ込みます。 小粒の軽石砂・川砂・桐生土などの山砂・腐葉土などを混ぜ込みます。 ラベンダーやローズマリーなど地中海性のハーブが主体の場合は草木灰や燻炭などのアルカリ性資材も少し混ぜ込んでおきましょう。 粘土の場合は軽石などの多孔質の顆粒を多めに混ぜます。 根腐れが心配な場合はゼオライトを混ぜておくとよいでしょう。
資材を混ぜたらよく掘り返します。 数日おいて何度か掘り返し、最後は平らにならしてしばらく置きます。 大体掘り起こすと凹凸ができるので、水がたまるような場所がないように修正しておきます。 どうしても水がたまる場合や傾斜の上から水が流れてくる場合は、植え付ける周辺に水が達しないよう、少し離れた位置に溝を掘ります。 あまり深い溝でなくて大丈夫ですが、埋まってしまった場合は再度溝を削っておきます。
水はけを確認し、地面が落ち着いたら植え付けて大丈夫です。
→ ハーブに適した土づくりについてはこちらでもご確認いただけます。
【実際に植えてみよう】
いよいよ植え付けです。春が理想的ですが、秋の場合はできるだけ早いうちに植え付けます。 まずは植え付ける予定の場所に苗を置きます。 葉が広がった一番広い範囲の円周くらいの穴を掘るとよいでしょう。 植木鉢や根鉢のサイズの穴にとどめてしまう方もいますが、根が広がりにくいので穴はやや広めにしておきます。 穴を掘ったら一度その穴へ軽く水を撒いておきます。
植えるときに根鉢を崩すか崩さないかはハーブの種類によって異なります。 根が黒く溶けかけているような場合・腐っている場合は取り除いておきます。 白くきれいな根があればその根は勢い良く育ちますので、そのような根は切らないように丁寧に扱います。 穴に根鉢を入れたら土で埋め戻していきます。 埋め戻す土はあらかじめ少し水分を与えておくとしっかり定着しやすくなります。
植え付けたらこの時ばかりはたっぷりと水を与えます。 土の中にしっかり浸透させてください。 その代わりその後二日くらいは水を与えなくて大丈夫です。 しっかり根付いて根が広がれば、地植えの場合はほとんど水やりは必要なくなります。
【Step:3】冬越ししてみよう
【必要なものと使い方】
地植えの防寒対策に必要なものは植木鉢の時とさほど変わりませんが、追加で支柱があると便利です。 一本棒の形状のものはもちろんですが、意外と便利なのが朝顔の円形支柱です。
・支柱
・包むもの(不織布、各種シートなど)
・バークチップやウッドチップ
・植木鉢やレンガ
・気温情報
支柱は専用の支柱以外にも篠竹などでも代用できます。 守りたいハーブを囲むように3〜4本ほど立てます。 朝顔の円形支柱だと最初から組み合わせてあるので楽です。 そこに不織布や防霜シートを巻いたり、あるいは筒状に開いた袋などをかぶせます。
植物に直接シートを巻く人もいますが、樹木はともかく庭のハーブに市販の防霜シートを巻くとシートの重さと硬さに負けてしまいます。 専用の防霜シートを使う場合は支柱などを使ってそちらに巻いたほうが良いでしょう。 また、防風シートとして売られているものは網目が大きく、実際には冷たい空気が通ってしまいますし霜は防げません。 植物に直接巻く場合は、ある程度の明るさを確保できる不織布がおすすめです。 軽く柔らかくて植物を痛めにくいです。 ただし、直接植物に巻いた場合、シートに触れている部分は外気に冷却されてしまいますので、 若い枝先や新芽は霜枯れてしまう場合があります。 やはり周囲に支柱を立て、植物との間に多少の余裕を持たせたほうが良いでしょう。 また、袋などを切って筒状にしたものを支柱にかぶせると楽なのですが、上が開いているために霜は防げないので油断は禁物です。
バークやウッドチップはインテリアの植木鉢の装飾としてよく使われますが、冬季の屋外では植物の根元を覆って防寒アイテムとして活躍します。 いわゆる根覆いというものになります。 腐葉土でもよいのですが、腐葉土は軽くて風で飛んで行ってしまうので、上からバークチップなどで押さえておくとよいでしょう。 春になったら必要なくなりますが、冬の間に虫が潜り込んで冬眠していたり卵を産み付けたりしていることがありますので再利用はせず、 離れた場所の土に漉き込むか、もったいないですが処分してしまいましょう。
植木鉢やレンガは風上側の根元において風よけにすることができますし、日が当たると熱を蓄えて暖かくなります。 また、シートや根覆いが飛んでいかないように押さえておくこともできます。
気温情報も一応チェックします。 鉢植えと違って室内退避ができないので、急激な温度低下が予想される場合は巻いているシートを二重にする、風よけを設置する、 あるいは根覆いをプラスするなどの追加の対策を取ります。
【目安となる時期と気温を覚えておこう】
だいたい最初の寒風でやられるのは、11月に気温が5度になる頃です。 最低気温が1桁になったら資材を調達するなど準備をはじめ、5度になりそうだったら風が当たらないようにします。 5度を下回ると今度は霜対策が必要となってきます。 ですので最初の年はやはり5度を目安に防霜シート・不織布等で防寒するようにしたほうが良いでしょう。 12月に入り最低気温が連日マイナス2度をこえてくると地面に霜柱が出現するようになってきますので、根覆いを始めます。 連日マイナス4度を超えると霜柱のような表面の水分だけでなく土そのものが凍ってきますので、根覆いはしておいたほうが良いです。 基本的に不織布と根覆いだけでマイナス8度くらいまでは耐えられます。 そのあとは突発的にいきなり気温が下がるようなことがなければマイナス12度くらいまでは何とかなります。 1月から2月の厳冬期に気温がそれより下がる場合はシートを二重にし、根覆いも厚めにします。 2月も後半になると最低気温が徐々に緩み始めますが、突発的に寒さがぶり返すこともあるので防寒対策はそのまま継続します。
【冬越しのレベルを確認しておこう】
冬越し対策はいくつかのレベルがあります。 軽いものですと、風よけ、不織布一枚での防寒(防霜)、根覆いなどとなります。 もう少し寒くなると風よけ・不織布・根覆いの組み合わせとなります。 さらに寒くなると不織布や防霜シートを二重にし、根覆いも厚くします。 それでも危ない場合はさらにその周囲に支柱を立て、透明なビニールのシートや袋を筒状に抜いたものをかけます。 なおビニールを使うときは通気性を必ず確保してください。
実際の冬越しの際はこの軽いものから最低気温の低下に従って順に進んでいきます。 いきなり最初からがちがちに防寒してしまうと耐寒性が高まりません。 徐々に寒さに慣らすことが必要なので、枯れない程度に守るという認識です。 うまく一冬越せばよく冬は耐寒性が強まっています。 前年よりも一段階軽い防寒対策でしのげるようになるので、例えば一番軽い防寒対策でしのげた植物は対策なしでしのげるようになります。
【Step:4】極寒期を過ぎたら
【防寒対策を緩めよう】
三月に入るとだいぶ最低気温も上向いてきます。 ただし時に急激な寒のぶり返しがあるので、防寒対策をすべて取り除くと思わぬ枯死の原因となります。 すべての防寒対策を取り除くのではなく、一段階緩めるくらいでよいでしょう。 この時期にはすでに植物の芽は動いています。 屋外の場合、黒い防霜シートなどをかけっぱなしにしておくと日照不足で徒長しますので、薄い不織布などに取り換えたほうが良いでしょう。 室内の場合も芽の動き始めが早いローズマリーや、もともと徒長しやすいタイムは暖かくなったら屋外で霜や寒風の当たらない場所へ移動します。 根覆いは虫が潜り込んで越冬していることがありますので、暖かくなったら取り除きます。 極寒期を乗り越えたことで耐寒性は上向いています。 最低気温が0度を上回って遅霜の心配もなくなれば対策は終了しても大丈夫です。
【突発的な遅霜に注意】
怖いのはやはり春になってからの急激な温度低下で、こればかりはどうしようもできません。 ひどいときには5月の頭に霜が降りることがあります。 もっとも一冬超えたことで耐寒性は強まっていますので、気温の低下だけでは枯れる可能性は低くなっています。 ただし霜にだけは注意してください。強い霜が降りると枯れることがありますので天気予報に注意しましょう。
逆に、3月に突然20度を上回る場合、イングリッシュ系ラベンダーやアルケミラなど、暑さに弱い植物がやられることがあります。 これらは暑くなる予想の日は朝のうちに風通しが良く日陰の場所へ退避します。 上がるにしろ下がるにしろ、3〜4月は気温の突然の変化に備え、防寒対策に使った資材は処分せずにまだとっておいたほうが良いです。
【春を楽しみに待つ】
無事に冬を越し、気温が明らかに上がってきたらハーブは目にもわかる様子で元気を取り戻してきます。 日中の気温が連日15度を上回ってくると勢いよく成長を始めます。 ここまでくれば冬越しは成功したと思ってよいでしょう。 鉢植えの苗などは植え替えても大丈夫ですし、そろそろ種まきを始めてもよい頃です。 次の冬は前回より一段階軽い防寒対策で冬を越せるようになっていますし、うまくいけば防寒対策なしで超えることも可能です。
粘土質の土壌対策
ハーブを育てるのにあたってネックになることが多いのが、土壌の問題です。 とくに山間ですと地面が粘土質の場合が多く、ハーブ類を根腐れで枯らしてしまいがちです。 しかし多少の対策で多くのハーブは生育できるようになります。 あまり大掛かりな対策は大変なので、一人でできる簡単な対策をご紹介しようと思います。
【まずは耕そう】
粘土の場合、地面がカチコチになっている場合が多いので、まずは耕しましょう。 粘土は粒子が細かく、掘り起こしても塊になっていますので、これをよくほぐします。 数日おいて何度か耕します。 掘り返すことによって空気に触れ、湿りすぎていた場合でも意外と乾くようになります。
【土壌資材を混ぜ込もう】
土がほぐれてきたら、粘土質の改善のための資材を混ぜ込みます。 粘土の粒子はとにかく細かいため、改善のためには顆粒状の資材を混ぜ込みます。
混ぜ込むには通気性の確保のため、多孔質の顆粒が適しています。 砕石のような大きさの粒になってしまうと次回以降掘り返す時に大変になりますので、 顆粒のサイズは小粒から中粒にします。 また、植物の繊維も必要となります。
【お勧めの資材】
・軽石(小粒〜中粒)
・山砂(桐生砂など)
・川砂
・腐葉土
・草木灰
【追加で混ぜる場合】
・ピートモス
・燻炭
・ゼオライト
やや多めに混ぜ込むのは軽石と山砂、腐葉土となります。 混ぜ込む際は一度に全部入れず、数日に分けて何回か混ぜながらよく土を混ぜ返します。 粘土の場合はとにかく攪拌して塊をほぐすことが大事になりますので、一度で済ませるよりは少しずつ行ったほうが良いです。
基本的には上記のおすすめの資材を複数回に分けて混ぜ込めばOKですが、それでも心もとない場合は、追加の資材を混ぜます。 例えば土が全くふわふわにならない場合は少量のピートモスを混ぜると改善されます。 ただし入れすぎると保水能力が上がってしまい、さらに酸性になりますので、この場合は川砂やアルカリ性の資材(草木灰や燻炭)も足します。 日本の土地のほとんどは酸性傾向ですが、ハーブの多くはややアルカリ気味を好みます。 燻炭はアルカリ性資材でなおかつ顆粒で繊維分も含みますので排水性を高めるために役立ちます。 土を掘っていて、花瓶の古い水のようなにおいがする場合や根腐れの心配がある場合には、 根腐れ防止剤として売られているゼオライトを1割ほど混ぜます。
→ 粘土の対策についてはこちらでもご確認いただけます。
【排水対策はどうするか】
土の通気性さえ上がれば、意外なことに大掛かりな排水対策を施さなくてもかなりハーブは耐えてくれます。 通気性が上がることで土が乾きやすくなるためです。
それでも根腐れしてしまう場合や常に湿気が多い場合は排水対策を考えます。 排水対策といっても、実際にはハーブ周辺の水を逃がすというよりも、周辺からハーブの根元に水が流れ込まないようにしたほうが良いです。 そのためにはハーブの根元すぐ近くよりも少し離れた場所に排水のための溝を掘ります。 すぐ近くに溝を掘った場合、何らかの理由で溝がせき止められてしまうとハーブの根元に水がたまったままになってしまいます。 また、降雨時に地面の表面の水を逃がすには、浅く溝を削っただけでもかなり効果があります。 溝は必ず勾配を付け、低いほうへ水が流れるようにしてハーブから水けを遠ざけます。
→ 排水の対策についてはこちらでもご確認いただけます。
【裏ワザ】
土壌対策・排水対策の補助的な裏ワザとして、大量の水分を吸い上げて消費する植物を周辺に植える、という方法もあります。 水分を吸い上げてくれるだけでなく、しっかりと根を張り、粘土の隙間にまで入り込んでいきます。 これは抜き取る時にも自然と地面をほぐすことになりますのでお勧めです。 水分をたくさん消耗する植物としては、葉が大きい植物や葉がたくさん茂る植物が該当します。 サイクルの早い一年草(ヒマワリなど)が良いでしょう。
ハーブの基本の育て方と予備知識
それらを知っておくと悪条件下でも育てるのがぐっと楽になりますし、生育も良くなります。
ほとんどのハーブは頑丈で育てやすいので、さほど難しく考えなくて大丈夫です。
上手に育てるにはなんといっても土の通気性・排水性の確保が大事です。
土の通気性・排水性と、あとは正しい水やりさえ頭に入れておけばぐっと失敗は少なくなります。
悪条件で育てる【粘土質】【寒冷地】
特に湿気の多い粘土質の土壌や、北関東の山間などの寒冷地での冬対策は頭が痛い問題です。
意外と簡単に対策できるので、ポイントをまとめました。
【寒冷地での冬越し】 |
土壌対策や排水対策というと大がかりなイメージがありますが、意外と簡単に一人でできます。
冬越しも大がかりなものは必要なく、ちょっとした工夫で乗り切れます。
霜と風さえ避ければ低温自体は意外と耐えてくれますので大丈夫です。
なぜうまく育たないのか?
ハーブは基本的に頑丈で手がかからない植物ですが、以外なことに、うまく育たない、枯れるという悩みを耳にします。
うまく育たない要因は、ほとんどの場合、土と水の問題です。
うまく育たない・枯れるという場合によく耳にするのが根腐れという言葉です。
文字通り根が腐ってなくなってしまうのですが、これは土に通気性がなく、さらに水が多すぎると発生しやすくなります。
これを防ぐポイントは二つです。
・土の通気性を確保する
・水を与えすぎない
土に隙間がなく、通気性が確保できない場合、土中に根腐れを起こす雑菌が繁殖します。
これらは嫌気菌のため、地中に酸素が届かない環境を好みます。
土の粒子が過度に細かい場合、ぎっしりと詰まってしまうために通気性がありません。
さらに、そのわずかな隙間は湿気を捕まえて離しません。
この代表的な土壌が粘土質の土壌となります。
粘土質の土はわずかな隙間を水が完全に埋めてしまいがちで通気性がないため、乾きにくい上に嫌気菌の絶好の繁殖場となってしまうのです。
根腐れを防ぐには、土に顆粒状のものや多孔質のものを加えてよく混ぜます。
いわゆる砂や軽石、ゼオライト、植物性のものですと腐葉土やバークチップなどですが、一番のおすすめは小粒の軽石です。
これらをよく混ぜて掘り返す作業を何度か繰り返すだけでぐっと土の通気性も排水性もよくなります。
水やりに関しては、大抵のハーブはやや乾燥気味を好みますので水を毎日たっぷり与えているとすぐに根腐れになります。
真夏の極端な乾燥時以外は水は控えめにします。
まとめ
まとめ
代表的なハーブの育て方【基本編】
→ ラベンダーの育て方を詳しく見る
よく茂るタイプとコンパクトな品種とがある。
品種によって育てやすさにかなりの差がある。
→ セージの育て方を詳しく見る
料理には隠し味やポイントとして少量使うのがコツ。
花も美しくて見ごたえがある。
→ その他のハーブの育て方一覧
見た目や香りも重要ポイント。
比較的育てやすいものを選んであります。
このサイトについて
このサイトでは管理人の育てているハーブの育ち具合を元に、寒冷地・粘土質でのハーブの育て方の情報を載せています。
また、基本的なハーブの育て方も公開しております。
お役に立てましたら幸いです。